福山哲郎の発言 (本会議)
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○福山哲郎君 議運の取決めにより、マスクを外させていただきました。
立憲民主党の福山哲郎です。
菅総理、内閣総理大臣御就任おめでとうございます。二世、三世でもなく、派閥なしから日本のリーダーになられたのは近年の自民党では希有な存在であり、まずは祝意を表したいと存じます。
さて、安倍長期政権が終えんし、一つの時代が終わりを告げました。菅内閣が発足し、時を同じくして衆参百五十名の仲間とともに新立憲民主党を結党させていただいたことは、まさに時代の要請だと感じています。私たちは、ウイズコロナの時代に即した新しい綱領を作り、スタートしました。
一つには、一人一人の日常の暮らしと働く現場の声に立脚した、多様性を認め合い、差別のないお互いさまに支え合う社会をつくること。
二つには、過度な自己責任論に陥らず、目先の効率性だけにとらわれず、格差を解消し、一人一人が幸せを実感できる社会をつくること。
三つには、公文書管理と情報公開を徹底し、透明で公正な信頼される政府をつくること。
また、コロナ下において不要だったアベノマスク、給付金の遅れ、PCR検査が増えなかったことなど、行政の劣化が露呈する中で、実行力のある機能する政府をつくること。
強い決意でこれらを具現化し、国民の命と暮らしを守るとともに、もちろん立憲主義を重んじることは言うまでもありません。
さて、一九四九年の日本学術会議の発会式において、当時の吉田茂内閣総理大臣は、祝辞で、日本学術会議はもちろん国の機関ではありますが、その使命達成のためには、時々の政治的便宜のための制肘を受けることのないよう、高度の自主性が与えられておるのでありますと述べられています。
また、八三年、当時の中曽根内閣総理大臣は、独立性を重んじていくという政府の態度はいささかも変わるものではございません、政府が行うのは形式的任命にすぎないと答弁されています。
国立公文書館に出向いた我が党の小西洋之議員の調査によれば、一九八三年の法案審議の際の想定問答には、独立性の強い機関であり、内閣総理大臣は学術会議の職務に対し指揮監督権を持っていないとされています。
今般、六人を任命しなかった行為は吉田総理の言うまさに制肘を加えんとする行為であり、甚だ遺憾です。制肘とは干渉した相手の自由な行動を妨げるという意味です。
総理、まずは、六人を排除したことに対する吉田、中曽根両元総理の言葉を凌駕するような明確な根拠をお聞かせください。また、解釈は変更されたのでしょうか。加えて、六人それぞれ排除した理由もお聞かせください。
ましてや、総理はリストを見なかったと発言されています。昨日の答弁で、御自身が判断したと述べられました。リストを見ずにどのように判断されたのでしょうか。偏りについても、大西元会長は明確に否定されています。人事の問題だからこそ、理由の説明が必要です。一連の六人を排除したことは違法だと考えますが、総理の認識をお答えください。
総理は、所信表明演説で、アベノミクスは今後も継承し、更なる改革を進めていくと述べられました。
安倍前総理は、二〇一三年にGDPを平均で名目三%、実質二%程度成長させる目標を提示しましたが、結果として実質GDPは一・一%にとどまりました。二%の物価安定目標も達成できていません。企業の内部留保は四百六十三兆円に拡大するも、労働分配率は七二%から六六%に低下をしております。実質賃金は上がらず、個人消費も回復していません。増えた働き手の六五%は非正規労働者でした。その多くは中高年、七割が女性です。貯蓄ゼロ世帯は何と三割を超えています。この実態がコロナ下での国民生活に大きな影を落としています。
総理は、アベノミクスの何を継承し、何を改革していくおつもりですか。お答えください。
そんな中、今年に入り、新型コロナウイルスの感染拡大が世界中を襲いました。今年の四―六の実質GDPは戦後最悪の年率二八・一%減、個人消費も前期比二八・二%減で、大幅に落ち込みました。緊急事態宣言、自粛、休業要請の中で、働きたくても働けない、商売したくても商売ができない、そんな労働者や企業があふれ返りました。その結果、日雇、派遣、契約、アルバイトなどの非正規労働者などの脆弱な生活基盤の人により大きなダメージが生じています。
