赤羽一嘉の発言 (国土交通委員会)
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○赤羽国務大臣 皆様、おはようございます。また引き続き、御指導よろしくお願いを申し上げます。
第二百四回国会における御審議に当たりまして、国土交通大臣として、私の所信を申し上げさせていただきます。
現在、我が国は、昨年からの新型コロナウイルス感染拡大により社会経済や国民生活へ甚大な影響を受けており、国難とも言える状況に直面をしております。まずは、一日も早く感染を収束させ、国民の皆様が安心して暮らせる日常を取り戻すため、政府一丸となって全力で取り組んでまいります。
加えて、我が国は、毎年のように全国各地で発生する大規模な自然災害による深刻な被害の発生や、少子高齢化、人口減少による地方の過疎化の進行など、多くの課題に直面しているところです。
これらの影響は、テレワーク、ワーケーションといった働き方の変化や、二拠点居住、地方移住といった住まい方の変化をもたらし、ひいては、国民一人一人の価値観そのものが大きく変わることも予想されます。
このような大きな変化に対応するため、これまでの縦割りやあしき前例主義を打破し、デジタル革命、グリーン社会の実現などにも取り組むことで、明日の日本の活力へとつなげていけるよう引き続き取り組んでまいります。
本年は、東日本大震災から十年目の節目の年であります。この間、国土交通省におきましては、インフラの復旧復興や災害公営住宅の整備、観光振興などを着実に進めてまいりました。また、先月十三日の福島県沖を震源とする地震を受け、被災し途絶した常磐自動車道、東北新幹線の早期復旧や代替交通手段の確保に取り組んだところです。今後も被災地の皆様に寄り添いながら、一刻も早く生活やなりわいが再建するよう、一つ一つの課題解決にしっかりと取り組んでまいります。
続いて、重点的に取り組む三本の柱について申し上げさせていただきます。
一つ目は、新型コロナウイルス感染拡大への対応です。
初めに、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に改めてお悔やみを申し上げますとともに、直接的、間接的に被害を受けられた全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
また、コロナ禍の中、献身的に尊い使命と責任を果たしていただいている公共交通や物流、建設工事等の分野に携わる全てのエッセンシャルワーカーの皆様に、心からの敬意と感謝を申し上げます。
国土交通省といたしましては、緊急事態宣言の発出を受け、これ以上の感染拡大を食い止めるべく、公共交通機関等における移動自粛の呼びかけ、鉄道の終電繰上げの実施、水際対策の強化、深刻な影響を受ける事業者への支援など、関係機関と連携しつつ取り組んできたところです。
また、感染対策の決め手となるワクチンについては、接種体制の確保に当たり、着実かつ迅速な輸送体制の構築が必要です。国土交通省といたしましても、関係省庁や物流事業者等の関係者と連携し、政府全体の輸送計画の策定及びその着実な実施に取り組んでまいります。
観光関連産業は、裾野が広く、地域経済を支え、全国で約九百万人の雇用を生んでいる重要な産業ですが、コロナ禍により大変深刻なダメージを受けております。
国土交通省として、当面、一日も早い感染の収束が最大の支援として、全力で感染防止策を講じてまいります。その上で、現在、緊急事態宣言の発出に合わせて全国で適用を一時停止しているGoToトラベル事業について、感染対策を改めて徹底するなど必要な見直しを行い、事業の再開を目指すとともに、観光拠点の再生に向けた意欲的な取組や地域に眠る観光資源の磨き上げ、観光地等の受入れ環境整備等、観光立国の実現に向けた取組を進めてまいります。
昨年開業したウポポイ等を通じて、アイヌ文化の復興、創造等を促進するとともに、北海道の様々な魅力を世界に発信してまいります。
公共交通事業者は、人口減少等による厳しい経営状況に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う移動の自粛等により、過去に例を見ない規模で輸送需要が減少しており、深刻な危機に瀕しております。
エッセンシャルサービスである地域の公共交通について、十分な感染症拡大防止対策の下で持続的な運行を維持、確保していけるよう、令和二年度第三次補正予算も活用しながら、これまで以上に強力に支援を行ってまいります。JR北海道及びJR四国につきましては、その経営自立を推進するために必要な支援の継続、拡充を図ってまいります。
航空、空港につきましては、ネットワーク維持や需要回復後の成長投資確保に向け、空港使用料の思い切った減免など、必要な支援を強力に進めてまいります。
これらに加え、今後の交通政策の中長期的な方向性を示す交通政策基本計画の見直しを進めてまいります。
新型コロナウイルス感染症の影響により苦境に陥った方々を始め、多様な世帯が安心して生活できるよう住宅セーフティーネット機能を強化するとともに、住宅投資の喚起を通じた経済の回復を図るため、住宅ローン減税の延長、拡充や新たなポイント制度の創設など、住宅購入について更なる支援を実施いたします。
