浅田均の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました包括的な経済上の連携に関する日本国とグレートブリテン及び北アイルランド連合王国との間の協定の締結について承認を求めるの件について、関係大臣に質問いたします。
 日本維新の会は、結党以来、自由貿易体制の拡大を支持し、TPPや日EU・EPA等に賛成してきました。少子高齢化と人口減少に直面する我が国経済の成長の原動力になる上、域内の平和と安定に大いに資するものと考えるからです。
 我が党は、本協定につきましても、日EU・EPAをほぼ維持しつつ、物品貿易については一部品目で英国市場へのアクセスを改善し、電子商取引、金融サービス等の分野では先進的なルールを規定したこと等を評価しております。
 世界は保護主義に傾きつつあります。今こそ、自由貿易の旗を高く掲げ、本協定を遅滞なく発効させることにより、世界経済の成長に向けて責任ある姿勢を内外に示すべきだと考えます。
 その上で、本協定の残された問題点や、さらに協定の先を見据えた諸課題について伺います。
 まず、懸念されますのは、年内を期限とする英国とEU間のFTA交渉が難航していることです。英国には一千社以上の日系企業が進出し、欧州における生産や販売等の重要拠点とし、日英EU間で密接なサプライチェーンを構築しています。交渉決裂で英EU間の関税が復活すれば、在欧日系企業は甚大な打撃を受け、本協定によるメリットも大きく損ないます。
 茂木外務大臣に質問します。
 英国とEU間のFTA交渉が年内に妥結する見通しについてどう見ていますか。合意に向けて何が一番のネックになっているとお考えですか。北アイルランド問題ですか。関税同盟ですか。また、政府として両者が速やかに歩み寄るよう、何か働きかけることはできませんか。
 政府は、昨年十月、英国に進出している日系企業支援のため、ブレグジット対応サービスデスクを設置し、通関手続や規制面での対応、販路の転換、開拓等に関する各種情報提供を行っているということです。
 そこで、日系企業が特にイギリスに要望していた以下五点について、どうなったのか御説明ください。
 一点目は、労働者へのアクセスの問題、二点目は、外資参入に係る基本政策、三点目は、データ保護法制を制定する際の情報保護の水準とデータ移転の自由の維持について、四点目は、英国の独自規制・基準のEU基準との整合性、五点目は、研究開発予算へのアクセス、以上、梶山経済産業大臣に答弁を求めます。
 菅総理は、所信表明演説で、農産物の輸出について、二〇三〇年に五兆円の目標達成に向け、当面の戦略を年末までに策定し、早急に実行に移すと宣言されました。しかるに、昨年の英国に対する農林水産物の輸出額は約六十八億円で、全体の〇・七%にすぎません。
 野上農林水産大臣に質問します。
 本協定では、英国側の関税について、牛肉、茶、水産物など主要な輸出品目の関税撤廃を確保した日EU・EPAと同水準を維持していますが、今後、農林水産物の対英輸出をいかに飛躍的に拡大していく考えですか。具体的な戦略は描かれているのですか。
 英国は、TPPへの加盟を目指し、我が国も協力することで合意しています。英国が入れば、TPPは環太平洋地域を越えた巨大な自由貿易圏に発展します。
 茂木大臣にお尋ねします。
 英国のTPP参加について、日本の国益、ひいては国際政治経済等の観点からどのような効果があるとお考えですか。中国を牽制する意味においても英国のTPP参加を早めるべきと考えますが、来年TPPの議長国として、日本はどのように英国のTPP加盟を後押ししていく方針ですか。
 ところで、八年の交渉を経て、日中韓やASEANなど十五か国が地域的な包括経済連携、RCEP協定に署名しました。成長著しいアジア地域に人口、GDP共に世界の三割を占める巨大な自由貿易圏が築かれます。日本にとっては、最大の貿易国である中国、三位の韓国と結ぶ初の自由貿易協定であり、コロナ禍で落ち込む日本経済を再び成長軌道に乗せるための起爆剤になると期待されます。
