吉川元の発言 (本会議)
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○吉川元君 立憲民主党の吉川元です。
私は、立憲民主党・無所属を代表して、ただいま議題となりました令和二年度第三次補正予算案に反対の立場から討論をいたします。(拍手)
まず、討論に先立ち、これまで新型コロナウイルスでお亡くなりになった方々の御冥福をお祈りするとともに、感染された皆様にお見舞いを申し上げます。
また、医療を始め、各分野において国民の生命と健康、生活を守るため奮闘しておられる全ての皆様方に、心からの敬意と感謝を申し上げます。
昨年九月の菅内閣の発足以降、いや、その前の安倍内閣を含め、政府の対応は、その場しのぎの場当たり的なものに終始したと言わざるを得ません。
昨年十一月二十五日、政府は、勝負の三週間を宣言しました。本来であれば、その時点で、GoToキャンペーンを停止するとともに、生活、事業支援を策定し、既に逼迫し始めていた医療体制の充実を図るべきでした。しかし、そうしたことは行わず、施策は国民へのお願いのみ。ついには、尾身分科会会長から、個人努力に頼るステージは過ぎたと言わしめる有様。その後の政府の対応は、まさに泥縄という言葉がぴたり当てはまる状況でした。
結果、新型コロナウイルスは年末年始を境として爆発的に拡大し、新たなステージへと移行しました。それでもなお、政府の対策、対応は遅れに遅れています。
私たちは、昨年十二月の半ばには、もはや緊急事態宣言を発令すべき時期にあると提案をしてきました。しかし、菅政権が一都三県の知事の要請に押し切られたように渋々と発令を決めたのは、年が明けてからの一月七日。それから一週間もたたない十三日には、更に七府県を追加せざるを得なくなりました。この一連の対応は、後手後手、無計画であり、無責任です。政府の対応は、一事が万事、このような有様です。
第三次補正予算案が閣議決定された十二月十五日は、勝負の三週間の最終日、敗色濃厚であり、その前日にはGoToトラベル全国一斉停止が発表されていました。当然、政府は、徹底した感染防止対策と医療崩壊の阻止のために、思い切った予算措置へと踏み切るべきでした。その時点での新型コロナウイルス感染症対策予備費の残額は六兆八千九百二十四億円あり、今回の第三次補正予算に感染症拡大防止策として計上されている四兆三千五百八十一億円を大幅に上回る金額でした。
しかしながら、政府が昨年のうちに予備費の追加使用を決定したのは、十二月二十五日の四千八百六十二億円にすぎず、これら感染症拡大防止予算の大半は、一月後半まで成立が期待できない第三次補正予算へと先送りされることになったのです。これは、まさに政府の不作為そのものではありませんか。そのことを強く指摘しておきます。
また、前日にGoTo一旦停止を発表しながら、翌日の閣議決定でGoTo予算を一兆円余り積む。全く理解できません。
第三次補正予算のベースとなった昨年十二月八日決定の追加経済対策では、「「守り」を固めるとともに、新たな時代への「攻め」に軸足を移す」と記されています。違和感を覚えざるを得ません。今、全国において、連日のように五千人前後もの新たな感染者が確認され、また、連日のように多くの方が命を落とされている状況です。私たちが全力を挙げて取り組むべきは、感染拡大防止です。今、果たして守りが固まっていると言える状況なのでしょうか。攻めに軸足を移す状況なのでしょうか。
追加経済対策のこの文章は、現下の状況と全く一致していません。感染拡大防止あってこその経済です。新たな時代への攻めに軸足を移すのではなく、今の段階では、何より守りを固めるために、我が国の持てる力の全てを注ぐべきなのではないでしょうか。物事には順序というものがあります。上着を羽織る前に肌着を着るべきです。
また、本案の内容には、必ずしも補正予算にはなじまず、本来であれば年度当初予算において措置が検討されるべきものが多数含まれています。
補正予算とは、年度当初予算を編成する際に想定できなかった事柄に対応するために、臨時で組む予算のことです。
確かに、一年前、新型コロナウイルス感染症がここまで拡大することは予想できませんでした。ですから、想定されなかった新型コロナの感染拡大防止のための経費は、補正予算として是非とも必要です。
しかしながら、今回の補正予算の大宗を占めるポストコロナ時代を踏まえた中長期的な政策課題、例えば大学ファンドやカーボンニュートラル、国土強靱化などは、僅か数日の審議しかされない補正予算で慌てて措置するものではなく、来年度以降の当初予算案でしっかりと議論し、検討すべき種類のものではないでしょうか。そして補正では、感染防止対策の方に軸足を置いた予算編成とすべきです。
その一方で、私たちの命を守る、必要不可欠な予算が欠落してしまっています。感染拡大が深刻化する中、医療、介護、障害福祉、子ども・子育て支援施設の現場で働く方々は、日々、新型コロナウイルスのリスクにさらされながら、多くの人々の生活を支え、命と健康を守るために努力されています。我々は、そのような御苦労を重ねる方々に対し、その労苦に少しでも報いるため、二度目の慰労金を提案していますが、そのための予算は本案には含まれておりません。
また、私たちは、無症状感染者が感染源となることを防ぐためにも、特に重症化リスクの高い場所で働く方々への検査を強化することが必要と考えます。医療、介護、障害福祉、保育従事者、学校教職員などのエッセンシャルワーカーを始め、希望する方々が定期検査を公費で受けられるようにすべきと主張していますが、本案ではこの予算も含まれていません。
さらに、足下の感染急拡大や事態の長期化により困難に直面する多くの事業者の倒産や廃業を食い止めることが必要です。政府は持続化給付金の受付期間をたった一か月だけ延長しましたが、それでは全く不十分です。既に給付を受けた事業者に対しても、持続化給付金を再度支給することが必要であると考えます。
我々立憲民主党は、予算委員会での審議において、これら我々が必要と考える経費を追加支出すべく、第三次補正予算の組替え動議を提出しました。しかしながら、与党の無理解によって否決されてしまいました。極めて残念です。
昨年十二月に作成されたこの第三次補正予算案は、そもそも、現在の緊急事態宣言下における危機的な国民生活や事業、医療体制が想定されたものとはなっておらず、GoToなど完全にタイミングを誤った予算であり、総理の言う感染対策に全力を挙げるものになっておりません。
以上が、政府の第三次補正予算に反対する理由であります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)