新たな日常を支えるリスクに強い社会経済構造の構築に向け、インフラや物流始め、あらゆる分野におけるデジタルトランスフォーメーションの加速が重要です。ITを活用したインフラ管理の効率化、省力化や、有人地帯における無人航空機の目視外飛行の実現に向けた制度構築、MaaSなど新たなモビリティーサービスの推進、不動産取引のオンライン化等を図ってまいります。
また、新たな総合物流施策大綱を策定し、物流の機械化やデジタル化を通じた物流のオペレーションや働き方の変革等を推進いたします。
二つ目は、防災・減災が主流となる安全、安心な社会の実現です。
昨年も、令和二年七月豪雨を始めとする自然災害により、全国各地で甚大な被害が生じています。
犠牲となられた方々に、謹んで哀悼の意を表します。
被災地の復旧復興に向け、九州地方整備局に八代復興事務所を新設し、権限代行等の円滑な実施を図るほか、引き続き、原形復旧のみならず改良復旧も活用し、再度災害防止対策を着実に実施してまいります。
年末からの記録的な大雪につきましては、関越自動車道や北陸自動車道等で車両の滞留が相次ぐなど、様々な課題が生じました。今後は、都道府県単位等にこだわらず、広範囲にちゅうちょなく予防的、計画的な通行規制、集中除雪を行うことに加え、冬用タイヤの装着など、トラック運送事業者における安全確保の徹底、異常気象時の輸送に対する荷主の理解促進を図るなど、検証結果を踏まえ、更なる改善に努めてまいります。また、地方公共団体が財源不足を心配することなく道路除雪を実施できるよう支援してまいります。
昨年十二月に閣議決定された事業規模十五兆円程度の防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を踏まえ、国民の安全、安心をより一層確保するため、激甚化、頻発化する自然災害や加速度的に進行している社会インフラの老朽化に対し、重点的かつ集中的な対策を講じ、防災・減災が主流となる社会づくりに全力を傾けてまいります。
豪雨災害から国民の命と暮らしを守るためには、抜本的な治水対策が必要です。気候変動による降雨量の増加等を考慮した治水計画への見直しを進め、堤防整備、ダム建設・再生などの対策を加速した上で、利水ダム等の事前放流、雨水貯留対策の強化、まちづくりとの連携、住まい方の工夫など、流域全体を俯瞰しながら、あらゆる関係者による流域治水を推進してまいります。まずは、全国百九の全ての一級水系において、今年度中に流域治水プロジェクトを策定してまいります。
令和三年度予算案では、災害が頻発する中で役割や地域の期待が増している地方整備局等について、本年度を上回る百三十四名の純増となりました。TEC―FORCEの体制、機能の拡充強化にも引き続き努めてまいります。
あわせて、線状降水帯の予測精度を向上させるため、気象庁及び海上保安庁の連携による洋上観測など、気象観測・監視体制を強化するほか、全国の気象台OB、OGを活用した気象防災アドバイザーによる支援体制の拡充、ハザードマップを活用したマイ・タイムラインの作成、地域単位での防災拠点や備蓄倉庫の整備、避難訓練の実施等を通じ、個人や地域の防災意識の向上を図り、地域防災力の強化に一層貢献してまいります。
運輸事業者の防災意識の向上や災害対応力の強化を促すため、運輸防災マネジメントを推進するほか、台風接近時等において、走錨した船舶による衝突事故等を防止するため、船舶を湾外等の安全な海域へ避難させる制度などを創設し、船舶交通の一層の安全確保を図ります。
これらを含め、昨年七月に取りまとめた、総力戦で挑む防災・減災プロジェクトに基づく施策の着実な実施と更なる充実を図ります。
厳しさを増す我が国周辺海域の状況を踏まえ、海上保安体制を強化し、尖閣諸島周辺海域を始めとする領海警備や大和堆周辺海域における外国漁船等による違法操業等への対応に万全を期してまいります。
三つ目は、人口減少や少子高齢化など社会経済構造の変化への挑戦です。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーである真の共生社会の実現に向け、ハード、ソフト両面からのバリアフリー化を進めていくことが極めて重要であります。
引き続き、世界最高水準のバリアフリー環境を有する高速鉄道の実現に向け、新幹線における車椅子用フリースペースの導入を図ります。
また、昨年成立した改正バリアフリー法により、バリアフリー教育の充実や車椅子使用者用駐車施設等の適正利用など、心のバリアフリーを広く国民に浸透させるとともに、来年度からの次期バリアフリー整備目標に基づき、公共交通機関や建築物等のバリアフリー化を着実に進めてまいります。
加えて、視覚障害者の悲惨な転落事故を防止するため、ホームドアの整備を加速化するほか、ホームドアのない駅においても、新技術等を活用した転落防止対策に取り組んでまいります。
高齢運転者等による交通事故対策を図るため、衝突被害軽減ブレーキ等を搭載したサポカーの普及をより一層促進するとともに、被害者救済対策については、自動車安全特別会計への繰戻しの実現により必要な予算を確保し、重度の後遺障害を負った方の介護者なき後の対策の充実などに取り組んでまいります。
また、依然として事故が多い踏切の改良を更に進めるため、迂回路整備やバリアフリー化も含む総合的な対策や災害時における長時間遮断の解消に取り組むとともに、災害に強い道路ネットワークを実現するため、高規格道路のミッシングリンクの解消や四車線化、道の駅の防災機能強化等を推進してまいります。