緊急小口資金等の特例貸付けは累計支給件数約百二十万件、あの東日本大震災の二〇一一年度でも一年間で約七万件にすぎず、いかに今年が激増しているか御理解いただけると思います。また、住宅確保給付金は申請が現在十万件を超えました。昨年は全国で一か月四百人程度の利用でした。
そして、野党側から一日当たりの上限額の引上げ等を要望し実現した雇用調整助成金の特例措置は現在、約百七十万件の申請があり、支給決定額は一兆九千億にも上っています。緊急小口資金特例は十二月末まで、住宅確保給付金は期限が九か月、雇用調整助成金の特例措置は十二月末までに終了する予定になっています。
これらの支援メニューは年末から年度末にかけて期限を迎えます。支援メニューによってぎりぎりの生活をしている人たちがたくさんいます。これらの支援が切れると生活困窮者や失業者が一気に増えるおそれがあります。言わばセーフティーネットに大きな穴が空くことになります。
総理、リーマン・ショック時よりはるかに国民生活への衝撃は大きく、自助、共助で生活できる範囲を超えているとは思われませんか。彼らは自助努力を怠っているわけではありません。自分でできることはまず自分でやってみろと政府が突き放すような状況なのでしょうか。逆に、今こそ政治が必要とされているのではないでしょうか。まさに公助の出番です。総理の認識を伺います。
また、雇用調整助成金の特例措置の延長は中小企業に限りません。大企業でも、系列会社や子会社等で雇用調整助成金を活用しているところが存在します。延長は頼みの綱です。一日も早く延長を決めて、年末にかけてそれぞれが安心できるような状況をつくっていただきたい。強く延長を求めたいと思います。総理の御決意を求めます。
次に、休業支援金について、十月中旬現在、五千億円の予算で僅か五%に満たない程度しか支給されておらず、利用が進んでいません。
申請には事業主による確認が必要とされていますが、私の地元の京都では、ホテル、旅館、観光産業で働く日々雇用、アルバイトの学生、バスガイドの皆さん等がこの確認が取れず立ち往生しています。また、大企業で働く非正規雇用労働者にも活用できればと考えています。
休業支援金の支給状況に対する現状の評価及び必要な方に届くよう、申請対象及び申請方法を見直す必要性について、総理の認識を伺います。
家賃支援給付金についてお尋ねします。
今年度第二次補正における二兆二百四十二億円の予算にもかかわらず、十月九日現在の支給額は僅か二千五百億円程度、一〇%強にとどまっています。なぜこのような事態になっているのか、経産大臣、お答えください。
また、五十八万件の申請に対し、なぜ約半分の三十万件の給付にすぎないのでしょうか。二十八万件の未給付の部分について、なぜ給付が遅れているのか、原因についてどう分析し、今後どのような改善を考えているのか、経産大臣の見解を伺います。
経済との両立のための検査の充実は不可欠です。立憲民主党は、例えば、医療、介護、保育、教育で働く方々が、希望すれば公費でPCR検査を受けられるようにすべきと提案をしています。総理の見解を伺います。
今後、季節性インフルエンザが流行する時期を迎え、検査体制の大幅な拡充が必要となります。感染ピーク時にそれぞれの検査特性に合わせた検査数の確保、人員や防護体制の確保をどのように行っていくつもりなのか、また、PCR検査等の低廉化も必要であると考えますが、併せて総理の認識をお聞かせください。
さらに、新型コロナの患者を受け入れた医療機関だけでなく、全ての経営悪化医療機関等を支える新たな給付金の創設を求めますが、総理の見解を伺います。
予備費についても伺います。
今年度第一次及び第二次補正予算において、新型コロナウイルス感染症対策予備費は合わせて異例の十一兆五千億円計上されました。現時点で七兆二千七百八十億円についていまだ使途が決まっていません。
