白眞勲の発言 (本会議)

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○白眞勲君 立憲民主・社民の白眞勲です。
 私は、会派を代表しまして、ただいま議題となりました日英包括的経済連携協定について質問をいたします。
 これに関連して、まず聞かなければならないことがあります。
 政府は森友学園関連の国会答弁で事実と違う答弁を百三十九回していたということが二十四日、分かりました。事実上の虚偽答弁じゃないんでしょうか。
 それに比べ、今度は安倍前総理の後援会が開いた桜を見る会の前夜祭をめぐり、安倍氏側が費用を負担した件が報道された件です。この報道が事実であるならば、安倍政権は国会においてうそをつきっ放ししていたとなるわけで、これほど国会、国民を愚弄、ないがしろにした話はありません。とんでもない話であります。こんなうそ答弁を連発されていたならば、何を国会で聞いても信じられなくなるではありませんか。
 茂木大臣は安倍政権時代からその中枢にいたわけで、そのお立場からこの件に関してどう見ているのか、見解をお伺いいたします。
 次に、核兵器禁止条約についてお伺いいたします。
 核兵器禁止条約は来年一月に発効しますが、広島、長崎の市長は、政府がオブザーバーとして締約国会議に参加するよう求めております。また、両市議会は、被爆地の広島、長崎での締約国会議の開催も併せて要請しております。
 この件について、十一月五日に私が予算委員会で質問したところ、菅総理は、締約国じゃない中で不適切と一蹴しました。被爆国の総理大臣とは思えないほど大変後ろ向きな答弁をされて私は驚きまして、あきれて、そのとき私の方から不適切だと言うこと自体が不適切だと私が言いましたが、その後、外交防衛委員会で茂木外務大臣に同様のことを質問しましたら、菅総理のときとは打って変わって、一般論で申し上げますと、核軍縮に関する国際会議を開催することは、ちょっと省略しますが、我が国の核兵器廃絶への強い願いを世界に発信する上で有意義だと考えておりますと、すばらしい前向きな答弁をされたので、これまた驚きました。
 是非、この会議を広島、長崎で開こうではありませんか。
 一九八二年六月、第二回国連軍縮特別総会をきっかけとして、広島、長崎両市は、世界の都市や自治体に対し、国境を越えて連帯することを呼びかけました。平和首長会議であります。
 また、一か月前の一九八二年五月に、この本会議場でこれに関する決議を全会一致で採択しました。その決議には、「特に、核兵器が二度と使われることのないよう実効ある国際的措置をとることを強く訴えること。」を政府に要請しております。それから約四十年経た現在、今まさにこの決議文が核兵器禁止条約によって実現しようとしているのです。
 政府は、今まで核兵器禁止条約について、核兵器保有国の支持がないから署名しないとしています。しかしながら、先ほど申し上げた平和首長会議には、現在、何と百六十五か国・地域の七千九百六十八都市が加盟しており、その中には、核保有国のアメリカ二百十八都市、ロシア六十七都市も含まれているのです。であるなら、市民のこうしたうねりを、政府そして私たち国会議員は強力に支援すべきじゃないんでしょうか。
 締約国会議を広島、長崎で開催するのと同時に、これら平和首長会議を広島、長崎で開催することに政府が協力することこそが、政府の言う立場の異なる国々との真の橋渡し役ということになるのではないでしょうか。この提案について、外務大臣の見解を求めます。
 今年八月九日の長崎平和式典における長崎平和宣言では、日本政府と国会議員に訴えますとして、日本政府に対してだけでなく、初めて国会議員にも呼びかけたとのことですが、そこには、核兵器の怖さを体験した国として、一日も早く核兵器禁止条約の署名、批准を実現するとともに、被爆者援護についても触れられています。世界の流れがこの条約の発効を機に、今、確実に変わってきています。ここにいる国会議員の皆さんの力で核廃絶を実現しようじゃありませんか。
 二〇一六年五月、当時のアメリカのオバマ大統領は、広島を訪問し、核廃絶を訴えました。これは日本全体として望んでいたことです。この度、アメリカにおいてバイデン氏が大統領選で勝利を確実にしました。オバマ氏と同じ民主党であるバイデン次期大統領を茂木外務大臣は長崎に招待するおつもりがあるかどうか、お聞きいたします。
 次に、条約の国会提出の順番についてお伺いいたします。
 日英EPAは今年十月二十三日に署名されましたが、それまでに日印ACSA等三本がこの条約の前に署名されていますが、なぜかこれらの条約は今国会に提出されていません。普通、書類は下から順番に処理しますよね。日英EPAだけが提出したのはなぜですか。外務大臣、お答えください。
