柴田巧の発言 (本会議)

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○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました令和元年度決算に関し、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 先般提出された会計検査院の検査報告では、件数二百四十八件、金額にして二百九十七億円の国費の無駄遣いが指摘をされました。前年度の三百三十五件、一千二百億円に比べると大幅に減っており、過去十年でも最少でありますが、これは、新型コロナウイルス感染症拡大によって、会計検査院が各地に出向く実地検査を抑制したからにほかなりません。
 しかし、そのような中でも、過去何度も同じ指摘を受けながら、国費の不適切な支出が繰り返されている状況は改まっていません。消費税率を引き上げ、負担増を求めておきながら、行政の無駄や不正が後を絶たないのでは、国民の理解を得ることは不可能です。
 そこで、まず、今回の会計検査院の検査報告をどのように受け止めているのか、また、指摘を受け関係大臣にいかなる指示をしたのか、併せて総理にお尋ねをいたします。
 税金の無駄遣いをやめ、未来に向け真に必要な予算を確保するには、まず議員自らが身を切る覚悟を示し、実践をすることです。
 我が党が大阪で与党となった平成二十三年に、大阪府議会で議員定数を百九人から八十八人に削減する条例改正案を可決し、その本気度が理解されて以降、大阪府・市で抜本的な行財政改革を実施し、かつ教育の無償化など実のある改革を行いました。
 まずは、隗より始めよであります。我が党は、今国会に、国会議員のボーナスを三割、六十四万円削減する議員期末手当削減法案など、身を切る改革関連十四法案を提出をしています。税金の無駄遣い削減や徹底した行財政改革のスタートは、議員の身を切る改革ではありませんか。総理の御所見をお伺いをいたします。
 新型コロナの収束が見通せない中、経済情勢に対しあらゆる対策を打たねばなりません。
 ヨーロッパの国々では消費税率を下げました。我が党も、先般、新型コロナに伴う我が国の景気の現状に鑑み、消費回復の切り札として、景気回復するまでの二年間時限的に税率を下げる、つまり、元の五%に戻し、併せて軽減税率は廃止する消費税減税特例プログラム法案を国会に提出をしました。
 政府は、消費税が全世代型社会保障の構築に向けて安定財源を確保するためにどうしても必要で減税できないと答弁していますが、今、目の前の経済的困難に直面する国民負担を軽減せずに、将来の社会保障構築などあり得ません。今こそ消費税減税の決断をするべきときではありませんか。総理の御所見をお伺いいたします。
 新型コロナ感染症は、冬を前にして各地で急速に進んでいます。
 総理は、今年度第二次補正の予備費残り約七兆三千億円について、適時適切に用い、対応に万全を期し、内外の経済動向を注視しながら、ちゅうちょなく必要な対策を講ずると答弁をしています。しかし、今国会で予備費の活用について深い議論も、また閣議決定も行われないまま、総理からは第三次補正予算の編成が指示されました。
 未曽有の国難だからこそ補正予算で巨額の予備費を計上したわけで、早い時点から議論し、予備費を活用して対応を進めるべきだったのではありませんか。また、第三次補正予算編成に向かうなら、残りの予備費の活用をどのように考えているのですか。併せて総理にお尋ねをいたします。
 次に、エネルギー使用合理化等事業者支援事業についてお尋ねをいたします。
 資源エネルギー庁は、エネルギー使用合理化に取り組む民間事業者等に対し、その経費の一部を補助する事業を実施をしていますが、補助する事業者を選定し補助金を交付する事務は、一般社団法人環境共創イニシアチブに委託をしています。
 会計検査院が検査したところ、事業により達成された省エネルギー量の実績を正しく計算すると、交付申請した際の計画量を達成していない事態や、エネルギー管理支援サービス契約を締結して、より効果的な省エネルギーの実現を目指すことを申請をしながら、これによる運用改善が全く行われていなかった事態などが明らかになりました。