最近の報道等では、年明け、第三次補正予算案が検討されていると仄聞します。なぜ予備費が七兆円も残っているのに補正予算を組むという話になるのでしょうか。新型コロナウイルス感染症対策であれば、この予備費の残額から使用していくべきです。第三次補正予算は、総理、一体何を想定しているのでしょうか。補正予算を組む判断はいつ頃、どんな観点で指示をされるのか、総理に伺います。
その七兆円の予備費の活用について、提案があります。
一人親世帯の多くは平時でさえ苦しい生活状況でありますが、認定NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむの調査では、おむつを頻繁に替えない、職場のウオーターサーバーのお湯が朝食だという母親がたくさんいます。深刻な状況が明らかになっています。
一人親は多くの人が非正規労働で働いています。その結果、雇い止めに遭ったり、休業手当が出ないなど、新型コロナの影響を最も受けていると言っても過言ではありません。
総理は、所信表明演説で、一人親家庭への支援など、子供の貧困対策に社会全体で取り組みますと明言されました。年内に低所得の一人親世帯への臨時特別給付金の二度目の支給を、予備費を活用して実施してはいかがでしょうか。総理の見解を求めます。
公共交通や物流は、国民生活や経済活動等を支える重要な社会インフラであり、緊急事態宣言下においても、大きく減便することなく、通常の輸送を維持することが求められてきました。全ての公共交通が深刻なダメージを受けています。
厳しいのは中小事業者だけではなく、大手民鉄やJRなどの大手の事業者も同様です。例えば、二〇二一年三月期までにANAはグループ全体で過去最大の五千百億円の赤字。JR東日本は四千百八十億円、JR西日本は二千四百億円の赤字で、これも過去最大。尋常な数字ではありません。地方では地域公共交通の維持、存続も危ぶまれます。
感染リスクを抱える中で安全輸送を担っている彼らを、総理は、エッセンシャルワーカーであると認識されていますか。また、交通崩壊を防ぐため、公共交通の維持のための資金繰り対策に資するような支援策、ここでも雇用調整助成金の延長、感染症収束後における需要喚起策等が必要であると考えますが、総理の認識を伺います。
スポーツ界も深刻な危機に直面しています。
二月以降、プロ、アマを含めてスポーツ大会やイベントが中止、延期となりました。スポーツ施設も閉鎖され、練習や運動の機会が失われました。
プロスポーツへの影響も甚大です。例えばBリーグはB1、B2全三十六クラブのうち八割が赤字、五割が緊急融資を受ける事態となりました。今月、選手等へのPCR検査の実施等、様々な予防措置を講じながら新たなシーズンが開幕しましたが、入場者数の制限もあり、四割程度の入場者にとどまっています。到底、損益分岐点に達しません。
こうした状況を受けて、超党派の議員連盟において、いわゆるtoto法について、感染症が発生した場合における支援等を新たに助成対象とする改正法案を取りまとめ、今国会での提出に向けて取り組んでいるところです。政府においても、苦境にあるスポーツ界に対して一層の支援策を講じるべきと考えますが、総理の見解を求めます。
ライブエンターテインメントも深刻さも変わりません。
大型イベントの自粛要請等の影響により、音楽コンサートを始めとするライブエンターテインメント業界は大きな経済的な損失を被っています。来年一月までの損失額は、音楽コンサートで約三千五百億円、演劇、ステージ系で約千五百億円にも上る見込みと試算されています。また、九三%のライブハウスが一か月から一年もつか分からないという調査すらあります。
一万人以上のイベントには五〇%制限があり、本格的な開催には程遠い状況です。先行きに好転材料が見当たらず、プロダクションやアーティストには絶望感も広がっており、廃業や活動停止なども続いています。この業界は一見華やかに見えますが、映画、音響等々、関係者の裾野が広い分、生活が脅かされている人々も少なくありません。
今回のコロナで明らかになったことは、スポーツ、文化、芸術がどれほど一人一人の国民に必要であったものかという再発見です。立憲民主党は綱領に文化芸術の振興を高く掲げました。
