茂木敏充の発言 (本会議)
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○国務大臣(茂木敏充君) 阿久津議員から、米国の大統領選挙についてお尋ねがありました。
今回の大統領選挙は、投票総数が前回を一千三百万票以上上回る一億五千万票以上という過去最大の投票となり、米国国民の関心の高さがうかがわれます。また、事前の予測どおり、両候補の大接戦となりました。
コロナ対応、経済・社会保障政策、格差問題など争点も多岐にわたり、選挙結果から見ても、米国社会にさまざまな意見が存在する現状が見てとれます。このような中、バイデン氏は、八日に実施された勝利宣言のスピーチにおいて、民主党、共和党の党派を超えて、米国の融和、統合を目指す大統領となる旨述べています。まさにこのことが今アメリカが抱えている課題である、このようにも考えているところであります。
また、今般、カマラ・ハリス氏が、米国史上初となる女性の次期副大統領となることが確実となったことは、女性の活躍の観点から、また、多様な価値観を尊重する観点からも意義があるものと考えております。
いずれにしても、日米外交の基軸である強固な日米同盟に変わりはないと考えており、一層の強化に努めてまいりたいと思います。
次に、英国のEU離脱についてお尋ねがありました。
本件は、あくまで英国の判断に基づくものでありまして、我が国として評価する立場にありません。
一方、英国を含む欧州諸国には多くの日系企業が進出をしており、現在英国とEUが行っている将来関係協定交渉の結果がこれら日系企業に影響を及ぼさないよう、英国とEU双方に対して働きかけを行ってきました。
日本としては、引き続き、英国とEUの交渉の動向を強い関心を持って注視していくとともに、英・EU双方に対して早期妥結を働きかけていきたいと思います。
日英EPAと多角的自由貿易体制の維持強化の方針との関係についてお尋ねがありました。
我が国は、WTO改革に積極的に取り組むことを通じて多角的貿易体制の維持強化に貢献するとともに、TPP11や日・EU・EPA、また、これらを補完する日米貿易協定等の締結を通じて複数国間の貿易・投資に関する枠組みを強化することにより、自由貿易を推進してきました。
日英EPAは、英国がEUを離脱することによって貿易・投資に与えるマイナスの影響を回避するため、日・EU・EPAにかわる貿易・投資の枠組みを確保することで、日系企業のビジネスの継続性を確保するとともに、自由貿易を更に推進していくという力強いメッセージを国際社会に対して発信するという重要な意義を有するものと考えております。
なお、英国は、TPP11への加入にも関心を示しており、政府としては、その実現を支持し、多角的自由貿易体制のさらなる維持強化に努めていく考えであります。
日英EPAに関するEU当局とのやりとりについてお尋ねがありました。
日英EPAは日・EU・EPAとは別の国際約束でありまして、日英EPAの運用は日・EU・EPAの運用に影響を与えるものではなく、協定の内容そのものについてEUと調整は行っておりません。
その上で、EUからは本協定の内容について関心が示されていることも踏まえ、これまでも累次にわたって説明を行ってきており、引き続き、必要な情報共有をEUとの間でも図ってまいりたいと考えております。
英国市場へのアクセス、電子商取引の分野についてお尋ねがありました。
日英EPAでは、日・EU・EPAで獲得した英国市場へのアクセスを維持するとともに、鉄道用車両やターボジェット、自動車部品であります電子制御盤等について、英国市場へのアクセスの改善を確保いたしました。
具体的には、鉄道用車両に関しては、日・EU・EPAでは十三年目撤廃となっていたものを即時撤廃に、ターボジェットに関しては、四年目撤廃となっていたものを即時撤廃に、電子制御盤についても、市場アクセスの改善を確保いたしております。
電子商取引の分野では、日英間のデジタル貿易及び電子商取引を促進するため、情報の越境移転の制限の禁止、コンピューター関連設備の設置要求の禁止、ソースコード、アルゴリズムの開示要求の禁止等を規定しています。これらの規律は、国際的なルールづくりをリードし得るハイスタンダードなものと考えております。
これらによって、物品貿易及び電子商取引の分野での日英間の貿易・投資のさらなる促進が期待されます。
RCEPへのインドの参加についてお尋ねがありました。
RCEP協定については、現在、交渉の大詰めを迎えており、我が国としては、昨年十一月のRCEP共同首脳声明を踏まえ、RCEPの年内署名と貿易赤字拡大の懸念や幾つかの国内事情を抱えているインドの交渉復帰に向けて取り組んでいるところであります。
十億人を超える人口を抱え、近年、着実に経済成長を実現しているインドの重要性は言うまでもなく、インドがこの協定に参加することは極めて重要であり、我が国としては、インドの参加に向けて、引き続き主導的な役割を果たしていきたいと考えております。
最後に、女性に関する具体的な取組についてお尋ねがありました。
本協定では、女性が経済に衡平に参加する機会を増大することの重要性を認識し、女性が本協定で創出される機会や利益を十分に享受できるよう、日英間で協力していくことを規定いたしております。
こうした取組を進めるため、本協定のもとで設置をされます貿易及び女性の経済的エンパワーメントに関する作業部会において、英国と協力を進めていく考えであります。(拍手)
〔国務大臣梶山弘志君登壇〕