柴田巧の発言 (本会議)

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○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。
 私は、党を代表して、平成三十年度決算の是認に反対、平成三十年度国有財産増減及び現在額総計算書の是認に反対、平成三十年度国有財産無償貸付状況総計算書の是認に反対、一方、平成三十年度一般会計予備費二件、内閣に対する警告決議案には賛成の立場で討論いたします。
 決算等に反対する第一の理由は、税金の無駄遣いや不適切な会計処理が一向に後を絶たない点であります。
 会計検査院の平成三十年度決算検査報告によれば、税金の使い方等に問題があると指摘されたのは三百三十五件、計一千二億円に上り、件数は十五年ぶりの低水準でしたが、金額は依然として一千億円を超えました。
 厳しい財政が続く中、税金の無駄遣いが改められないのは極めて遺憾です。これまでに繰り返し指摘を受けながら、相も変わらず事前の見積りや事後チェックが甘いがために、国費の不適切な支出や国有財産の散漫な管理を許していることは到底看過できません。
 国民の皆さんが汗水流して納めた税金です。この実態をどう受け止めているのですか。人の財布だからとたかをくくっているのではないですか。これにメスを入れるべき行政府のトップたる総理大臣の指導力も残念ながらうかがえません。
 反対理由の二点目は、災害対策事業がずさんなことです。
 平成三十年度決算について会計検査院が災害対策事業を重点的に検査した結果、幾つもの無駄や問題点が明らかになりました。
 例えば、高速道路管理事務所等の非常用自家発電施設の約二割がハザードマップの浸水想定区域にある事務所に設置されていたほか、防災重点ため池等を約一万か所調べたところ、約四割で危険性の判定が不十分でした。さらには、ダム等の操作監視等に係る重要設備が置かれた管理施設の耐震性が十分に確保されていないなど、枚挙にいとまがありません。
 近年は、台風や豪雨、地震など甚大な被害をもたらす自然災害が頻発し、国民生活が脅かされています。このため、防災・減災関係予算は増える傾向にあり、ややもすれば防災・減災関連というだけで容易に予算が獲得できる空気が漂っています。
 無論、災害対策は重要ですが、多額の税金を投じながら、さしたる効果を生み出さないばかりか、建設した防災施設の耐震性がないがしろにされている実態にはあきれるばかりです。いざというときに役に立たないならば、国民の生命、身体、財産を守ることなど望むらくもありません。真にこの国の防災・減災に資する予算、事業が適正に執行されているのか厳しく点検することは不可欠です。
 第三の理由は、独立行政法人等において、使用が見込まれない多額の余裕資金が手元で寝かされていることです。
 今回の会計検査院の検査報告によれば、案件別の指摘金額で最大のものは、経済産業省所管の独法、中小企業基盤整備機構が保有する第二種信用基金における二百二億円の余裕資金でした。また、農林水産省所管の農林漁業信用基金では政府出資金を原資とする貸付金が八十八億円過大であることや、国土交通省所管の都市再生機構の子会社が十九億円を余裕資金として有していることが指摘されました。
 必要もなく保有されている資金は速やかに国庫に納付すべきです。これだけ眠らせている資金があれば、教育の無償化等、本来推し進めるべき施策を手厚くすることができます。同じような事態が生じないよう、政府全体で独法等に余裕資金がないか徹底的に洗い出し、国の出資金等の規模を見直す体制を整備すべきです。
 第四の理由は、官民ファンドの投資実績が低調で大きな累積損失が生じていることです。
 民間が担い難いリスクマネーを供給し、民間投資を喚起することを目的とする官民ファンドは平成三十年度末時点で十三あり、政府からの出資額九千百八十億円、民間からの出資額三千四百八十六億円、このほかに約三兆円の政府保証が付されています。
 しかし、農水省が所管する農林漁業成長産業化支援機構、A―FIVEや経産省所管のクールジャパン機構等の一部のファンドについては、投資実績が乏しく累積損失を生み、平成三十年度末で三百二十三億円の大赤字となっています。
 官民ファンドへの主な資金源は財務省所管の産業投資資金で、国が持つNTT株やJT株の配当を元手に年一千億円から四千億円を産業投資に注いできました。その結果が累積損失の拡大です。官民ファンドの出資に当たっては、その必要性やガバナンスの確保について厳格に査定すべきです。
 このうち、A―FIVEは、累積損失が令和元年度末時点で約百十億円にも達する見込みであり、廃止を前提に見直しが始まりました。原資は国民の公的財産です。国民の負担を最小限に抑えるために、A―FIVE以外の赤字ファンドも早期清算に向けた議論を加速させるとともに、官民ファンド全体の出口戦略を明確にすべきです。
 第五の理由は、事業実施に当たり、需要把握や各府省との調整等が十分に行われていない事業が少なくないことです。最たる例が政府共通プラットフォームに整備されたセキュアゾーンです。
 総務省は、平成二十九年四月に、インターネットとのデータ交換等を完全に遮断した情報セキュリティー水準の高い環境を政府共通プラットフォームに整備し、運用を開始しました。ところが、セキュアゾーンの整備を選択するに当たり、取り扱う情報の重要度等に応じた対策の選択肢、各対策に対する需要の規模及び費用対効果の把握又は検討が十分に行われていなかったことが明らかになりました。
 加えて、セキュアゾーンの整備に係る各府省との調整が不十分だったため、当該セキュアゾーンについて本来の目的での利用実績が全くないまま、平成三十年度末に廃止をされました。十八億円余りの国費を投じて整備したセキュアゾーンが日の目を見ずに終えんを迎えたことは、誠に遺憾であります。
 こうした税金の浪費にストップを掛けるためにも、事業実施に当たり検討を重ね、かつ各府省との調整をしっかり行う、この当たり前のことを徹底させなければなりません。ITガバナンスの根本的な機能強化も併せて進め、再発防止に努めるべきです。
 最後に申し上げます。
 税金の無駄遣いをやめ、真に必要な予算を確保するには、まず議員自らがその身を切る覚悟を示し、実践をすることです。
 我が党が大阪で与党となった平成二十三年に、大阪府議会で議員定数を百九から八十八に削減する条例改正案を可決し、その本気度が理解されて以降、大阪府・市で抜本的かつ実のある行財政改革が断行されてきました。大阪市の借入れは七年間で約一兆三千億円が削減され、同時に教育の無償化が実現しました。
 翻って、国では税金の無駄遣いに歯止めが掛からず、昨年には参議院で議員定数が六も増えました。反面、国民には消費増税で更なる痛みを強いていることは全く理にかないません。
 隗より始めよです。参議院定数六増を受け、議員が歳費の一部を自主返納する立法措置がとられましたが、本議場には、その約束事さえ守らず、頬かぶりを決め込んでいる議員が何人もいます。該当される方々は胸に手を当てて自身の取るべき行動を考えていただきたい。
 日本維新の会は、今国会に参議院定数の一割削減や歳費の二割削減など身を切る改革関連十五法案を提出しました。
 コロナ禍でやむを得ないとはいえ、国の財政事情は一層悪化しています。日本の未来に投資するためには、実質野放し状態にある税金の無駄遣いの是正を始め、行財政改革を足踏みすることなく進めていかなければなりません。そのスタートは、議員挙げての身を切る改革だと確信しています。
 我が党が率先し、これに果敢に取り組んでいることをお誓いをし、私の討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 120115254X02520200617_006

発言者: 柴田巧

speaker_id: 1171

日付: 2020-06-17

院: 参議院

会議名: 本会議