文化芸術活動の継続支援補助金の延長と、申請の簡略化、再申請の受入れを求めたいと考えますが、総理の見解をお聞かせください。
菅新政権の外交方針における菅カラーとは一体何なのでしょうか、お伺いします。
安倍前総理は、日中関係は完全に正常な軌道に戻ったと述べ、習近平国家主席を国賓として招くことを予定していました。本当でしょうか。
尖閣諸島周辺では、中国が接続水域に連日公船を航行させ、月に数度、我が国領海に侵入するという状況が常態化、挑発行為をエスカレートさせています。海上保安庁の巡視船が中国公船の間に割って入り、漁船をガードするなど、非常に高度な任務を遂行しています。海上保安庁並びに連日の警戒監視等の任務に当たっている自衛隊の皆様に心からの敬意を表します。中国のこのような行為を今後エスカレートさせないため、どのような外交努力をされるつもりか、お答えください。
香港の一国二制度を実質的に骨抜きにするなど、国際社会の懸念も広がっています。菅総理は、就任後の日中首脳電話会談において様々な懸念を伝えたとのことですが、そもそも習近平国家主席を国賓として招く考えに変わりはないのか、お伺いします。
菅総理は、総理就任以来、拉致問題について、これを政権の最重要課題とし、解決に全力を傾けると表明されています。安倍前総理も、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との条件なしの対話を提案してきましたが、先方から全く反応が見られませんでした。菅総理は、北朝鮮との首脳会談が実現しなかった理由をどう考えているのでしょうか。また、一刻も早い拉致被害者の帰国に向けて、総理は具体的にどのような手だてを講じようと考えているのでしょうか。お聞かせください。
安倍前総理は、ロシアとの共同経済活動を進めつつ、日ソ共同宣言をベースに二島先行返還を実現するという姿勢を示し、北方領土問題に取り組まれました。その間、北方四島について日本固有の領土と公に発言するのを控え、外交青書からも消えました。
今年六月にプーチン大統領は領土の割譲を禁止する憲法改正を行うなど、領土問題は全く進展しませんでした。これまでの交渉はロシアに誤ったメッセージを伝えてきたのではないでしょうか。
改めて、北方領土は日本固有の領土だという認識に立って交渉を再構築するべきではありませんか。総理には、北方領土は日本の固有の領土であると明言をいただいた上で、お答えをいただきたいと思います。
従来、政府は、防衛大綱にも、中期防になかったイージス・アショアについて、国民の命を守り抜くため導入はどうしても必要だと説明をしてきました。しかし、突然配備を断念し、今度は前のめりに敵基地攻撃能力の保有に関する議論を進めようとしています。場当たり的であると言わざるを得ません。
これまで我が国は、日本国憲法の下、専守防衛に徹し、敵基地攻撃は法理的には可能だが保有しない、また日米安保条約に従い、自衛隊は盾の役割を、在日米軍は矛の役割を担い、他国の領域内を攻撃する能力は整備してきませんでした。敵基地攻撃能力の保有の検討を始めるのであれば、安保政策の歴史的転換となります。
専守防衛との整合性、必要最小限とはどういったものなのか、外交・安全保障への総合的な影響など丁寧な議論が必要です。敵基地攻撃能力の保有について、総理自身の見解をお答えください。
総理は、これまで基地負担軽減担当大臣として、基地問題と沖縄振興がリンクする旨を言及してこられました。沖縄振興は、太平洋戦争における戦禍やその後の米軍統治といった歴史的な事情を踏まえ、国の責務としてなされてきたものであります。沖縄振興予算や沖縄振興一括交付金を減額する政府のやり方は、沖縄の自主性を尊重し、自立的発展、豊かな住民生活の実現を目的とする沖振法の趣旨に反します。
改めて、国が自らの責務として沖縄振興に取り組むそもそもの意義に立ち返り、基地問題とは切り離し、沖縄振興を進めるべきだと考えますが、総理の認識を伺います。
