菅義偉の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(菅義偉君) 世耕弘成議員にお答えをいたします。
 国家ビジョンと哲学についてお尋ねがありました。
 私が目指す社会像というのは、自助、共助、公助、そして絆です。まずは自分でやってみる。そして、家族や地域で助け合う。その上で、政府がセーフティーネットでお守りをします。まずはこうした国民から信頼される政府を目指すことが大事であり、そのためにも、行政の縦割り、既得権益、そして、あしき前例主義を打破し、国民のために働く内閣をつくり、改革を実現してまいります。
 当面は、何といっても新型ウイルスの拡大という国難を阻止をし、そして経済を再生させる、このことが当面の私の最大の役割、使命だと思います。さらに、グリーン社会とデジタル化を主導をして経済社会を大きく変革させ、世界の中でも安全、安心な国づくりを実現してまいります。また、日米同盟を基軸として、国益を守り抜く、積極的そして戦略的な外交を展開をしていきます。
 特措法改正と感染拡大の防止策についてお尋ねがありました。
 特措法については、有識者の間でも、罰則を含めて規制強化をすべきという意見や私権制限に慎重な意見などがあり、先日の分科会でもこうした様々な意見が出されたと承知しています。このため、特措法に関する法的論点については、全体の法体系との整合性を図るとともに、幅広い御意見を聞いた上で、必要なものについては速やかに検討を進めてまいります。
 ただ、まずは爆発的な感染は絶対に防ぎ、国民の命と健康を守るという強い決意の下に、早急に今後の感染拡大に備えた対策を講じています。これまでの経験や科学的知見も踏まえて、クラスター発生時における大規模、集中的な検査実施による感染を封じ込めます。また、保健所支援の広域調整を行っています。検査・医療提供体制の整備などについても、地方自治体とも密接に連携し、国が主導して万全の準備、対応を講じてまいります。
 また、医療機関への支援については、患者数の減少による収入の減少などが見られることから、これまで約三兆円の支援を実施しています。
 まずは、これらの支援を医療現場の皆様に速やかにお届けするとともに、今後とも国民の皆様に必要な地域医療が確保できるよう、必要な取組や支援を検討してまいります。
 更なる経済対策と財政健全化についてお尋ねがありました。
 引き続き第一次、第二次補正予算を着実に執行し、雇用を守り、事業が継続できるように、最大二百万円の持続化給付金、最大四千万円の無利子、無担保融資などの措置が行き渡るようにしてまいります。今後とも、ちゅうちょなく必要な対策を講じてまいります。
 世界的な債務残高の急増については、それによって問題が起こることがないように、主要国が協調していくことが重要と考えています。
 我が国の財政については、経済あっての財政との考え方の下に、当面は感染症対策に全力を尽くし、経済再生のための取組を進めるとともに、今後も歳出歳入両面の改革の取組を続けてまいります。
 ポストコロナ社会における構造改革と経済対策についてのお尋ねがありました。
 ポストコロナの課題として、デジタル化、グリーン社会の実現、さらには、長年の課題であります少子化対策などに取り組んでまいります。
 とりわけ、二〇五〇年カーボンニュートラルを目指して日本の社会経済構造の転換につなげていきます。これまで取り組んできた観光や農業振興の取組も更に前に進めていきます。これらについて規制改革を行うとともに、必要な投資を行うことができるよう、取り組んでまいります。
 デジタル庁とデジタル政策の進め方についてお尋ねがありました。
 官民のデジタル化の司令塔として、来年、デジタル庁を創設します。官民のデジタル化を推進できるよう、必要な権限を集中をし、予算を確保します。また、組織のトップについては、能力本位で人選がなされることが適切であると考えます。
 役所に行かずともあらゆる手続ができる。地方にいながら都会と同じような仕事や生活ができる。こうした社会の実現を目指し、官民のデジタル化を加速してまいります。
 自由で開かれたインド太平洋についてお尋ねがありました。
 インド太平洋地域において、法の支配に基づく自由で開かれた秩序を実現することにより、地域全体、ひいては世界の平和と繁栄を確保していくことが重要です。日本のこの考え方は、国際社会において幅広い支持を得つつあります。
 インド太平洋国家である日本として、地域の平和と繁栄に引き続き貢献していくべく、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組を戦略的に推進をしていきます。
