笠井亮の発言 (本会議)
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○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、日英包括的経済連携協定、EPAについて質問します。(拍手)
本協定は、コロナ禍で初の自由貿易協定であり、EU離脱後の英国が主要国との間で初めて結ぶ、日欧EPAにかわる新たな枠組みであります。
七年八カ月の安倍政権は、自由貿易を成長戦略の柱に掲げ、国境を越えて利益の最大化を追求する多国籍企業に経済主権、食料主権を売り渡してきました。
それが、今日のコロナ禍で何をもたらしたか。マスクや防護服などが海外生産国の輸出規制に直面して国内供給が逼迫し、海外調達部品不足に見舞われ、日本の食料自給の脆弱性が浮き彫りになりました。
菅政権には、こうした外需頼みの政策、TPP11、日欧EPA、日米貿易協定などの貿易自由化が危機に弱い社会経済をつくり出したという根本的反省はないのですか。
本協定について、英国政府は、EUに加盟していたらかち取れなかった大勝利だなどと評価しています。日本政府は一体何を譲歩したのですか。
まず、日欧EPA自体が問題です。
発効直後に欧州からのチーズ輸入量が前年同月比一・五倍にもなり、二〇一八年十一月二十日の本会議質問で私が取り上げた、懸命に経営努力する北海道など酪農産地の危惧が現実になっているではありませんか。
その上、英国産ブルーチーズ等の輸入枠には将来の見直し規定が盛り込まれ、パスタ、米菓子など十品目で原産地規則が大幅に緩和されています。日欧EPA超えは明らかではありませんか。
TPPや日米貿易協定などを含め、自動車等の工業品の輸出増と引きかえに農業に犠牲を強いる高い水準の市場開放で、日本国内の生産現場、雇用、国民生活、地域経済にどんな悪影響が出ているのか、明らかにされたい。
本協定に、さらなる自由化に向けた再協議規定が盛り込まれていることは重大です。
日欧EPAは、米は関税撤廃、削減等の対象から除外としています。ところが、本協定では、全ての農産品を見直し対象としています。なぜ、米をその対象から除外しなかったのですか。主食である米を際限のない自由化にさらすものではありませんか。
また、日本側が投資の自由化やサービス貿易分野で留保している労働者派遣業、建設、教育、医療、福祉などが今後の改定交渉のテーマにならないと断言できますか。
英国のトラス国際貿易相は、来年初めにもTPP参加の意向を表明し、西村TPP担当大臣も、日英EPAはその後押しになると述べています。将来、米国が復帰する可能性があるもとで、日本が芋づる式に、より高い水準の市場開放を迫られるのではありませんか。
本協定には、個人情報を含むデータ移転の自由などが盛り込まれています。EU離脱で英国には一般データ保護規則、GDPRが及ばなくなるもとで、個人情報保護や中小企業の利益よりも、GAFAに代表される巨大プラットフォーマーの利益を優先し、ビッグデータを制約なくビジネスに活用させるものではありませんか。
英国は、昨年九月以来、日英自由貿易協定、FTAの意見聴取を実施し、交渉目的や影響試算も公表されてきました。なぜ、日本政府は今日に至るまで交渉の具体的内容や範囲、影響試算などを国会と国民に一切説明しないのですか。TPP秘密交渉の前例を踏襲することは許されません。
コロナ禍の今、国内生産基盤の抜本的強化、食料自給率の向上など、内需を拡大し、危機に対応できる強い経済づくりにかじを切ることを強く求めて、質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣加藤勝信君登壇〕