 会計検査院は、省エネルギーの目標を達成できていない場合は補助金を返還させることも検討するよう指導すべきなどとしていますが、今回の指摘をどのように受け止め、対応するつもりか、経済産業大臣にお伺いをします。
 当該事業は、電通が設立に関わった環境共創イニシアチブが委託を受けて補助事業者となっていますが、環境共創イニシアチブは補助金申請や技術審査に係る実務の企画管理等を電通に再委託し、電通は事業者向けマニュアルの作成やコールセンター業務等の企画管理を電通の子会社に再々委託するというスキームになっています。これは持続化給付金で議論となった際と同じ構造でありますが、このスキームが監督官庁の管理監督を十分に行き届かせず、今回の事態を招いた一因となっているのではありませんか。経済産業大臣の答弁を求めます。
 現行の会計検査院法では、国等が事業を委託した一般社団法人の検査を行うことは可能ですが、再委託先の事業者を直接検査対象とすることはできません。一般社団法人が事業のほとんどを再委託や再々委託することによって会計検査院のチェックが行き届かず、予算監視の目を逃れるための隠れみのになっているのではないかと思われます。そこで、少なくとも会計検査院の検査が直接及ばない現状を改善する必要があると考えますが、総理の見解をお伺いをします。
 最後に、官民ファンドについてお聞きをします。
 民間が担い難いリスクマネーを供給し、民間投資を喚起することを目的とする官民ファンドは、令和元年度末時点で十四あり、政府からの出資額だけでも一兆円を超えています。しかし、投資実績が低調で、幾つものファンドで多額の累積損失が出ています。
 このうち、農林水産省が所管する農林漁業成長産業化支援機構、A―FIVEは赤字が続き廃止が決まりました。A―FIVEによれば、廃止の時期は令和七年度末になり、累積損失が百二十億円になる見通しとのこと。官民ファンドへの主な資金源は財務省所管の産業投資資金で、国が持つNTT株やJT株の配当を元手に、年一千億円から四千億円を産業投資に注いできました。このように原資は国民の公的財産であり、多額の損失が発生し、廃止が決まったことは極めて遺憾であります。
 そこで、多額の累積損失が生じたことについていかに責任を感じているか、また、A―FIVEの廃止による国民負担はどれぐらいになると試算をしているのか、さらに、廃止までにどのようにして投資回収や経費抑制に取り組むのか、農林水産大臣にお伺いをします。
 このA―FIVEを含め、令和元年度末で官民ファンド全体の累積損失額は四百九十六億円に膨れ上がっています。官民ファンドの目的は、民間資金は集まりにくいが、政府が進めたい産業分野のベンチャー投資とされていますが、成長可能性のある産業なら民間ファンドから資金が集まるので、官民ファンドに持ち込まれるのはいわゆる駄目案件が多いのが実情です。官民の寄り合い所帯は、生き馬の目を抜く投資の世界に不向きで、官の判断の遅さが致命傷になりかねません。
 そこで、原資は国民の公的財産であることから、官民ファンドの経営状況を一層厳しく監視するとともに、A―FIVE以外の赤字ファンドも早期清算に向けた議論を開始するなど、明確な出口戦略を示すべきでありますが、総理の御所見をお伺いをします。
 文部科学省と内閣府は、国費を債券などに投資し、運用益を国立大学等の研究資金に充てるため、十兆円規模のファンドを計画しており、来年度当初予算案の概算要求に盛り込みました。しかし、運用の仕組みの検討は不十分なまま、具体的な要望額を示さない事項要求で予算化を求めています。
 国際競争力を高めるため、大学の研究資金を拡充することは必要ですが、官民ファンドの投資実績が振るわず、しかも、マイナス金利で国債などの金融商品の利回りは一段と低下傾向にあります。安易な設立は、赤字ファンドが増え、税金などでの損失穴埋めが更に拡大するおそれがあります。
 そこで、巨額のファンド設立を急ぐ必要が本当にあるのか、また、損失を発生させない具体的な制度設計をどのように考えているのか、併せて文部科学大臣にお伺いをし、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 柴田巧

speaker_id: 1171

日付: 2020-11-30

院: 参議院

会議名: 本会議