菅義偉の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(菅義偉君) 枝野議員にお答えいたします。
OECDの報告書についてお尋ねがありました。
御指摘の報告書では、先進国の傾向として、所得格差が拡大すると経済成長は低下することや、その理由として、貧困層ほど教育への投資が落ちること等の主張がなされていると承知をしています。
格差と経済成長の関係については、さまざまな議論があり、一概に申し上げられませんが、格差については、それが固定化されず、人々の許容の範囲を超えたものではないことが重要です。
このため、菅内閣では、経済再生に取り組む中で、最低賃金の全国的な引上げ、一人親家庭への支援など子供の貧困対策、同一労働同一賃金など働き方改革に加え、就職氷河期世代を含む全ての方が働くことや社会参加することを促進できるよう、個々人の状況に応じた支援等に取り組み、格差が固定しないよう、さらに、許容し得ない格差が生じないよう、さまざまな施策を進めてまいります。
医療機関に対する経営支援についてお尋ねがありました。
医療機関においては、患者数の減少による収入の減少などが見られることから、これまで約三兆円の支援を実施してまいりました。
御指摘の予備費については、新型コロナウイルス感染症患者を入院させた医療機関に対する支援を拡充したほか、それ以外の医療機関も含めた支援として、インフルエンザ流行期に備え、発熱患者等を対象とした外来体制をとる医療機関への補助や、新型コロナが疑われる患者を受け入れる救急、周産期、小児医療機関への支援などを行っています。
まずは、これらの支援を医療現場の皆様に速やかにお届けするとともに、今後とも、国民の皆さんに必要な地域医療が確保できるよう、必要な取組や支援を検討してまいります。
介護職員や保育人材等の処遇改善、待機児童解消、介護報酬改定についてお尋ねがありました。
急速に少子高齢化が進み、人生百年時代が到来しようとする中で、介護や保育などの人材確保を着実に行うことは大変重要な課題であると認識しています。
このため、例えば、これまでも、介護職員や障害福祉人材の処遇について、累次の処遇改善に加え、昨年十月からは月額最大八万円のさらなる処遇改善を実施するとともに、保育士等については、平成二十五年度から昨年までに月額最大八万五千円の処遇改善を実施したところであります。新型コロナウイルス感染症の対策に必要な費用の助成を含め、引き続き、必要な支援を着実に実施してまいります。
待機児童の問題については、子育て安心プランの最終年度である今年度も、待機児童を抱える地域の課題を丁寧に把握し、地域の特性に応じた支援を強化していくこととしており、待機児童の解消に全力で取り組んでいく方針に変わりはありません。
その上で、女性の就業率の上昇を踏まえたさらなる受皿整備、幼稚園やベビーシッターを含めた地域のあらゆる子育て資源の活用を検討し、年末までに新たな計画を取りまとめてまいります。
令和三年度介護報酬改定に向けては、介護職員の賃金等の状況も把握した上で、介護人材の確保、介護現場の革新等に向けた取組について、しっかりと検討してまいります。
コロナ禍のもとでの若者の貧困と教育についてお尋ねがありました。
大学生への支援については、新型コロナウイルスの感染拡大に当たり、その影響を受けて家計が急変した学生を高等教育の無償化の支援対象にするとともに、授業料減免を行う大学への支援や、経済的に厳しいアルバイト学生に対し学生支援緊急給付金の支給を行うなど、さまざまな支援を講じてきております。
学生の就職活動については、これまでも、経済団体に対し、中長期的な視点に立った採用、卒業後三年以内の既卒者は新卒者扱いすることを要請してきたところですが、さらに、新卒応援ハローワークを設置し、担当者を決めて個別に支援するなど、きめ細かな就職支援を行ってまいります。
小中学校等については、新型コロナウイルスに伴う学校再開等への支援として、教員や学習指導員、スクールサポートスタッフの増員を図るとともに、感染症対策に要する経費を支援してきております。また、少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備など、新しい時代の学びの環境の整備については、関係者間で丁寧に検討いたします。
夜間中学校については、外国人への日本語教育の充実など、引き続き、夜間中学校の新設や教育活動の充実のための支援を行ってまいりたいと考えています。
雇用調整助成金の特別措置についてお尋ねがありました。
新型コロナウイルス感染症により経済が大きな影響を受けた中にあって、従業員の雇用を守るべく実施している雇用調整助成金については、日額上限の一万五千円への引上げや助成率の最大十分の十への引上げなど、これまでに例のない特別措置を講じたところであり、八月にはその期限を本年十二月末まで延長したところです。
この特別措置の取扱いについては、今後の雇用情勢などを踏まえ、適切に判断をしてまいりたいと考えています。
経済を立ち直らせるための政策及び協議の場、中小企業政策についてお尋ねがありました。
経済を回復させるため、これまで、最大二百万円の持続化給付金や、困窮者も含めて全ての方々への一人十万円の現金給付など、総額二百三十兆円を超える対策を、必要な方々に行き渡らせるべく実行しているところです。
御指摘のありました所得税の免除については、所得税を負担していない低所得者の方には効果が及ばず、また、消費税については、社会保障制度のために必要な財源と考えております。
中小企業については、雇用政策などとも連携しながら、経営資源の集約化による事業の再構築やデジタル化を含め、中小企業の足腰を強くするための政策を推進し、応援してまいります。
いずれにせよ、政府として、与野党各党の皆さんと、この国会の場で、経済の回復に向けた方策を含め、真摯で建設的な議論を行ってまいりたいと思います。
日本学術会議についてお尋ねがありました。
過去の国会答弁は承知しておりますが、憲法第十五条第一項は、公務員の選定は国民固有の権利と規定しており、日本学術会議の会員についても、必ず推薦のとおりに任命しなければならないわけではないという点については、内閣法制局の了解を経た政府としての一貫した考えであります。今回の任命は、任命権者たる内閣総理大臣が、その責任をしっかりと果たしていく中で、日本学術会議の推薦に基づいて任命を行ったものであります。(発言する者あり)