阿久津幸彦の発言 (本会議)

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○阿久津幸彦君 立憲民主党の阿久津幸彦です。
 私は、立憲民主党・社民・無所属を代表して、ただいま議題となりました日英包括的経済連携協定について質問いたします。(拍手)
 質問に先立ちまして、さきに行われました米国大統領選挙についてお尋ねします。
 既に、ジョー・バイデン候補が勝利宣言をし、菅総理も、バイデン氏と初の女性副大統領になるであろうカマラ・ハリス上院議員に祝意をあらわしたとのことです。
 私は、この大統領選を通じて、二つのことが特に強く印象に残りました。一つは、バイデン氏が米国民に忍耐と融和を訴えたこと。もう一つは、ハリス氏が、性別などに関係ないと子供たちに夢を語ったことです。私は、米国民主主義の底力を見た思いでした。
 そこで、茂木外務大臣にお尋ねします。
 大臣は、このたびの米国大統領選挙を通じて何を感じましたか。強く印象に残ったことなどがございましたら、お聞かせください。
 次に、本題に移らせていただきます。
 我が国と英国は、自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値を共有する戦略的パートナーであり、日英間で緊密な経済関係を築いていくことや、一般的に経済協定を結ぶことに特に異論はありません。しかし、これはヨーロッパにとっては英国のEU離脱という衝撃的な出来事の副産物として検討を余儀なくされた協定であることは、きちんと認識しなければなりません。
 今回の日英EPAは、英国がEUを離脱したために、我が国と既に合意し、発効済みの日・EU・EPAが適用されなくなることから、新たに署名されたものです。離脱の要因を一つに絞ることは困難ですが、少なくともEU側から見れば、ヨーロッパ全体を一つの地域として政治的、経済的統合を進めてきた流れに逆行し、EUという共同体全体の利益を損なう可能性もあるものと考えられます。
 そこで、外務大臣に伺います。外務大臣は、英国のEU離脱をどのように評価しているのでしょうか。
 菅総理は、所信表明演説で、「世界経済が低迷し、内向き志向も見られる中、率先して自由で公正な経済圏を広げ、多角的自由貿易体制を維持し、強化していきます。」と述べられました。英国との二国間のEPA締結は、菅総理が掲げられた多角的自由貿易体制の維持強化という方針との矛盾が生じるおそれはないのでしょうか。米国がTPPから離脱して我が国との包括的なEPAを求めていることを考え合わせると、結局、我が国は、先方の都合に合わせた二国間交渉を受け入れ、我が国が多年にわたり努力して築き上げてきた目標に反し、後追いで内向き志向を肯定し、助長しているのではないかという批判には何と反論されますでしょうか。外務大臣に伺います。
 現在、イギリスとEUは大変苦労して、貿易交渉を含むさまざまな交渉をまとめています。イギリスとEUの合意より先に日英が貿易協定を結ぶ、それも、日・EU・EPAと同じ条件どころか、キャッチアップ条項により、あたかもイギリスのEU離脱がなかったかのような協定を結ぶことは、EUの存在意義を矮小化するような行為にはならないでしょうか。
 日英EPAを結ぶに当たって、EU当局とも話合い、調整などは行っているのでしょうか。この協定の合意内容についてEU当局とどういったやりとりがあったのか、具体的に外務大臣よりお答え願います。
 我が国と英国の経済関係に目を向ければ、現在、英国には約千社の日系企業が進出しており、約十八万人の雇用を創出しています。日系企業にとって、英国は、EUへのゲートウエーであり、重要な地位を占めています。
 現在行われている英国とEU間のFTA協議は難航しており、英国のEU離脱の移行期間が終了するまでにFTAの発効が間に合わない可能性も否めません。
 そこで、英国とEUとの間のFTAが発効しなかった場合に、英国に拠点を置く日系企業が受ける影響について伺います。
 英国には、我が国の基幹産業であるトヨタ、日産、ホンダなどの自動車メーカーを始め、多くの日本企業が進出しております。英国に工場を置く日本企業の多くは、部品の半分近くをEU諸国から輸入し、英国内で組み立て、完成品を英国からEU諸国へ輸出するサプライチェーンを構築しています。
 英国とEUとの通商協議が決裂した場合、例えば、英国からEUに輸出される乗用車には何%の関税が課せられることになるのでしょうか。梶山経済産業大臣に具体的な数字をお尋ねします。