 この件、今から一年前の昨年十一月に同じようなこと、私、外交防衛委員会でも指摘したんですね。あのときは日米貿易協定、デジタル協定でしたが、その前に署名された幾つもの条約は放っておいて、この条約二本だけが国会に提出されてしまったのです。当時、私がそのことを質問した際、茂木外務大臣は、日本全体としての優先順位、国益に資するかを考えて国会にお諮りをしたいと答弁しました。これ、どういう意味なんでしょうか。私、当時言いましたが、署名した順番どおりに条約を国会に提出して国会で審議することが相手国への誠意だと思います。
 これはまさに、病院で順番待ちをしていたのに、VIPが来たからって後回しにされて、VIPの診療が終わったらもう店じまいだと追い払われるということと一緒じゃありませんか。それを去年指摘したら、茂木大臣は何と言ったと思いますか。病院の列と条約の議論は必ずしも一緒にできない問題だ、当たり前ですよ、そんなの私だって分かりますよ。しかし、本質は同じ問題ではないんでしょうか。
 日英EPAはもちろん重要ですが、日印ACSAは防衛協力という観点からも非常に重要ではないんでしょうか。それなのに、今年も全く同じ、結局は英国をVIP待遇しているということではないでしょうか。この点について、茂木外務大臣の答弁を求めます。
 そもそも、今回の臨時会が短過ぎるんですよ。菅新総理になっていますし、ましてやこのコロナ禍ですよ。議論すること山ほどあるんじゃないんでしょうか。ところが、総理は、臨時会で所信を表明する前にベトナム、インドネシアに海外旅行ですよ。だから臨時会の期間が短くなってしまったんじゃないんでしょうか。今国会をもっと早く開いて、順番に国会、すべき、署名、条約をする審議をすべきだったんじゃないんでしょうか。
 今触れた日米貿易協定の扱いについても聞かなければなりません。この協定について安倍前総理は、日本の自動車、自動車部品に対して追加関税を課さないことをトランプ大統領との間で確認できていると説明されました。トランプ大統領と確認、アメリカ政府ではなくて。つまり、自動車、自動車部品については協定には明文化されておらず、安倍前総理とトランプ大統領の口約束になっているのではありませんか。日米間の共同声明でさえ、本共同声明の精神に反する行動を取らないとされているのみで、具体的にこの件、明記されていません。日米共にトップが替わった現在、大丈夫でしょうか。
 バイデン氏がトランプ大統領とは異なる考えを持った指導者であることは明らかです。様々な政策の変更が予測される中、この約束、守られるんでしょうか。守られるというのであるならば、そう考える根拠をお示しください。茂木大臣は、既にバイデン氏にこの点について聞いているのでしょうか。以上の点について、茂木外務大臣の答弁を求めます。
 一般的に、貿易協定は締約国を優遇する措置を設けるもので、特別なルールを定める場合にはWTOに通報する仕組みとなっています。しかし、日米貿易協定は発効から既に約一年にもなっているのにもかかわらず、WTOに通報されていませんよね。これでは日米二か国だけがこっそり、こっそり特別なルールで貿易を行っていると国際社会から見られてしまいます。WTOに通報しないと二人だけの秘密、秘めやかに存在するルールになってしまうじゃないですか。こういう例はほとんどないですよ。先進国同士で締結した協定で、WTOに通報していない協定はほかにあるんでしょうか。
 世界的な経済大国である日本と米国がこのように見られるのは私には耐えられません。なぜ政府はこの協定をWTOに通報しないのでしょうか。そして、いつWTOに通報するのでしょうか。以上につき、茂木外務大臣の答弁を求めます。
 しかも、日米貿易協定については、最近まで外務省のホームページのEPA、FTAのページに掲載されていなかったじゃありませんか。今回、日英EPAの国会審議が開始されてから初めて掲載されているんです。私、ちゃんと見ていますよ。プリントアウトもしましたからね。日米貿易協定は政府の言うとおりにWTO協定、ガットと整合的であるなら、自信を持ってホームページに掲載したらどうですか。それとも、何かやましいことでもあるんでしょうか。日米貿易協定が外務省のホームページのEPA、FTAのページに掲載されていなかった理由を説明してください。
 ちなみに、英文のホームページにはいまだ掲載されていません。日本語ホームページには入って、英文には入っていない理由はなぜですか、お答えください。要するに、国際的には通用しないFTAなんじゃないんでしょうか。
 日英EPAを議論する際に外せないのが、英国とEUの交渉の行方です。英国とEUのFTA交渉は、年末の移行期間終了の、間に合わせなければならないのに、公平な競争基準等をめぐり、いまだに折り合えていません。日英EPAができても、イギリスEU間でのFTAがまとまらないと在英の日系企業、特に自動車産業はサプライチェーンの関係から多大な不利益を被ることが予測されます。
