長妻昭の発言 (本会議)
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○長妻昭君 立憲民主党の長妻昭です。
私は、立憲民主党・無所属を代表し、本法案について質問をいたします。(拍手)
感染でお亡くなりになった方に心よりお悔やみを申し上げます。
また、感染された方に心よりお見舞いを申し上げます。
今、日本は国家の危機にあります。今の大目標は、コロナ感染を抑え込み、医療崩壊、生活崩壊を食い止める、このことにあります。
この間、私は、コロナ診療の最前線の病院、クラスターが発生した認知症グループホーム、保健所を始めとする現場に参りました。涙ながらにお話しする職員もおられ、本当に現場は地獄です。この危機感が政治の場に届いていない、こんないら立ちが現場に満ちあふれています。
菅総理はそっけない答弁が目立ちますが、今回は、思いのこもった、国民の皆さんの胸に届く答弁をお願いします。国民の皆さんの共感なくしては、コロナ危機を乗り切ることなどできません。
まず、命に関わる質問をいたします。
コロナ感染で自宅療養をされている方が救急車を呼ぶ場合、いろいろな説明を受けており、混乱しております。命を落とされる方がいないように、この機会に、どのような場合は一一九番に連絡して救急車を呼ぶのか、明確に分かりやすく教えてください。
そして、菅総理に厳重抗議をいたします。
私たち野党は、特措法改正案を昨年十二月二日に国会に提出いたしました。その後、政府・与党は、事もあろうか、国会を延長せずに閉じ、今月十八日までの長い冬休みに入ってしまいました。この空白の一か月半を生んでしまったことに対する真摯な反省と明確な謝罪を求めます。
この空白の一か月半の間には、三つの遅れ、すなわち、特措法審議の遅れ、緊急事態宣言の遅れ、GoToトラベル停止の遅れが生じました。遅れてしまったという真摯な反省は、総理には全くないんでしょうか。お聞かせください。
「菅義偉の戦略的人生相談」という本の中で、菅総理はこうおっしゃっておられます。人生相談から人々の声を読み取っている。政治によって解決できる悩みや、政治がもう少し行き届けばやりやすくなるのにといった声をいかに吸い上げられるかが政治家の力量ですと。しかし、今、総理が国民の声を吸い上げているのか、甚だ疑問です。
それどころか、政府の後手後手によって、国民の皆さんの悩みは深まっているのではないでしょうか。総理はどうお答えになりますか。
何より、これまでの反省がなければ、今後の対策も的外れになってしまいます。これまでのコロナ対策において、菅総理が反省点としていることは幾つかあると思いますが、具体的に教えてください。
本法案で国民に義務を強いるのであれば、菅内閣もやるべきことをやってほしいという思いを持つのは私だけではないはずです。
まず、的確な対策のためには、的確な実態把握が必要です。入院していれば助かった命が、入院できなかったことで命が失われた、このような事例は政府は何件把握していますか。全数を把握していなければ、数十人単位なのか、数百人単位なのか、数千人単位なのか、どの程度の規模の人数なのか、教えてください。
また、助かる命が失われている現実に対して、国のトップとしてどのような感想や責任をお感じになっておられますか。また、この現状を打開するための対策はありますか。お教え願います。
感染症法には歴史的経緯があります。本法案の運用に当たっては、感染症法の前文、「過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。」との規定をいま一度重く受け止めるよう強く求めます。総理の見解を分かりやすく教えてください。
本法案にある入院措置には応じない場合の刑事罰は、削除されることとなりました。しかし、そもそも、現行の感染症法十九条で、コロナの患者さんにも入院措置ができるとの即時強制の規定があり、刑事罰は必要ないのです。刑事罰を持ち出したこと自体に、政府・与党の見識を疑います。
元々政府は、入院措置に応じないケースに刑事罰で対応するとしていましたが、コロナの患者さんで応じなかったケースは一例でも把握していたのですか。また、今回のコロナ感染の中で入院措置を発動したケースがあればお教えください。また、発動していない理由についてもお教えください。
一昨日、我々が求めていた一月十五日開催の本感染症法改正を議論する厚生科学審議会感染症部会の議事録が、こっそりと厚生労働省ホームページにアップされました。
政府は、これまで、刑事罰にはおおむね賛成だったと説明していましたが、驚くことに、実際にはほとんどの専門家委員が刑事罰導入に反対ないしは慎重な意見だったのです。総理はこの事実を御存じでしたか。
昨日、私は、出席した中心メンバーからお話をお伺いしました。当日の議論は、ただ実効性を高めるということの必要性は共有したけれども、刑事罰までを是認するということではなかったというふうにおっしゃっておられます。
また、会議最終盤、厚労省担当課長が、罰則を設けるかどうかということについては国会に先生方からいただいた意見をしっかり伝えるとの趣旨の発言がありました。しかし、国会には全く伝えられておりません。
立法府に対する情報の隠蔽とも言える行為に関し、なぜこのようなことが起きたのか、解明していただけないでしょうか。答弁を求めます。