 こうした観点から、今般私が訪問したベトナムとインドネシアを含むASEAN、さらには、米国、豪州、インド、欧州諸国など、考え方を共有する国々と一層連携を深めてまいります。
 大阪トラックについてお尋ねがありました。
 御指摘のように、個人情報の取扱いなどに関する各国間の違いを乗り越えて、透明性が高く、公正かつ互恵的な国際ルールを作り上げることは極めて重要です。大阪トラックとして、WTOの下、米国、EU、中国を含め八十六の加盟国でデータを含めた電子商取引に関する国際ルール作りの交渉を進めており、早期に結果が得られるよう、日本として引き続きリーダーシップを発揮してまいります。
 拉致問題についてお尋ねがありました。
 拉致問題は、私の内閣において最重要課題です。拉致被害者の御家族が御高齢となる中、拉致問題の解決には一刻の猶予もありません。引き続き、米国などとも緊密に連携しながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、全力を尽くしてまいります。
 総理就任後、トランプ大統領との電話会談を始めとする各国首脳との会談においても、拉致問題の早期解決に向けた支持を働きかけ、引き続き緊密に連携していくことを確認してきています。私自身も、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意です。あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で行動してまいります。
 対中外交、経済・技術分野を含む安全保障についてのお尋ねがありました。
 中国との安定した関係は、両国のみならず地域及び国際社会のために極めて重要です。引き続きハイレベルの機会を活用し、主張すべき点はしっかりと主張しながら、共通の諸課題について連携してまいります。
 革新的技術が出現し、安全保障と経済を横断する領域で様々な課題が顕在化してきています。とりわけ5Gの基幹インフラについては、その社会、経済における重要性に鑑み、安全で信頼できるネットワークを構築する必要があります。
 こうした観点を踏まえ、我が国は、米国を始めとする関係国とも適切に連携しつつ、サイバーセキュリティーの確保に取り組んでいく考えです。経済成長と安全保障の確保を両立していくため、国家安全保障局を中心に政府一丸となって、関連する諸課題について俯瞰的、戦略的な対応をしっかり行っていく考えです。
 日ロ交渉についてお尋ねがありました。
 我が国として、日ロ関係を重視していく姿勢に変わりはなく、平和条約締結問題を含む幅広い分野で日ロ関係全体を発展させていく考えです。
 北方領土問題については、次の世代に先送りすることなく終止符を打つべく、領土問題を解決して平和条約を締結するという方針に変わりはありません。
 九月の日ロ首脳電話会談では、プーチン大統領から、この平和条約締結問題も含め、二国間のあらゆる問題に関する対話を継続していく意向である、その旨の発言があり、私から、共にしっかり取り組んでいきたい旨述べました。
 その上で、二年前のシンガポールでの首脳会談で、一九五六年宣言を基礎として平和条約交渉を加速させることで合意したことを改めて確認をしました。その際のやり取りについてはしっかりと引き継いでおり、これまでの両国間の諸合意を踏まえて交渉を進めてまいります。
 カーボンニュートラルと原子力政策についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するため、内閣全体でしっかりと体制を組み、取り組んでまいります。特に、温室効果ガスの八割以上を占めるエネルギー分野の取組が重要であり、再エネのみならず、原子力を含めてあらゆる選択肢を追求していきます。
 原発については、高い独立性を有する原子力規制委員会が科学的、技術的に審査し、世界で最も厳しい水準の新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めていくという政府の方針に変わりはありません。
 今後、原子力を含め、二〇五〇年カーボンニュートラルを目指すエネルギー政策については、梶山経済産業大臣を中心に集中的に議論をしていきます。(拍手)

発言情報

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発言者: 菅義偉

speaker_id: 8901

日付: 2020-10-29

院: 参議院

会議名: 本会議