航空機テロ等の脅威を防ぐため、保安検査の確実な実施等に向けた制度整備を進めてまいります。
コロナ禍により落ち込んだ経済を早期回復させ、持続可能な経済成長を確実なものとするため、高速道路、国際戦略港湾、リニアや整備新幹線などストック効果の高い社会資本整備や、世界の旺盛なインフラ需要を取り込む質の高いインフラシステムの海外展開を重点的、戦略的に推進してまいります。
北陸新幹線につきましては、その整備の着実な推進のため、建設主体である鉄道・運輸機構の地方組織を地域密着型、プロジェクトオリエンテッドなものにつくり変え、関係自治体等との情報共有を拡充するなど、事業執行体制の強化を図ってまいります。
東京外郭環状道路につきましては、調布市において陥没や複数の空洞が発生しており、道路を所管する国土交通大臣として、誠に遺憾でございます。また、御不便を与えてしまっている地域住民の皆様には心からおわび申し上げたいと思います。今後、東日本高速道路会社において地盤の補修や誠意を持った補償を進め、住民の方々の不安を早期に払拭できるよう、国土交通省としても最大限協力してまいります。
また、改正土地基本法等に基づき、所有者不明土地の円滑な利用や発生予防などを図るための施策を関係省庁と連携して推進するほか、激甚化、頻発化する自然災害等の社会情勢の変化や新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、今後の社会資本整備の中長期的な方向性を示す社会資本整備重点計画の見直しを進めてまいります。
建設業においては、新担い手三法等に基づき、工期の適正化や施工時期の平準化、建設キャリアアップシステムの普及・活用、i―Constructionの推進等により働き方改革や生産性向上を進め、担い手の確保に取り組んでまいります。
また、自動車運送事業等においては、生産性の向上、多様な人材の確保、育成、取引環境の適正化等を進めてまいります。
海事産業が安定的な海上輸送を実現し、地域の経済と雇用に貢献し続けるため、造船、海運業の競争力強化を支援する制度や、船員の働き方改革を進める制度等を創設し、海事産業の基盤強化を進めてまいります。
二〇五〇年カーボンニュートラルに向け、国土交通省としても、次世代自動車の普及、物流の効率化、住宅・建築物の脱炭素化、港湾等における洋上風力、水素等の利活用拡大、グリーンインフラの推進等に総力を挙げて取り組んでまいります。
新たな日常に対応したゆとりある都市空間を形成するため、引き続き、居心地がよく歩きたくなる町中の創出や自転車利用環境の整備等に取り組むとともに、スマートシティーの推進に向けて、モデル事業の推進やその全国展開を進めます。
また、既存住宅流通の活性化のため、取引環境整備を進め、長期優良住宅の普及促進など住宅の質の向上を図るとともに、今後の住宅政策の指針となる住生活基本計画の見直しを行います。
さらに、社会経済構造やテレワーク等の生活様式の変化を踏まえ、新たな国土の長期展望を提示するとともに、二拠点居住やワーケーションを推進するため、関係省庁とも連携しながら、様々な支援策を講じてまいります。
以上の三本の柱のそれぞれについて、しっかりと取り組んでまいります。
このほか、本年夏に開催予定の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、不特定多数が集まる施設等へのテロ対策、感染対策を施した輸送対策などの取組を引き続き推進するとともに、二〇二五年の大阪・関西万博に向け、地元自治体と連携し、会場へのアクセス機能の確保等に取り組んでまいります。
本年一月六日で国土交通省が発足し二十年がたちました。これまで、TEC―FORCEの設置を始め、地方整備局、地方運輸局、気象台等の現場力を生かした防災・減災対策、交通や建築物の一体的なバリアフリーの推進、コンパクト・プラス・ネットワーク、自動運転の実用化の推進など、国土交通省の総合力を発揮して様々な施策を推進してまいりました。今後も、国民の皆様の命と暮らしを守るという国土交通省の使命と責任は決して変わるものではございません。引き続き、国土交通省の全職員が、高い意識と緊張感を保ちながら、一丸となって、現場に入り、国民の立場に寄り添ったきめ細やかな対応を国民の皆様の元へお届けするよう、全力を尽くしてまいります。
次に、特定複合観光施設区域、IRの整備に関する事務を担当する国務大臣として、私の所信を申し上げます。
IRにつきましては、昨年末に区域整備計画の認定に当たっての考え方やルールを定める基本方針を策定したところです。引き続き、国際競争力の高いMICE施設の整備、滞在型観光の促進、国内各地の魅力発信に資する施設を目指し、依存症などの弊害防止対策に万全を期すことにより、国民の皆様の懸念を払拭し、その手続においては公正性、透明性を確保しつつ、所要の準備作業を丁寧に進めてまいります。
以上、私の所信を申し述べさせていただきました。
今国会におきましては、ただいま御説明した重要政策を確実に推進するための関連法案を提出させていただき、御審議をお願いしたいと存じます。
委員長、委員各位の格別の御指導をよろしくお願い申し上げて、御報告とさせていただきます。
よろしくお願いいたします。ありがとうございます。