務台俊介の発言 (憲法審査会)
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○務台委員 自由民主党の務台俊介です。
発言の機会をありがとうございます。
私は、憲法審査会に所属する立場で、みずからの選挙区の皆様と憲法について意見交換をする機会をできるだけ多くつくっております。話してみると、有権者の皆様が強い関心を憲法のあり方に持っているというのを感じます。
過日も、長野市内で、地元の市町村議員の皆様と憲法の勉強会を開催しました。自民党の改憲項目の四項目を中心に話をしましたが、皆さんが最も反応したのは、投票価値の格差についての考え方、そして、それを理由とした衆議院の区割りのあり方でございました。
長野市は、平成の合併により周辺の過疎町村を行政区域を同じくしましたが、合併後もこれらの町村がもとの選挙区のまま、つまり、私の選挙区にとどまり、市街地の別の選挙区とは分断されております。何でそうなっているのかという問題意識を皆様お持ちです。その背景を突き詰めると憲法十四条の平等原則があるのですよと申し上げますと、そこまで憲法が求めているのかというふうに天を仰がれます。
行政区域を分断する選挙区の設定を現行憲法が求めているのはおかしいという思いは、ふつふつとしております。戦後の高度成長を経て大都市に人口が集中し、人口をベースに選挙区を設定した結果、地方の声が国政に届きにくくなったという声は地方に満ちております。一方で、東京都民から、もっと東京都から国会議員を出すべきだという声は聞いたことがありません。
理念先行で国民の意識とかけ離れた制度設計を余儀なくさせるような憲法解釈が本当にいいのか。最高裁も、人口の要素以外に定数配分を決める要素はないと言っている以上、それを改める議論は必要ではないかというふうに思います。
先ほど山尾委員が、憲法が国民を分断する契機となっているという意見があるという御紹介がありましたが、まさにそういうことが最近目立っているのではないかというふうに思います。
別の事例も御紹介したいと思います。
昨年、台風十九号災害で、各地の神社仏閣も被災しております。私の地元の長野市でも千曲川沿いの神社が被災し、中には、氏子の数が四十人という小規模の神社もございました。氏子のほとんどが被災し、とても神社まで手が回らないということで、再建が難しくなっております。
経済産業省のグループ補助金、これが適用できないか、私も大分話をしたんですが、これはだめだということでございました。ほとんどの中小事業者が補助制度の対象になりますが、風俗営業と神社はだめだ、そういう話でございました。なぜ神社がだめかと聞くと、政教分離だからという声がその担当者から返ってまいりました。
政教分離は特定の宗教を支援するようなことを禁止しているのであり、被災した神社は、農家、社会福祉施設、病院、商店、製造業と同じように、被災者として平等に扱えないのかという指摘をすると、役所の人は口ごもりました。政教分離という言葉で、行政の現場では、はなから公的支援を行ってはいけないというマインドコントロールがそこにきいているようにしか思えません。
各地の神社では、地域の子供がお祭りに参加しております。そして、氏子総代の皆様は、町内会、区長会がこれにかかわり、地域の小学校も子供が参加することを認めている、それがお祭りの継続に役立っているということをしみじみと話をしております。仮に、政教分離ということで、大上段の理屈でこういうものにも参加してはいけないという話になると、地域の伝統ある行事が廃れてしまう、それは明らかではないかというふうに思います。
最近、政教分離を根拠に、我々の地元の知事が護国神社の崇敬者会の会長に就任していることは憲法違反であるという、そんな主張が地元のマスコミからなされ、崇敬者会長をやめるように、そういう主張が出ておりました。もし、その論理が更に裨益すると、地域のお祭りに関する町内会、学校、消防団の関与も許されない、同調圧力で地域のお祭りは廃れることになる、そのように思います。
コロナの影響は現行憲法の矛盾も明らかにしました。仮に、任期満了の国政選挙の時期に大災害やパンデミックが起きたらどうなるのか。今の憲法は、任期の延長に関する規定はありません。任期の延長をすると憲法違反になるとすると、憲法が国民の命を軽んずる内容をはらんでいるということになってしまいます。このような点についても議論をしていかなくてはならないと思います。
国民の皆様は、現行の憲法の意義を認識するとともに、戦後七十五年を経て、現在の我々の制度の運営や日常生活からして素朴におかしいと思えること、窮屈だと感じていること、これらを徹底的に議論し、その上で、憲法の規定を改善する必要があれば果敢に挑戦するということを求めているというふうに思います。そのためにも、国民投票法の採決を早急に行い、早く内容の議論に移ってほしい、それが一般の国民の声ではないかというふうに思います。
この憲法審査会、ぜひ定例日に毎回しっかりやってもらいたい、と同時に、先ほど國重先生ほかおっしゃったように、論点ごとの議論を詰めていって、放談会にならないようにする、そういうことが必要ではないかというふうに思います。そして、できれば、このメンバーを幾つかのグループに分けて、地方ごとの憲法審査会の開催、こういうこともやっていただきたいと思います。それをすることで各地の憲法の論議が盛んになる、そのように思います。
以上です。