 一部報道によりますと、トヨタや日産など日系の自動車メーカーが英国政府に対して関税コストの補償を請求する動きがあるとのことですが、日系企業の事業の継続性を確保するための政府のバックアップ体制はどうなっているのか、梶山経済産業大臣から説明をお願いします。
 本協定は、政府の説明によれば、基本的に日・EU・EPAの内容を維持しつつ、物品貿易について、一部品目で英国市場へのアクセスを改善し、ルール分野では、電子商取引、金融サービスなどの分野においてより先進的かつハイレベルなルールを規定したものとなっているとのことでありますが、具体的な内容について伺います。
 物品貿易の分野で英国市場へのアクセスが改善された品目名と改善された内容について、具体的な数字を挙げて説明をお願いします。
 電子商取引の分野で新たに設けられた規定の具体的な内容とその効果について、説明をお願いします。
 農林水産品について伺います。
 日本側の関税について、政府は、日・EU・EPAの範囲内としています。確かに、ブルーチーズなど、日・EU・EPAで低関税での輸入を認める関税割当て枠が設定された品目については、新たな英国枠は設定されていません。
 また、日・EU・EPAにおいて牛肉や豚肉などに設定されている、輸入が急増した場合に関税を引き上げる緊急輸入制限措置、セーフガードの発動基準数量についても、英国とEUからの合計輸入数量が日・EU・EPAと同じ発動基準数量に達した場合にのみ、英国に対してセーフガードが発動されることとなり、英国からの急増には対応することができます。
 しかし、EUに対してはどうでしょうか。日・EU・EPAにおけるセーフガードの発動基準数量は英国からの輸入量も含めて設定されたものですが、英国に日・EU・EPAが適用されなくなった後も発動基準数量は変わりません。EUに対しセーフガードが発動しにくくなるのではないでしょうか。政府の見解を野上農林水産大臣に求めます。
 東アジア地域包括的経済連携、通称RCEPについて伺います。
 RCEPは、我が国や中国、韓国、ASEANなどが巨大な経済圏の実現を目指すものであり、今月十五日に開催されるASEAN首脳会議で大筋合意に達するとの報道がありました。RCEPが発効すれば、RCEPを通じた対中国輸出などが促進され、新型コロナウイルス感染拡大によって低迷した我が国の景気回復につながるとのプラスの見方もあります。
 一方で、参加予定であったインドは、多額の対中国貿易赤字を抱えており、国内へ安価な中国製品が大量に流入することへの懸念があることなどを理由に参加を見送る方針であると承知しております。
 インドは、我が国が掲げる自由で開かれたインド太平洋構想の重要なパートナーであり、民主主義や法の支配といった共通の価値観を有した長年の友好国であります。RCEPという強大な経済圏における中国の影響力が過大にならないようにするためにも、インドの参加は必要不可欠なのではないでしょうか。
 RCEPの発効は、当初の予定どおり、インドを含めた十六カ国でスタートするべきであり、インド抜きでのRCEPへの署名は慎重を期すべきだと考えますが、政府の見解を求めます。
 最後に、本協定の第二十一章、貿易及び女性の経済的エンパワーメントについて伺います。
 二〇一〇年に九十四位だった日本のジェンダーギャップ指数は、二〇一九年には百五十三カ国中百二十一位で、過去最低となりました。一方の英国は、ジェンダーギャップ指数では二十一位、女性の活躍が進んだ社会と言えます。我が国では女性管理職の比率が民間企業、公務員ともに一一%台に対し、英国では三〇%を超えており、国会議員における女性の割合も、我が国は衆議院で九・九%、参議院で二二・九%であるのに対し、英国下院議員に女性が占める割合は三四%であります。
 ジェンダー平等の実現は、国連が設定した持続可能な開発目標、いわゆるSDGsの一つです。我が国においては、これほどに男女に格差があるばかりか、一向に改善しない状況について、人権の尊重、民主主義という観点からも問題視されているからこそ、この条項が入ったのだと思います。
 本条約の要請である、女性による国内経済及び世界経済への衡平な参加の機会を増大させることの重要性を認識することに対応して、日本政府はどういった具体的な取組を行っていくのか、御説明ください。
 以上、私、立憲民主党、阿久津幸彦からの質問とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣茂木敏充君登壇〕

発言情報

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発言者: 阿久津幸彦

speaker_id: 14285

日付: 2020-11-12

院: 衆議院

会議名: 本会議