 政府は、衆議院の審議においても、英国、EUに随時働きかけを行っていると答弁していますが、それでは足りないんじゃないんでしょうか。相談窓口を設置したのも結構ですけれども、相談したって、ああそうですか、大変ですね、ではどうにもなりません。イギリスEU間で年内にFTA交渉が折り合わず、合意なき離脱となった場合の在英日系企業の具体的な支援策について、経済産業大臣にお伺いいたします。
 英国からの農産品の輸入については、イギリスEUのEPAの範囲内で、EU・EPAの範囲内で合意となりました。また、見直し規定についても、EU・EPAと同じく、特定の品目について、協定発効五年又は日英両国が合意する年のいずれかの早い年に見直しの対象になることが規定されています。
 ところが、同時に、協定発効五年後、日英両国はより迅速な関税の引下げ又は撤廃等を行うため、原産農産品の取扱いの見直しを開始するとされています。しかも、こちらの見直し規定は、我が国で守るべき米なども対象とされています。
 茂木外務大臣は、衆議院での議論において、この見直し規定は見直し協議を予断するものではない、もう一回言います。この見直し規定は見直し協議を予断するものではない。言っている意味が分かりません。また、英国は米の生産、そして対日輸出国ではないので問題ないともおっしゃっていますが、生産者の皆さんはそれでは安心できないわけなんですね。
 これを入れることによって、今後、他国とのFTA交渉の弱みにつながる可能性はないのでしょうか。また、この条文は「開始する。」とあるので、本協定発効五年後には見直し協議が始まってしまいます。これも問題ではないでしょうか。これらの点に関し、日本政府としてはどういうお考えなのか、茂木大臣の答弁を求めます。
 工業製品の関税撤廃について、政府のペーパーを見ると、日本はイギリス市場に対して追加的に鉄道車両、自動車部品等の即時撤廃を確保したと、新たに関税の即時撤廃を勝ち取ったかのように記載していました。
 でも、この追加的な関税撤廃は、イギリスが日本のためにわざわざ市場アクセスを改善したものではなく、イギリスがEU離脱に伴って設定する税率の中で無税にするもので、要するに日本だけ特別扱いしたのではなくて、世界各国共通して無税でイギリス市場にアクセスできるようになったのではないんでしょうか。日英EPAの成果としてそんなに誇ることでもないような気がしますけれども、どうしても誇りたければそれでもいいんですけれども、経産大臣、いかがでしょうか。
 中国の習近平国家主席は、今月二十日、APEC首脳会議において、TPP11への参加を積極的に検討すると述べましたが、一つ気になるのが台湾との関係です。台湾には多くの日系企業が進出しています。台湾はTPP11への参加の意向を示していますが、RCEPやTPP11への台湾の加入について、日本政府としてはどのようにお考えでしょうか。
 日英EPAでは、初めて女性のチャプターが盛り込まれ、ジェンダーについて記載されています。これ自体いいことなんですけれども、この内閣から出てくるかよと、私は思わず目を疑いました。今の政権にそれを掲げるだけの資格があるのか疑問です。自分の胸によく手を当てて考えてみてください。ジェンダーを声高に唱えるのであるならば、まずは内閣の構成員から手を示すべきなんじゃないんでしょうか。今の菅内閣の大臣、副大臣、政務官のうち、女性は何%なんでしょうか。日英EPAを締結した茂木大臣にお伺いします。
 大体、この内閣は、日本学術会議の任命拒否問題についても、菅総理は、総合的、俯瞰的活動を確保する観点から判断したと繰り返すのみで、全く説明していません。しかも、女性会員そのものの割合は、日本学術会議約三八%と低いにもかかわらず、女性の教授の任命拒否しちゃったら、これ、やっていることと言っていることがちんぷんかんぷんじゃありませんか。
 本来、学問というのは様々な意見を述べ合うことで自分の考えも刺激を受け、さらには反対意見に対する論理構成を高めることで深まっていくもので、歴史的にはそれによって人類は発展したのじゃないんでしょうか。これは別に学問の世界だけではなくて、我々国会議員にも当てはまることだと思います。ここに集う全ての国会議員、与党も野党も関係なく、それぞれの議員の意見、異なるのは当たり前なんです。
 でも、より良い世の中をつくりたいという思いは共通しているわけで、論争をすることで、お互い切磋琢磨しつつ、結果的にこの国がすばらしい国になっていく。ほかのどこかの国みたいに異なる意見を持っている人物を排除したりするんじゃなくて、明るく楽しく元気よく、そして仲よくしていくことが重要だと思っております。これからも大いに皆さんと議論を深めていこうじゃありませんか。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 白眞勲

speaker_id: 14326

日付: 2020-11-27

院: 参議院

会議名: 本会議