茂木敏充の発言 (外交防衛委員会)

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○国務大臣(茂木敏充君) おはようございます。
 引き続き外務大臣を務めさせていただくことになりました茂木敏充です。外交防衛委員会の開催に当たり、長峯委員長を始め、理事、委員各位に御挨拶申し上げるとともに、外交政策の所信について申し述べます。
 まず、新型コロナウイルス感染症への対応について申し上げます。これまで、感染症危険情報の発出、レベルの引上げや水際対策の強化、一万二千人以上の在外邦人の出国・帰国支援、国際的な人の往来の再開に向けた取組を行ってきました。引き続き、人の往来再開について双方向の協議を進めている国・地域と早期合意に向け調整するとともに、どのような施策、対策の組合せで感染症再拡大の防止と両立する形で往来を再開していくか検討していきます。また、人間の安全保障の理念に立脚し、医療体制が脆弱な途上国への支援を始め、国際的な協力、連携を進めます。
 本年二月以降、コロナの影響で対面での外交が困難な状況となり、各国の外相とテレビ会議、電話会談を八十回以上行ってまいりました。ただし、国益を懸けた貿易交渉や機微にわたる外交上のやり取りには、対面での会談が必要であり、八月以降は、欧州、東南アジア、パプアニューギニア、中東、モンゴルへの訪問、東京での日米豪印外相会合の開催など、万全な対策を取った上で、リモートと併せ対面での外交を展開しています。
 今後の外交全般については、引き続き、六つの分野に焦点を当て、包容力と力強さを兼ね備えた外交をより一層、戦略的に展開します。
 第一に、日米同盟です。日本を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、日本の外交・安全保障の基軸であり、地域の平和と安定に貢献する大きな役割を担う日米同盟を更に強化します。また、普天間飛行場の一日も早い辺野古移設を始め、地元の負担軽減に全力を尽くします。
 日本の提唱する自由で開かれたインド太平洋の実現は、米国のみならず、ASEAN、豪州、インド、さらには英国、フランス、ドイツを含む欧州まで広がりつつある考え方です。ポストコロナの世界においても、地域と国際社会の平和と繁栄に貢献するために、考え方を共有する国々、パートナーと連携して、その実現に向けた取組を推進していきます。
 第二に、北朝鮮をめぐる諸懸案への対応です。日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、北朝鮮との国交正常化を目指す基本方針は変わりません。日米、日米韓の結束の下、国際社会と連携しながら、朝鮮半島の完全な非核化を目指します。また、最重要課題である拉致問題の早期解決に向け全力で行動していきます。
 第三に、近隣諸国との外交に積極的に取り組みます。
 日中関係は、最も重要な二国間関係の一つです。中国との間には様々な懸案が存在しますが、引き続き首脳会談や外相会談等のハイレベルの機会を活用して、主張すべきはしっかりと主張し、懸案を一つ一つ解決し、また中国側の前向きな対応を強く求めていきます。
 他方、東シナ海における一方的な現状変更の試みは、断じて認められません。冷静に、かつ、毅然と対応していきます。南シナ海をめぐる問題についても、緊張を高めるいかなる行為にも強く反対し、力や威圧によらない国際法に基づく紛争の平和的解決の重要性を強調していきます。
 韓国は極めて重要な隣国です。だからこそ、旧朝鮮半島出身労働者問題を始め、現在非常に厳しい状況にある日韓関係をこのまま放置してはならないと考えます。日本政府として、両国間の問題に関する我が国の一貫した立場に基づき、今後も韓国側に適切な対応を強く求めていきます。
 日ロ関係を重視していく姿勢に変わりはなく、政治、経済、文化等、幅広い分野で関係全体を発展させていく考えです。菅政権として、一昨年のシンガポールでの首脳間のやり取りについてしっかりと引き継いでおり、領土問題を解決して平和条約を締結すべく、粘り強く交渉に取り組みます。
 第四に、中東情勢への対応です。私も本年十月にはサウジアラビア、クウェートを訪問し、またイスラエル、UAE、イラン等の地域各国と電話外相会談を重ねてきました。中東の平和と安定は、原油輸入の約九割をこの地域に依存する日本の国益に直結します。今後も、中東の緊張緩和と情勢の安定化に向けた外交努力を継続します。
 第五に、新たな共通ルール作りを日本が主導する経済外交に邁進します。世界的に保護主義が台頭する中、自由貿易を推進し、ルールに基づく多角的貿易体制を強化することが重要です。今般署名に至りました日英包括的経済連携協定について、今国会で御審議をよろしくお願い申し上げます。また、ポストコロナで重要性が増すデジタル分野での新たなルール作りや、紛争解決制度改革を始めとするWTO改革にも尽力します。さらに、経済安全保障の確保に向け、適切に取り組んでいきます。
 最後に、SDGs達成を始めとする地球規模課題への対応です。ワクチン等の確保やユニバーサル・ヘルス・カバレッジ達成を含む保健分野にとどまらず、気候変動、教育、人権、女性、防災、海洋プラスチックごみ対策、アフリカ開発など、新型コロナウイルス感染症の拡大により深刻化する諸課題につき、今後も指導力を発揮します。また、軍縮・不拡散や国連安保理改革、国際機関の日本人職員増強にも取り組みます。
 以上の諸課題について、着実かつ具体的な成果を上げるため、総合的な外交力の強化と戦略的な対外発信に努め、ポストコロナのルール作り、体制づくりにおいて、存在感ある日本外交を展開していきたいと思います。
 長峯委員長を始め、理事、委員各位の御指導と御理解を心からお願い申し上げます。

発言情報

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発言者: 茂木敏充

speaker_id: 5551

日付: 2020-11-12

院: 参議院

会議名: 外交防衛委員会