次に、感染症法改正案では、医療機関に必要な協力を求め、正当な理由なく応じなかったときは勧告、公表ができるとあります。しかし、医療機関への支援が不十分なままでは、必要な協力などできるはずがありません。
私たちは、政府に、医療崩壊の拡大を防ぐための提案を具体的にしております。医療機関への財政全面保障とともに、国が関与を強めるべき三つの調整、一つは医療資源偏在調整、一つは役割分担調整、一つは広域入院調整を国会で具体的に提案いたしました。
例えば、万が一医療機関でクラスターが起こったときに、経営危機に直面しないように減収分全額を保証する、つまりクラスター減収保証に関して、菅総理は、さきの一月二十五日の衆議院予算委員会で、政府が保証したいと答弁をいたしました。この答弁はうそではありませんね。念のために、再度確認いたします。
立憲民主党は、コロナ診療を受け入れるためのコストと受入れに伴う減収に関して、全額補填を明確にし、事前の包括払いを掲げています。政府は受け入れていただけますか。
これ以外、医療機関に必要な協力をしてもらうため、勧告を出す前に国が実行する支援策について、全体像を教えてください。
また、立憲民主党は、医療、介護、福祉、保育に従事する方や教員など、エッセンシャルワーカーで希望する方を対象に月二回の定期検査を公費で行うことを政策として掲げております。政府は受け入れていただけますか。お答えください。
飲食店など事業者への時短要請などに応じない際の行政罰についてお尋ねをいたします。
やはり、経済的補償が十分でないと、要請に応じることはもちろん困難です。事業者に一律の支援ではなく、最低限、事業規模に応じた補償が必要と考えますが、見解を問います。
答弁の際は、緊急事態宣言下の補償と蔓延防止措置下の補償に違いがあるのかどうかについても明確に御答弁願います。
私は、コロナ感染で不安を抱えている自宅療養の方とも電話で意見交換してまいりました。本法案でも自宅療養が位置づけられましたが、まず必要なのは、医療的、物的支援です。地域によって偏りがあるオンライン診療、パルスオキシメーターの貸出し、食料の配達、看護師さんの巡回など、国が強力に支援して地域間格差を是正して、容体をモニタリングする体制を確立すべきと考えますが、見解を求めます。
本法案にある蔓延防止等重点措置の公示については国会の関与が必要と考えますが、見解を求めます。
また、この措置が一定の期間内に何度も繰り返し発動されたり解除されたりするなど恣意的な運用とならないための仕組みがあれば、お教えください。
本法案に、与野党協議を受けて、差別の防止に係る国及び地方公共団体の責務規定が入ったことは評価できますが、具体策が不明確です。具体的に考え得る対策としてどのようなものがあるか、列挙して説明願います。
ワクチンについてお尋ねをいたします。
昨年七月に、厚労省は、ファイザー社と今年六月末までに約六千万人分のワクチン供給に基本合意したと発表をいたしました。しかし、今年一月二十日、田村厚労大臣は、ファイザーから年内に約七千二百万人分のワクチン供給を受けると正式に契約したと発表しました。事実上、六月末六千万人のワクチン供給がほごにされた形になりました。
原因は、いろいろ言われておりますが、どこにあるのですか。また、その反省点があれば教えてください。
また、なぜ、昨年七月の時点で、基本合意でとどめるのではなく正式に契約をしなかったのでしょうか。
今、何月までに何人分、ワクチンの供給を確実に日本は受け取ることができると言えるのでしょうか。確実な期日と数量をお教えください。
参議院予算委員会で我が党の石橋議員がコロナ感染拡大によって生活に苦しむ方々への対応を質問した際に、菅総理は、いろんな見方がある、対応策もある、政府には最終的には生活保護という仕組みも、しっかりセーフティーネットをつくっていくことが大事だと答弁しました。
この文脈で、しかも総理大臣という立場の人が生活保護をこのように語ることの危うさを私は感じます。国のトップが、最後は生活保護があるとしてしまっては、国の社会保障、雇用政策は不要となってしまいます。菅総理は、コロナ危機にあっても、公助を狭く小さく捉え過ぎているのではないでしょうか。それでは国民が疲弊し、国の活力は失われてしまいます。
菅総理が考える、コロナ危機下の公助とは具体的に何なのか、更に充実させなければならない公助は具体的に何なのか、教えてください。
多くの国民は、十分過ぎるほど自助努力をしています。もう限界に達しております。今こそ、温かい政治が必要です。
最後に申し添えます。
さきに触れた「菅義偉の人生相談」の中で、こうも総理は回答されておられます。自己PRが苦手ですとの相談に対して、菅総理は、アピール力など全く不要、結果を出すことが重要との回答をされておられます。
確かに、菅総理は、その回答のとおり実践し、アピールが嫌いのようにお見受けします。しかし、トップリーダーになった今、結果を出すことが重要なことは言うまでもありませんが、どのような方向に進もうと考えているのか、国民に道筋をあらかじめ指し示すという意味でのアピール力は大切ではないでしょうか。
今、日本には総理大臣は菅義偉一人しかおりません。菅総理、しっかりしてください。そして、頑張ってください。
終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