さらに、辺野古移設について、軟弱地盤の影響で工期は短くても十二年、最低でも九千三百億円掛かるという試算が出されました。また、想定を上回る地盤沈下の可能性も指摘されています。与党内ですら、元防衛大臣経験者等から辺野古移設の見直しは検討に値するという声があります。軟弱地盤という新たな障害が出てきました。イージス・アショアの断念と同様、埋立てを中止し、辺野古への移設計画を見直すつもりはありませんか。総理のお考えをお聞かせください。
国内外において気候変動による影響は大きく、記録的な高温や豪雨、台風の強大化、森林火災、洪水などが頻繁に起きています。数十年に一度という言葉を一年に何回も耳にし、異常が日常となっています。
かねてより立憲民主党は、二〇三〇年、四五から五〇%削減、二〇五〇年に実質ゼロという国連事務総長の呼びかけに我が国も一刻も早く応えるべきであると主張してまいりました。前政権下では一顧だにされませんでしたが、今回、実質ゼロを表明されたことは一歩前進と受け止めています。早急に二〇五〇年温室効果ガス排出実質ゼロと整合的な目標を国連に再提出するべきです。削減目標、NDCをいつまでに政府内で取りまとめ、国連に提出するのでしょうか。総理の見解を伺います。
あわせて、前政権で昨年六月に決定されたパリ協定に基づく長期戦略では、二〇五〇年実質ゼロ目標は定められていません。所信演説で表明するだけではなく、長期戦略の変更と二〇五〇年実質ゼロを法定化することも必要だと考えますが、総理の見解を伺います。
当然、将来のエネルギーミックスについても改定する必要が生じます。現状の二〇三〇年の原発の割合は二〇から二二%となっており、三十基程度の再稼働が必要な計算になります。これは、福島第一原発事故前と同水準です。あの事故の反省が全く生かされていません。私たちは、原発の再稼働、新増設はリアリティーがないと考えますが、一昨日も、驚くべきことに、早速自民党の幹部が原発の新設に関する言及をされました。カーボンニュートラルを根拠に、まさか原発の割合を引き上げ、原発の維持、推進をしていくおつもりですか。総理の明快な答弁を求めます。
また、高効率であっても石炭火力発電所はカーボンニュートラルとは逆行します。笑い話にもなりません。未来に対して責任を果たすために、一日も早く脱石炭にかじを切るべきと考えます。総理の認識を伺います。
核兵器禁止条約が年明けに発効する見込みとなりました。歓迎すべきことであり、広島、長崎の被爆者や御遺族の皆さん、ICANなどの世界のNGO、市民社会の運動の成果であり、心から敬意を表したいと思います。我が国をめぐる安全保障環境に鑑み、我が国としても中長期的に批准に向けてあらゆる努力をしなければならないと考えますが、当面は締約国会議にオブザーバーとして参加するべきではないでしょうか。総理の見解を伺います。
東京電力福島第一原発の敷地内にたまり続けるALPS処理水について、政府内で処分方針を決定しようとされています。コロナ禍にあって、地元福島県民や国民の皆様への説明の場や意見を広く聞く機会が十分に設けられておらず、福島の漁協、農協を始めとする団体や多くの市町村議会からも反対の声が上がっています。拙速に進めるべきではありません。国民に対する説明と十分な議論を経てから決定されることを求めます。総理の答弁を求めます。
今年二月、いわゆるALPS小委員会の報告書では、年間どれだけ放出して、何年で終わらせるのかという点について曖昧なままで、具体的な道筋が全く見えていません。また、これまでの風評対策はどれだけの成果があったのかも不明確です。これまでの風評対策の実効性の検証や数値目標を含めた具体策の設定が必要です。処理水の放出及び風評対策について総理の見解を求めます。
前政権下、森友、加計学園や桜を見る会をめぐる問題が噴出をしましたが、何も説明されないまま残っています。官房長官として追認してきた菅総理の責任も極めて重いと考えます。
森友学園では、公文書改ざんを強いられ自ら命を絶った近畿財務局職員の御遺族は、経緯の再調査や公務災害認定に関する情報の開示を求めておられますが、政府は一向に応じようとしません。まずは、菅政権として、赤木氏の公務災害認定に関する資料について、速やかに黒塗りを外して開示することと再調査を求めますが、総理の見解を伺います。
