浜口誠の発言 (本会議)
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○浜口誠君 国民民主党、浜口誠です。
立憲・国民.新緑風会・社民共同会派を代表して、ただいま議題となりました平成三十年度決算外二件の是認に反対、内閣に対する警告決議案に賛成の立場から討論を行います。
新型感染症拡大による緊急事態宣言は、五月二十五日に全面解除になりました。今後、日本は、新感染症拡大の第二波、第三波が来ると言われる中で、感染拡大をコントロールしながら社会経済活動との両立を図ることが求められています。次なる備えとして大切なことは二点あると考えます。
一点目は、これまでの施策を検証し、第一波の経験や教訓を第二波の対策に生かしていくことです。
PCR等の検査体制強化、病床の確保など医療体制の検証、マスクやガウン、人工呼吸器などの確保、治療薬、ワクチンなどの開発支援、学校一斉休業の検証と子供たちの学ぶ権利の保障、雇用調整助成金の改善、非正規、フリーランスを含む多様な労働者の雇用確保、企業の事業継続支援、新型インフルエンザ等対策特措法の課題への対応など、やるべきことは山積しています。
国会の責務を果たすため、閉会中であっても予算委員会を始め各委員会の閉会中審査を行い、国会で議論し、スピーディーに対策を講じていかなければなりません。
二点目は、ウイズコロナ、アフターコロナの日本社会の在り方を議論していくことが必要です。
コロナウイルスとの闘いは長期化をし、感染終息後も元の社会には戻れないとも言われています。日本はどのような社会を目指すのか、サプライチェーンの在り方やグローバル化の検証も必要です。品不足となり、価格が高騰したマスクは約八割が輸入に頼っていた事実、日本で生産すべきものを戦略的に再検証することが必要です。食料の自給率は三七%でいいのか、エネルギーの確保は今の考え方のままでよいのか、様々な分野での議論、検証が不可欠です。
また、国と地方との在り方も問われています。緊急事態宣言時においては、全国の知事の役割が非常に重視されました。また、都市部での感染集中により都市のリスクが浮き彫りとなり、地方回帰も注目されています。地方に権限と財源を渡していく地域主権の議論も不可避です。
企業のテレワークや学校のオンライン授業の拡大、官民で印鑑を押す社会を変えるデジタル政府・社会の推進も待ったなしの課題です。ウイズコロナ、アフターコロナの日本社会のありようを先手先手で議論し、経済や社会の進化に向けて必要な改革は大胆に実行していかなければなりません。
それでは、以下、平成三十年度決算に反対する理由を述べさせていただきます。
第一の理由は、財政健全化が先送りされている点です。
平成三十年度末の国、地方合わせた長期債務残高は一千九十五兆円、対GDP比二〇〇%となっています。平成三十年度決算におけるプライマリーバランスはマイナス十・四兆円程度であり、前年度より〇・五兆円悪化して改善の兆しはありません。今年一月に内閣府が公表した中長期の経済財政に関する試算では、プライマリーバランスの黒字化は目標より二年遅れの二〇二七年度と試算されています。
また、今年度は新型感染症対策として第一次、第二次補正予算が組まれ、その財源は当初予算分と合わせて約九十兆円の国債で賄われることとなり、財政健全化は更に厳しい状況です。緊急事態対応としてやむを得ない面はありますが、次世代への責任を果たすためにも財政健全化の旗を下ろすわけにはいきません。
OECD加盟国では、財政健全化を図る観点から、近年、独立財政機関を設立する動きが相次ぎました。日本においても、連合、経済同友会からも独立財政機関の設置を求める提言も出されており、昨年の通常国会では、国民民主党は、経済財政等将来推計委員会設置法案を提出をいたしました。財政健全化の道筋が描けていない今だからこそ、国会として行政監視機能を強化し、独自に経済財政、社会保障の将来展望などを検証する独立財政機関を日本に設けることを提案します。
第二の理由は、平成三十年度決算検査報告において三百三十五件、総額約一千二億円にも上る不適切な対応や改善の指摘を受けた点です。
一例を挙げると、米国からの有償援助、いわゆるFMS調達においては、平成二十九年度末で出荷予定を過ぎても精算を終えていないのは何と六百五十三件、約一千四百十七億円、うち未納分は八十五件、三百四十九億円となっています。中には十年以上も精算が完了していないものもあります。民間企業の感覚ではあり得ません。耳を疑うばかりです。FMS調達に関しては、過去の検査報告において六回も様々な指摘を受けてきたにもかかわらず、改善は不十分です。原点に立ち返って、根本的な議論を行うことが必要です。
また、総務省が、先ほど委員長報告がありましたけれども、約十九億円投資し、平成二十九年四月から運用を始めた政府共通プラットフォーム上の情報セキュリティー水準の高い環境であるセキュアゾーンが、各省庁に利用されることなく、平成三十年度末に廃止となりました。各省庁間の調整不足により、約十九億円もの税金が無駄遣いされた典型例です。
いま一度、三百三十五件の会計検査院からの指摘を踏まえ、国民の皆さんに納めていただいた税金の重みを真摯に受け止め、一円たりとも無駄にしないことを政府に強く求めます。
第三の理由は、平成三十年度第二次補正予算で、財政法第二十九条に基づく緊要性のない予算が組み込まれている点です。
本来は本予算で計上すべき内容にもかかわらず、第二次補正予算において、公共事業、TPP等関連経費、防衛関係費が大幅に積み増しされました。安倍内閣においては、当初予算では織り込めない予算を、議論のハードルが下がる補正予算編成時に計上するという手法が常態化していると言わざるを得ません。挙げ句の果てに、本年度第二次補正予算の予備費十兆円につながっています。十兆円の使途については、国会として精査が不可欠です。
有識者からも、補正予算での予算の計上はシーリングの対象にならないこと、予算の全体像を見えにくくするなど財政管理運営上の抜け穴になり、財政規律の観点からも懸念が示されています。今後も、緊急時以外の補正予算については、財政法に基づき、緊要性や必要性を精査して慎重に判断していくことを政府に強く求めます。
警告決議については、資源エネルギー庁の不適切な公文書作成、検察庁法改正案の経緯や前検事長の賭けマージャン辞職による検察の信頼回復を始め五件について、政府に猛省と対策を強く求めた上で賛成します。
最後に、今国会や新型コロナウイルス対策を振り返り、安倍総理は、政治への信頼は高まったと思われますか。日本を含む二十三か国・地域の人々を対象にそれぞれの指導者の新型コロナウイルス対応の評価を尋ねた国際比較調査で、日本は政治、経済、地域社会、メディアの全てで最下位です。国民は厳しく評価しています。
さらに、突然のイージス・アショア配備計画停止、桜を見る会の疑問への不十分な説明、森友問題の公文書改ざんの経緯の再調査拒否、賭けマージャンで辞職した前検事長をめぐる前代未聞の甘い処分など、市民感覚からずれまくっている政府の対応に、国民の政治への信頼は地に落ちたと言わざるを得ません。
しかしながら、危機のときこそ政治はその本分を果たしていかなければなりません。立法府に身を置く私たちがその信念を共有し、今後の国会において、国民の皆さんから政治は必要だ、重要だと心から言っていただけるよう、与野党を超えて日本で暮らす皆さんのために取り組んでいくことを訴え、討論を終わります。
ありがとうございました。(拍手)