 とはいえ、RCEPが内包する危うさから目をそらすことはできません。インドが対中貿易赤字の増大を理由に離脱したことで、域内での中国の影響力が突出する懸念があります。
 強調すべきは、対中摩擦やコロナ禍で、サプライチェーンを含む貿易投資先として中国に大きく頼る危険性がはっきりしたことです。政府は、企業の海外拠点の分散化を促してきましたが、中国の影響力が増せば、この流れが元に戻りかねません。中国の影響力を弱めるためにもインドの参加は不可欠です。インドは、菅政権が掲げる自由で開かれたインド太平洋への重要なパートナーです。
 茂木大臣にお尋ねします。
 政治リスクの高い中国経済に過度に依存することになれば、中国が軍事、経済一体での覇権追求を加速させかねません。どう認識されていますか。インドが希望すれば無条件で参加できる仕組みが閣僚宣言に盛り込まれましたが、政府は具体的にどのようにインドに参加を促していく考えですか。産業の育成や競争力強化の支援といった経済面での協力にとどまらず、安全保障など広範な領域で日印関係を強固にしていくことが近道ではないですか。見解をお示しください。
 RCEPでは、関税は参加国全体で九一%の品目で段階的に撤廃され、日本からの工業品輸出では九二%の関税がなくなります。ただ、ほぼ一〇〇%の撤廃率のTPPや日EU・EPAに及ばず、撤廃までの期間が二十年などと長いものも顕著です。中国向けの輸出では、完成自動車の関税撤廃に合意できていません。
 農林水産分野の関税撤廃率も限定的になりました。電子商取引では、ソフトウエアの設計図となるソースコードの開示要求を禁止する項目も見送られました。これは、妥結を優先したからでしょうか。
 梶山大臣に質問します。
 デジタル分野でのルールの縛りが甘くなったのは中国への配慮があったと指摘されていますが、事実ですか。政府は今後、どのように関税自由化の水準を引き上げ、より厳格な経済ルールを整備していく考えですか。また、日本が主導して、中国による協定の履行状況を厳しく監視するなどルールの遵守を迫っていくべきですし、RCEPの枠内にとどまらず、公正で透明性ある経済の確立を促すために米欧等とともに改革を迫っていくことも必要だと考えます。政府の対応をお示しください。
 アジア太平洋地域には、自由化の水準がより高いTPPとRCEPという大型EPAが併存することになります。それぞれの関税や規則などが絡み合い、通商が混乱する可能性もあります。現に、日本、オーストラリアなど七か国が重複して参加します。
 茂木大臣にお伺いします。
 今後、RCEPとTPPのどちらの経済ルールが標準になるのか、課題となります。先進的なルールを定めたTPPを軸とし、RCEPの水準を段階的にそれに近づけていくべきと考えますが、どう認識されていますか。来年、TPP議長国の日本として、いかにTPPとRCEPのルールとの整合を図っていく考えですか。将来的に双方が統合されることも想定されていますか。
 一方、我が国周辺国・地域では、台湾もTPPへの参加を求め、日本の協力に期待しています。台湾のTPP参加に対する日本政府の立場と協力の方向性について、見解をお示しください。
 さきのAPEC首脳会議では、中国の習近平国家主席がTPPへの参加を前向きに検討すると述べました。一党独裁の政治経済体制をも揺るがしかねないTPPの規律を中国が真剣に受け入れようとしているのか、疑義は拭えません。
 中国の意図は、多分に政権移行期にあるアメリカをにらんだ政治的なものと考えますが、日本政府としてどのように捉えていますか。現実的に中国のTPP加盟へのハードルは極めて高いと考えます。日本のスタンスと今後の対応をお示しください。
 いずれも茂木大臣に答弁を求め、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120315254X00520201127_024

発言者: 浅田均

speaker_id: 29554

日付: 2020-11-27

院: 参議院

会議名: 本会議