また、それぞれ逮捕、起訴されたあきもと司議員、河井克行、あんり両議員がいまだに説明責任を果たさないまま議員を続けています。甚だ遺憾です。総理の所見を求めます。
次に、報道によれば、神奈川県の公有地の売却について、随意契約、土地の再鑑定、無断転売等がなされた案件で、当事者である企業と総理との関係が指摘をされています。当該企業の経営者と面識はあるか、献金を受けた事実はあるか、あるとすればその金額は幾らか、当該企業の所有するビルに総理の事務所が入っていたことがあるか、神奈川県や横浜市とこの案件について総理の事務所関係者が関与した事実はあるか、お答えください。
選択的夫婦別姓は言わば岩盤規制の象徴です。菅総理御自身も、二〇〇六年の新聞で別姓制度導入に理解を示されています。
二〇一八年の通常国会に私たちは選択的夫婦別姓法案を国会に提出しましたが、与党が一切審議に応じません。継続審議となっています。橋本大臣は、選択的夫婦別姓の実現に向けて検討を進める方針を次期男女共同参画基本計画に盛り込みたいと発言されました。一定評価をしますが、そんなことは実は必要ありません。私たちが提出している選択的夫婦別姓法案を一日も早く審議して成立をさせればいいのです。総理の見解を伺います。
一人十万円の特別定額給付金を個人でなく世帯主を受給権者としたことが、世帯主ではなく個人に支給してというハッシュタグがSNS上で拡散され、大きな問題となりました。先般の特別定額給付金に限らず、今後、様々な制度設計を考える際には、世帯単位から個人単位へと変更するべきだと考えますが、御答弁をお願いします。
自民党の杉田水脈議員が性暴力被害者支援を議論する党の会合で、女性は幾らでもうそをつけると発言したことについて、菅総理の率直な感想をお聞かせください。
私たちは性暴力被害者支援法案についても一昨年の通常国会に提出しましたが、この法案も全く審議されていません。法案についての総理の見解を伺います。
また、この杉田議員は、以前、LGBTについても生産性がないと月刊誌に寄稿しました。先般、足立区が滅びるなどという暴言を発した自民党議員もいました。明らかに人権侵害、差別発言であり、言語道断です。自民党はこれらの方々に全くおとがめがないのでしょうか。
これも、国会にLGBT差別解消法案及び婚姻の平等を実現する民法改正案を提出しています。性的指向、性自認による差別及びこれらの法案に対する総理の認識を伺います。
今回、立憲民主党に参加した議員のうち、総理や官房長官、大臣から政務官まで、六十三名の議員が政府で行政経験を積んでいます。枝野代表も、菅総理と同様、内閣官房長官経験者であり、片や原発事故、片やコロナ危機に対応してこられました。言わば次の総選挙は、支え合いの社会か自助かを選択する元官房長官対決です。日本全国で二百名を優に超える候補者を擁立し、敢然と菅内閣に挑戦していく決意です。
おぼろげながら、国民に問う争点らしきものも見えてまいりました。私たちは、年収一千万円程度までの中間層の所得税の時限的免除、消費税の時限的減税、一人月一万円程度の困窮者への定額給付、この三つをハイブリッドに組み合わせて、冷え込んだ経済を立て直していきたいと考えています。また、消費減税については与野党で協議をするべきだと表明をしています。
一方、菅総理は、消費税はそのまま、アベノミクスを継承し、このコロナ下にもかかわらず中小企業を再編しようとしています。エネルギーについても、原発に依存しない社会から原発を維持推進する社会かという構図になるでしょう。選択的夫婦別姓やLGBTの尊厳に関しても、積極的か否か、姿勢の違いが明らかになってまいりました。
緊張感のある政治を日本に取り戻してほしい、多くの国民の声に押されて私たちは立憲民主党を結党いたしました。今こそ立憲民主党は、政権選択をしていただけるよう、国民の信頼に足る政党として、一人一人のあなたの現場の声に寄り添い、命と暮らしを守る、あなたのための政治を実現していく、その決意を申し上げ、私の質問とさせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