岸信夫の発言 (安全保障委員会)

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○岸国務大臣 防衛大臣の岸信夫でございます。
 本日は、若宮委員長を始め、理事及び委員の皆様に、防衛大臣としての所信を申し上げたいと思います。
 我が国を取り巻く安全保障環境は、国際社会のパワーバランスが大きく変化をしつつある中、厳しさと不確実性を増しております。
 北朝鮮は、我が国を射程におさめる弾道ミサイルを数百発保有をしている状況に変わりはなく、昨年来、弾道ミサイル等を相次いで発射することで、弾道ミサイルを含め、関連技術や運用能力の向上を図っていると認識しています。このような発射は、我が国として断じて看過できるものではなく、国際社会全体にとっても深刻な課題であります。さらに、ますます手法を巧妙化させながら、国連安保理決議違反の瀬取りを含む違法な海上活動を継続しております。
 中国は、透明性を欠いたまま継続的に高い水準で国防費を増加させ、軍事力を広範かつ急速に強化し、周辺海空域等における活動を拡大、活発化させております。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により国際的な協調、連携が必要な中において、中国軍は、依然として我が国周辺海空域における活発な活動を継続しています。
 また、ゲームチェンジャーとなり得る最先端技術の開発に各国が注力するなど、テクノロジーの深化が安全保障のあり方を根本的に変えようとしています。
 このような環境のもと、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、防衛大綱及び中期防に基づき、以下の施策を推進してまいります。
 まず、我が国自身の防衛体制の強化について申し上げます。
 防衛力は、安全保障の最終的な担保です。領土、領海、領空を主体的、自主的な努力によって守る体制を抜本的に強化する必要があります。その際、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域での優位性確保は死活的に重要となっています。
 この宇宙、サイバー、電磁波を含む全ての領域の能力を有機的に融合させる領域横断作戦を行うことができ、また、平時から有事までのあらゆる段階において、柔軟かつ戦略的な活動を常時継続的に実施できる、真に実効的な防衛力である多次元統合防衛力を構築してまいります。
 その際、防衛力の中核である自衛隊員の人材確保と能力、士気の向上による人的基盤の強化や、軍事技術の進展も踏まえた技術基盤の強化、さらには、装備品の生産、運用、維持整備に必要不可欠な基盤である産業基盤の強靱化といった防衛力の中心的な構成要素の強化にも努めてまいります。
 イージス・アショア代替策と抑止力の強化については、菅総理が十月二十六日の所信表明演説で述べられたとおり、九月十一日の内閣総理大臣の談話を踏まえてしっかりと議論を進め、あるべき方策を取りまとめていく考えです。
 次に、日米同盟の強化について申し上げます。
 日米安全保障条約は、ことしで署名から六十年を迎えました。今後も引き続き、日米ガイドラインに基づいて、共同訓練、米軍の艦艇、航空機の防護、宇宙領域やサイバー領域等における協力、装備の共同研究・開発など、引き続きさまざまな分野において両国の協力を進展させるほか、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けてともに取り組んでまいります。
 同時に、地元の基地負担の軽減にも取り組んでまいります。特に沖縄については、基地の負担軽減を目に見える形で実現するという政府の取組について、沖縄の皆様に御理解、御協力が得られるよう丁寧に御説明し、普天間飛行場の一日も早い移設、返還などに全力で取り組んでまいります。
 さらに、安全保障協力の推進について申し上げます。
 自由で開かれたインド太平洋というビジョンを踏まえ、地域の特性や相手国の実情を考慮しながら、共同訓練、能力構築支援、防衛装備・技術協力等の手段を活用し、普遍的価値や安全保障上の利益を共有する国々と緊密に連携しつつ、防衛協力・交流を推進してまいります。
 具体的には、豪州やインド、英、仏などの欧州諸国といったパートナー国との協力を一層強化しながら、ASEAN諸国や南アジア諸国、太平洋島嶼国との防衛協力・交流に取り組み、これらの地域全体の安定と繁栄に貢献してまいります。
 同時に、グローバルな安全保障上の課題についても、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動、中東地域における情報収集活動の実施や、エジプト・イスラエル間の停戦監視活動等を行う多国籍部隊・監視団及び南スーダンPKOへの司令部要員の派遣など、国際社会の平和と安定のための取組を推進してまいります。
 次に、国会提出法案について申し上げます。
 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案は、人事院勧告の趣旨を踏まえ、防衛大学校、防衛医科大学校の学生などに支給される期末手当を改定するものでございます。なお、自衛官及び事務官等の期末手当の改定につきましては、一般職給与法の改正に連動して行われることとなります。
 委員各位におかれましては、御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
 以上申し述べましたように、防衛省・自衛隊が直面する課題は山積しており、私は、防衛大臣として、こうした課題に全力で取り組んでまいる所存であります。
 若宮委員長を始め、理事及び委員の皆様におかれましては、一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

発言情報

speech_id: 120303815X00120201110_008

発言者: 岸信夫

speaker_id: 18723

日付: 2020-11-10

院: 衆議院

会議名: 安全保障委員会