古賀之士の発言 (本会議)

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○古賀之士君 立憲民主・社民の古賀之士です。
 ただいま議題となりました令和元年度決算について、会派を代表して質問いたします。
 憲法第九十条、国の収入支出の決算は、全て毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その会計検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない、今回議題となった決算は、この条項に基づく重大な政策課題です。そして、決算重視の参議院においては、テレビやラジオの中継まで行われているのであります。
 しかし、令和元年度決算については大きな疑問が残ります。
 例えば、桜を見る会について、予算を大幅に上回る支出が何年も続いていたことがまさに去年、問題となったにもかかわらず、会計検査院の報告にはどこにも指摘されておりません。これを、たかが桜と軽く見てはいけません。財務省の予算査定、内閣府の行政事業レビュー、そして今回の会計検査院の検査報告のいずれも何年も擦り抜けてきたわけですから、政策の検証に大きな穴があることを意味しています。
 さらに、検査院による今回の指摘金額は二百九十七億円にすぎず、昨年の一千二億円の三割以下です。コロナ禍の影響もあり、金額が多ければいいというものではありませんが、憲法上の強い権限を持っている機関としては、国民の期待に応えていると言えるのでしょうか。
 こうした事態が続けば、国会に独自の検証機関を設けることを考えなければならないでしょう。そう表明いたしまして、質問に入ります。
 本日は、秋篠宮皇嗣殿下のお誕生日であり、明日は愛子内親王殿下のお誕生日です。お二方に対し、心よりのお祝いを申し上げるとともに、皇室の弥栄をお祈りいたします。
 三年前のいわゆる退位特例法の審議の際に、政府は、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、本法施行後速やかに検討を行い、その結果を速やかに国会に報告することとの附帯決議が付されました。皇位継承に関わる一連の儀式を済ませた現在、国会はいまだに報告を受けておりません。
 そこで、この附帯決議に基づく検討状況と、国会に報告が行われる時期のめどについて、菅義偉総理大臣より御答弁願います。
 あわせて、皇族の減少に伴う公務の負担軽減策にもお答えください。
 ドイツの哲学者ニーチェは、昼の光に夜の闇の深さが分かるものかという言葉を残しています。菅総理は、苦学と努力の末に総理大臣へと上り詰められました。昼の光も夜の闇も両方分かる、そうした政権が始まり、格差の拡大に歯止めが掛かるのではと、私は当初期待をしておりました。
 明日のことを考える余裕のない人、限界まで働いたけど報われない人、希望を失い、自死を選ぼうと悩む人。実際に、この週末も、都内で列車に飛び込んで自死した親子が報道されています。こうした闇の中で懸命にもがいている人に、菅総理は、まずは自分でやってみるというフレーズを投げかけるのでしょうか。夜の闇にとらわれている人には、まずは明かりを照らし、手をこちらから差し伸べるというのが政治の役割だと考えます。自助、共助、公助の在り方について、菅総理のお考えをいま一度お聞かせください。
 私のふるさと福岡県久留米市では、この秋になりますと地元の方が育てたコスモスが三キロ以上も咲き誇り、美しい風景を見ることができます。このコスモスを漢字で書くと秋の桜ですが、久留米市北野町の見事なコスモスとは異なり、永田町では実に不思議な桜が咲いております。
 安倍前総理の桜を見る会の問題は、当時、現職の総理大臣が国会でうそを重ねてついてきたどうかです。最高権力者が堂々とうそを重ねる国は、全ての政策を信頼できなくなってしまいます。ほぼ一年前の去年十二月、今日と同じく決算を議題とした本会議において、吉田忠智議員が桜を見る会前夜祭について質問しました。そのときの総理答弁がことごとくうそだった疑いが出ていることに、同じ場所に立っている私は憤りを感じております。
 憲法第六十三条において、内閣総理大臣そのほかの国務大臣は国会において誠実に答弁する責任を負っているとの解釈を政府はこれまで行ってきました。幾ら前の総理の事務所に関わることとはいえ、官房長官時代の国会答弁が事実と異なっていたとすれば、誠実に答弁したとは言えるのでしょうか。菅総理、憲法第六十三条の政府解釈における誠実に答弁する責任について、御自身が全うされているかどうか、まさに誠実に御答弁願います。
 なお、今問題になっているのは直接的には前夜祭の問題ですが、桜を見る会自体についても問題があります。招待者名簿について、安倍前総理は、あらかじめ定められた手続にのっとって廃棄したと吉田議員に答弁しました。しかし、実際にはガイドラインに定められた廃棄簿への記載を行っていないなど、虚偽答弁であったことが明らかになっています。この点、廃棄簿に載っていないのに文書と電子ファイルの廃棄日時だけは明らかになっていますが、なぜ廃棄の日時が分かったのか、そして、その日時は本当に間違いないのか、菅総理より御答弁願います。
 コスモスが咲く久留米から筑後川を少し遡ると、朝倉市に原鶴温泉があります。福岡県を中心に多くの地元民から愛されてきました。それが三年前の九州北部豪雨で大きな被害や風評被害を受け、ようやく回復したやさき、今回のコロナ禍です。GoToトラベルでは、一泊何万円もする高級ホテルや老舗旅館ほど人気があると聞きます。しかし、原鶴温泉のような地域密着型の観光地を応援することこそ、今、求められているのではないでしょうか。
 感染対策と経済活動の両立を目指すなら、遠方からの移動を促すGoToトラベルもいいでしょうが、観光の地産地消を行う御当地トラベルを本格的に進めるときに来ております。地方の旅館、ホテルは、人、食、特産品、情報、こういったものが集まるまさに地元のハブというべき存在だからです。
