岩渕友の発言 (本会議)

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○岩渕友君 私は、日本共産党を代表し、二〇一八年度決算、国有財産増減及び現在額総計算書の是認に反対、内閣に対する警告、国有財産無償貸付状況総計算書の是認に賛成の立場から討論を行います。
 以下、主に二〇一八年度決算に反対の理由を述べます。
 反対の理由の第一は、安倍政権によって財政への信頼が根本から損なわれているからです。
 森友学園に国有地を不当に値引きし売却した問題で、安倍昭恵氏の関与を示した記述の削除など公文書の改ざんを強いられ、自殺に追い込まれた財務省近畿財務局職員の赤木俊夫さんの手記が公開されました。改ざんは佐川局長の指示だと断言し、野党議員からの追及を避けるために、原則として資料はできるだけ開示しないこと、開示するタイミングもできるだけ後送りするよう佐川氏が指示していたこと、会計検査院にも応接記録を始め法律相談の記録等の内部検討資料は一切示さないことなどと本省からの指示があったとしており、国政調査権も会計検査院の調査も妨害していたことが明らかになりました。
 佐川氏は不起訴処分となりましたが、我が党の辰巳孝太郎前参院議員が、一八年六月、国会で明らかにした文書で、この処分について、官邸も法務省に何度も巻きを入れていると、首相官邸が法務省を通じて検察に介入したことが問題になりました。当時の法務省事務次官は、賭けマージャンで訓告処分とされた黒川弘務前東京高検検事長です。
 再調査を求めるネット署名は三十五万人分を超え、佐川氏の再度の証人喚問を求める署名は十三万人分を超えて集まりました。真実を知りたい、終わったことにさせてはならないと求める声に背を向けることは許されません。
 安倍首相が、公的行事である桜を見る会に自らの後援会員らを多数招待した結果、参加者は膨れ上がり、二〇一八年の支出額は予算額の約三倍となっています。安倍政権は、公文書である招待者名簿は廃棄したと説明を拒み、なぜ悪徳商法を繰り返していたジャパンライフの会長が招待されていたのかなど、疑惑にまともに答えていません。
 さらに、今、持続化給付金をめぐって不透明な業務委託が問題になっています。再委託はこれまで何度も問題となり、会計検査院が、責任の所在が不明確になり適切な履行の確保が阻害されるおそれがあるとして警鐘を鳴らしてきました。事業者の命綱である給付金が一部の企業の食い物にされるようなことがあってはなりません。これら疑惑の解明を強く求めます。
 反対理由の第二は、政府は、国民に増税や社会保障の負担増を押し付ける一方で、大企業や富裕層への減税などの優遇措置を進めてきたからです。
 二〇一八年の施政方針演説で、総理はアベノミクスで力強い経済成長が実現したと述べましたが、国民に景気回復の実感はありませんでした。安倍政権の下で、年金の削減や医療費窓口負担の引上げ、要支援者の介護サービスの保険給付外しなど、国民負担増と給付削減が続けられてきた上に、社会保障予算は、概算要求時に六千三百億円と見込まれた自然増を一千三百億円も圧縮しました。
 新型コロナウイルスによる感染が広がる中で、診断・検査体制、医療提供体制の脆弱性が露呈しました。新型インフルエンザなどの流行を受け、二〇一〇年に厚生労働省の総括会議報告書でPCR検査体制の強化が必要だと結論付けられたにもかかわらず、安倍政権が国立感染症研究所、地方衛生研究所、保健所などの人員と予算を減らしてきたことが今、鋭く問われています。人員と予算を抜本的に強化し、早急に体制強化に取り組むよう強く求めます。
 さらに、深刻化している医療機関、介護事業所への損失補填が待ったなしに求められています。
 労働者派遣法改定や非正規雇用の拡大、労働法制の規制緩和が繰り返されてきた上、二〇一八年に強行された働き方改革一括法は、議論の出発点である労働時間のデータの捏造、隠蔽が発覚し、市民と野党の声に押されて、法案から裁量労働制を削除せざるを得ないという事態になりました。
 しかし、その内容は、労働時間の規制を取り払う高度プロフェッショナル制度、過労死ラインを超える時間外労働を合法化する上限規制など、労働者の命を危険にさらすものです。その一方で、大企業の内部留保は四百兆円を超え、増え続けています。今こそ、長時間労働と過労死を根絶し、最低賃金の引上げに踏み出すべきです。
 二〇一四年四月の消費税率八%への引上げ強行で消費の低迷が続いていたにもかかわらず、一九年十月の一〇%への引上げは、個人消費に大きな打撃を加え、新型コロナウイルスの影響が更に追い打ちを掛けています。ドイツなどでは消費税の減税に踏み出しました。日本も今こそ消費税の減税を断行するべきです。
 反対理由の第三は、米国追従の姿勢をあらわにし、安保法制の下で軍事費が過去最大の五兆円を超えるなど、際限ない軍拡路線を進めてきたからです。
 トランプ氏言いなりの米国製兵器の爆買いは、価格も納期も契約打切りも米国任せのFMSで進められ、その額は急増してきました。抜本的見直しが必要です。
 一昨日、突如、河野防衛大臣は、秋田、山口両県へのイージス・アショア配備計画について、コストと期間が掛かることを理由に停止を発表しました。イージス・アショアは、中期防衛力整備計画にも一八年度予算概算要求にも盛り込まれていませんでした。にもかかわらず、トランプ米大統領に米国製兵器の大量購入を迫られ、一七年十二月の閣議決定により一八年度予算に盛り込まれるという、極めて異例の経過でした。
 住宅地に近接した場所への配備計画自体が無謀なものであり、地元住民は、ブースター落下の危険性を当初から訴えてきました。こうした声を聞かず、基地内に落ちるので安全だとしてきた防衛省の説明の破綻は明らかです。地元への説明資料のデータの誤りなど、ずさんな実態にも怒りが広がり、配備反対を訴える地元自治体や住民の運動に押され、事実上の中止となりました。なぜこのような無謀でずさんな計画が進められてきたのか、その経緯と責任を明らかにするとともに、計画を撤回、断念するよう求めるものです。
 民意に背き、莫大なコストと期間が掛かる辺野古新基地建設も直ちに中止すべきです。コロナで中断していた工事の再開を強行することは、さきの沖縄県議選で示された新基地建設反対の民意を踏みにじるものであり、許されません。軍事費を削って、新型コロナウイルス対策に回すべきだということを強く求めます。
 原発再稼働や破綻した核燃サイクルを推進するものとなっていることも大問題です。
 東京電力福島第一原発事故から九年がたちますが、いまだに多くの方々が避難生活を強いられ、生活となりわいを取り戻すことができていません。気候危機に対応し、脱化石燃料、再生可能エネルギーの本格導入、原発ゼロ基本法案成立によるエネルギー政策の抜本的な転換を強く求めます。
 私たち日本共産党は、市民と野党の共闘で安倍政治を終わらせ、命と暮らしが守られる政治の実現へ全力を尽くす決意を申し上げ、討論といたします。(拍手)

発言情報

speech_id: 120115254X02520200617_008

発言者: 岩渕友

speaker_id: 7023

日付: 2020-06-17

院: 参議院

会議名: 本会議