浅野哲の発言 (本会議)
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○浅野哲君 国民民主党・無所属クラブの浅野哲です。(拍手)
昨年十二月、私たち国民民主党は、他の野党とともに、万全の補償と罰則をセットにした特措法改正案を提出いたしました。万全の補償を前提に、一定の統制力を持たせ、短期で感染を抑え込む方が、国民の健康リスクや経済ダメージを最小化でき、財政的にも負担が少なくて済むと考えたからです。
また、私たちの案では、国民の皆様に行動制限や罰則を科すのはあくまでも緊急事態宣言下に限り、非宣言下では私権制限を極力行わない方針でした。新型コロナ対策は、国民の理解と協力がなければ成立しません。制度全体ができる限り簡素であることが望ましいと考えております。
一方、今回の政府案では、蔓延防止等重点措置を新設することによって、制度全体が複雑化し、分かりづらくなりました。蔓延防止等重点措置は、緊急事態措置同様に、事業活動の制限に関する勧告、命令及び罰則規定が含まれます。そして、理屈上は、対象地域や対象者について、同様な範囲を指定することが可能です。つまり、この二つの措置は、効能的に極めて高い同一性があります。
西村大臣にお伺いします。
蔓延防止等重点措置で実施しようとしていることは、そもそも緊急事態措置でも実施可能ではありませんか。国民の協力を得やすいシンプルな制度とするべきです。蔓延防止等重点措置でやろうとしていることを緊急事態措置の制度を活用して実施できない理由があれば、お答えください。
一月二十六日の予算委員会で、西村大臣は、特定の地域や特定の業種に絞れば私権の制約の程度は相当低いと発言しました。だから国会への報告は不要であるという意図での発言だと理解しています。しかし、対象者が少数であっても、私権制限であることに違いはありません。対象者が少ないからといって、国民の代表たる国会の理解なく私権制限を正当化することなど、あってはなりません。
蔓延防止等重点措置について国会の関与が不要であるとした根拠について、法制上の観点も踏まえ、明確に御説明をお願いいたします。あわせて、国会へ報告を行うよう再考を求めます。
条文中には、正当な理由なく命令に従わなかった場合に罰則の対象となるという記載があります。この正当な理由の要件は何でしょうか。今後、具体的な指針を定める予定はありますか。例えば、既存のガイドラインに沿ったコロナ対策を実施した上で、生活を守るため、従業員を守るため、会社を守るためなどの理由で営業することは、正当な理由に当たりますか。明確にお答えをお願いします。
西村大臣は、先日の予算委員会の中で、休業要請は事業活動に内在する制約であることを理由に損失補償の対象とはならない旨を答弁されました。しかしながら、新型コロナ拡大が長期にわたり、事業者の皆さんは大変厳しい経営環境に置かれています。それなのに、政府は、事務作業の負担を理由に一律給付にこだわっているように見えます。政府には、国民の立場にもっと寄り添う姿勢を見せていただきたい。
本法案の第六十三条の二では、事業者に対する支援等の規定が新たに設けられていますが、事業者を支援するために必要な財政上の措置その他の必要な措置の内容の妥当性については、どのように確保されるのでしょうか。また、効果的に講ずるとは、具体的に何に対する効果を意図しているのでしょうか。
また、事業者への支援について総理に質問します。
この条文の趣旨に照らした場合、現在検討されている一時金などの一律給付制度の内容は妥当と言えますか。私は、国民民主党がこれまで提案してきた、事業者が受けた影響に応じた措置の内容とする方が、条文の趣旨に合っていると思います。影響度に応じた支援の是非についても、総理の見解をお伺いいたします。
入院拒否に対する刑事罰については、修正協議の結果、削除されることとなったと承知していますが、改めてお伺いいたします。
人に居場所を強制する制度に関しては、違憲となる可能性が高いという指摘があります。また、入院しなかったことで感染が拡大したという証拠も明らかになっておりません。本件に関する立法事実及び合憲性について御説明をお願いいたします。
あわせて、自宅やホテルでの療養拒否に対する入院命令を可能とする点については、強く再考を求めます。自宅等で入院調整中の方の死亡がこれだけ問題になっている中、病床逼迫状況を悪化させる本末転倒の施策です。むしろ、端的に療養命令を可能とする改正の方が現実的ではないでしょうか。また、その前段階として、療養者の病状把握等を強化するなど、協力へのインセンティブを高める努力をするべきだと思いますが、田村大臣の見解をお伺いいたします。
菅総理に質問します。
コロナ禍を乗り越えるには、政府と国民が危機意識を共有し、協力しなければなりません。その前提となるのは、国民の政府に対する信頼と共感です。トップリーダーの強い決意と国民へのメッセージが不可欠です。現在、緊急事態宣言の期間延長も検討されていると伺っていますが、延長される場合には、議院運営委員会に出席し、総理御自身の言葉で国会と国民に対して総理のお考えを発信していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
最後に一言申し上げます。
先頃より国民民主党は、国会内での感染防止のために質疑通告等のオンライン化を始めました。そうしたところ、国会議員と官僚双方の感染リスクを減らせるだけでなく、官僚の皆さんの働き方改革にもつながると喜ばれています。官僚の皆さんは、議員会館への移動に片道約二十分程度を要しています。一日複数回往復することも多いと聞いています。彼らが移動に使う時間も、この国にとっては貴重な資源です。質問通告や打合せにおけるオンライン活用について、現在、他会派の皆様も多く実行されており、大変喜ばしく思っておりますが、更に多くの議員の皆様が活用されることをお願い申し上げまして、私の発言を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