 政府は、GoTo事業が感染拡大の主要な原因であるとのエビデンスは存在しないとしているにもかかわらず、札幌や大阪について適用を外すという支離滅裂な対応を取っています。ちょうどこの時期は年末年始の帰省や旅行についてJRの予約が行われる時期です。感染者が増える東京発着を含め、GoToトラベルを根本的に再検討し、早急に結論を出すべきと考えますが、赤羽国土交通大臣の御所見をお願いいたします。
 あわせて、GoToトラベルと深く関わる航空産業や鉄道産業への支援策についても御答弁いただきますようお願いいたします。
 さて、先日、沖縄県尖閣諸島周辺の領海への中国公船の侵入が多発している中で、王毅外務大臣が来日しました。中国の強権的な態度は、外交ばかりか内政にまで及んでいます。チベットやウイグル地域における人権侵害や、国家安全維持法による香港住民への過激な弾圧からそれは明らかでしょう。日本政府としてこうした姿勢を強く問いただす必要があるはずですが、菅総理の御所見をお伺いいたします。
 その中国の最高指導者、習近平総書記を国賓として日本に招くことは、少なくとも現段階では時期尚早ではないでしょうか。総書記が天皇陛下と晩さんを共にすることについて、国民の理解が得られるとは到底思えません。また、国際社会にも誤ったメッセージを送ることになるでしょう。この点について、菅総理大臣はどのように考えているか、お聞かせ願います。
 私は、参議院議員になる前、民放テレビ局のキャスターをしておりました。今も各局の番組をできるだけチェックしていますが、NHKは、「NHKスペシャル」や「クローズアップ現代+」など、検証報道や問題提起ですばらしい作品や番組を多く、また、今もこうして国会中継が行われていることに個人として敬意を表します。
 その一方で、経営計画で削減が検討されてはいますが、地上波やBS4K、8Kなど、多くのチャンネルで民放と同じような番組がオンエアされています。さらに、受信料に関連して、テレビ設置届出の義務化や居住者情報照会制度の導入など、広告料の減収に悩む民放からすれば、それは禁じ手ではないかと思うような対策をNHKは行政に求めました。巨大なNHKが行政の力を借りるのであれば、それは独立性の放棄であり、国営放送に近づくことにもなりかねません。
 そこで、公共放送の位置付け及びこれからの在り方、そして民間放送との関係について、同じ福岡県出身者である武田総務大臣より、この議場のみならず、今、テレビやラジオを御覧、お聞きになっている方々に直接語りかけていただけないでしょうか。
 今回議題となった決算は、突き詰めれば政策の検証です。私は日テレ系列の民放出身ですが、かつて、あの人は今という人気番組がありました。それをもじって、あの政策は今と検証してみましょう。
 まずは、アベノマスクです。
 総配布枚数が一億枚を超えているはずなのに、あの頃も今も町ではほとんど見かけないという、古今東西まれに見るほどの残念な政策です。国民から集めた税金を使って、ほとんど使われないものを配ったのですから、きちんと政府にお尋ねする必要があります。
 田村厚労大臣、結局のところ、アベノマスクは、虫が混入していた不良品の回収も含め、どのくらいの予算が使われ、どのような効果があったのか、数字を基にお示しください。
 繰り返しになりますが、不安の解消、マスク需要の抑制といったこれまでの抽象的な答弁は求めておりません。推定でも構いませんから、配ったマスクがどの程度使用され、感染者の減少にどれほど役立ったのか、数字でお答えください。
 またマスクか、そんな声が聞こえてくるようですが、今日は参議院が重視する決算の本会議であります。予算のチェックをきちんと行い、次の予算に生かすというこの参議院の本会議の意義を御理解ください。
 次は、接触確認アプリCOCOAです。
 リリースされた当時の安倍総理はまるで感染対策の切り札のように紹介されていましたが、今ではほとんど話題にならなくなっています。田村厚労大臣、COCOAの最新の普及率及び今後の見込みと、何より大事なアクティブ率をお答えください。
 ここでも繰り返しになりますが、ダウンロード数だけでは実態が分かりません。アプリが毎日どれくらい使われているか、数字でお示しください。また、陽性登録者のこれまでの累計と、直近二週間の一日当たりの陽性登録者数の平均を、そして、その値の陽性判明者数に対する割合をお答えいただき、できれば感染防止にどれぐらい役立っているかもデータを基に御教授願います。
 今回の決算の詳細は今後の委員会で議論してまいりますが、一つだけ重要な問題を指摘いたします。
 会計検査院の検査報告では、地方自治体において、マイナンバー利用事務ネットワークにおける認証が不十分であった事柄、マイナンバー利用事務ネットワークとインターネットの間で通信経路の限定がなく、住民情報の流出につながりかねない事例、そしてインシデント発生時の事業者との役割確認が行われていない事例が見付かりました。
 菅内閣は、目玉政策の一つに行政のデジタル化を掲げていますが、これらはいずれもその実現に支障を来すことにもなりかねません。検査院の指摘をどのように受け止めていらっしゃるか、また、今後どのような対処を行っていくかについて、武田総務大臣に御答弁願います。
 昨日、国会は議会開設百三十周年を迎えた記念式典を行いました。多くの先人たちが築いてきた知恵を引き継いでいく一方で、オリンピック・パラリンピック、コロナ禍のワクチン対応についてなど、まだまだお聞きしたいことはたくさんありますが、この時間の質問は、大臣は五人までというルールがあります。そのため、質問ができません。
 国会も時代にふさわしい改革を国民の皆様とともに進めていくことをお誓いして、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120315254X00620201130_008

発言者: 古賀之士

speaker_id: 27432

日付: 2020-11-30

院: 参議院

会議名: 本会議