白石洋一の発言 (本会議)

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○白石洋一君 立憲民主党の白石洋一です。
 私は、立憲民主党・無所属を代表し、政府提出の新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案及び我が党など提出の修正案に賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 新型コロナウイルスの感染拡大によって亡くなられた方々に哀悼の意を表し、御遺族の方々に心からお見舞い申し上げます。
 新型コロナと戦う医療・介護従事者、社会機能維持者の方々、そして、困難に耐えながら、感染拡大を防ぐ生活に協力されている全ての方々に、心から敬意を表したいと思います。
 本題に入る前に、政府・与党が起こした上塗りの不祥事について触れないわけにはいきません。
 先週発覚した松本純国会対策委員長代理の銀座飲食に、田野瀬太道文科副大臣と大塚高司議院運営委員会理事が同席していたのです。
 コロナ禍での銀座連れ会食というおきて破りも大問題ですが、それ以上に、本会食が発覚してから一週間も、御三方そろってマスコミに対し事実を否定し続けた、すなわち、口裏を合わせてうそをつき通していたことは、国民に対する最大の裏切りではないでしょうか。国民の皆さんは、真剣に自粛をされています。
 菅政権は、コロナ対策、危機管理を後手後手にし、国民に批判されていますが、まだ懲りていないのでしょうか。国対委員長代理といえば党の要職、議運理事は院の要職、副大臣は政府の要職、まさに、政府・与党一体で国民をだまそうとしていたことは、万死に値します。
 政府・与党の責任者である菅総理が、この一大不祥事の事実究明に関し、明日の議院運営委員会で予定されている緊急事態宣言延期報告においても、きっちりと説明していただくことを強く要請いたします。
 本題に入ります。
 感染拡大への対応は、まず早く、強く行うべきです。いわゆるハンマーが必要です。しかし、これまでの政府の対応は遅く、そして、総理としての政府対応への説明は不足しています。
 感染者の数は昨年十一月から急増しており、第三波は始まっていました。それに対し、私たち野党は、十二月二日、都道府県による緊急事態宣言の要請、国、地方の連携強化、知事の立入検査、国負担の給付金、医療検査体制の強化、海外からの入国制限などの法案を出しました。
 しかし、与党・政府は、私たちの法案を審議せず、十二月五日に国会を閉じてしまい、ようやく一月十八日に開会し、本法案の審議にたどり着きました。
 本来の順番は、私たちの法案を成立させてから、緊急事態宣言を出すべきです。今の法案は、衆議院を通過しても、それから参議院の審議を経、成立したとしても、施行までにまだ時間がかかります。
 GoToキャンペーンの停止が遅れたこと、水際対策、すなわち、ビジネストラック、レジデンストラックを含む入国禁止が遅れたこと、勝負の三週間が中途半端で、緊急事態宣言再発令が遅れたことという三つの後手を指摘せざるを得ません。その緊急事態宣言も、一月七日に東京など四都県に出したその六日後に七府県を加えるなど、小出しの対応と言われても仕方がありません。
 今回の政府原案提出の前に、政府、与野党の連絡会議が開催され、野党の意見も踏まえられたことは評価します。
 協議の段階で、野党案にあった、臨時の医療施設の開設、宿泊療養、自宅療養に関する規定、国と地方自治体の連携が盛り込まれました。
 さらに、当初は努力義務規定だった事業者や地方公共団体への財政上の措置、支援措置が義務規定となったこと、間接的に影響を受けた事業者への支援、差別の防止に関する国や地方の責務が盛り込まれることになったことは前進です。
 しかし、政府原案は大きな問題を含んだままでありました。それは、初めに刑事罰ありきの枠組みでした。野党が提出した法案には罰則は入れておらず、正当な補償を図るための法案でした。
 私権制限は最小限であるべきで、我が党は、本来、過料の導入すら慎重であるべきとの考えであり、刑事罰の導入は罪刑均衡の観点から明らかに重過ぎます。
 感染症法の前文にも、過去にハンセン病などの感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として、患者等の人権を尊重しつつ、医療など総合的な施策の推進を図るべきことが表明されています。
 与野党の交渉の結果、以下の大きな四つの点で罰則に関する修正に至りました。
 第一に、入院を拒否した人を対象とした刑事罰の一年以下の懲役又は百万円以下の罰金を削除し、行政罰の五十万円以下の過料に変更。
 第二に、保健所などによる積極的疫学調査を拒否した人に対する五十万円以下の罰金を三十万円以下の過料に変更。
 第三に、緊急事態宣言下での営業時間の短縮命令などを拒否した事業者への過料額を五十万円以下から三十万円以下に減額。
 第四に、蔓延防止等重点措置下で拒否した事業者への過料額を三十万円以下から二十万円以下に減額です。
 このように、刑事罰は全て撤回されることになりました。衆参共に与党が絶対的多数を占める国会で野党の要求に沿った修正が実現したことは、一定の評価ができますし、これからの国会運営上も有意義です。ただ、今回のような修正協議は、法案提出前だけでなく、国会での議論に応じて法案審議中にも行われるべきであることは付言しておきます。
 本改正案は、依然として課題を残していることは申し上げなければなりません。
 まず、入院を拒否した者への対応です。
 刑事罰はもちろん、行政罰にせよ、入院を拒む感染者に対し、どのように保健所職員が執行するかなど運用上の課題や、感染者への差別を助長しかねない人権上の懸念を考えると、事実上、粘り強く説得するしか方法はないのではないでしょうか。それは現状と同じです。
 一方、デメリットとして、罰則があることにより、無症状の人は検査を受けることや陽性結果を通知することを避けてしまう例が少なからず増えてしまうのではないでしょうか。
 政府が罰則を入れる理由として掲げる、知事が直面する課題のより大きなものは、むしろ入院したくてもできない感染者をどうするかであり、まず、その課題にこそ政府は真正面から取り組むべきです。
 次に、営業時間の短縮命令についてです。
 その実効性確保は、罰則の前に、要請に見合う補償を政府が実行することが必須です。政府が時短や休業をお願いする以上、政府は事業規模に応じた正当な補償を行う責務があると考えます。
 緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置による自粛による売上げ低下は、対象地域だけでなく、全国の離れた地方にまで及んでいることを考えれば、地理的にも業種的にも広範囲な営業への補償を約し、そのための制度の実行を急いでいただくよう要請いたします。持続化給付金の制度枠組み、システムをそのまま利用し、給付条件を変えて行うことができると思います。
 一月十九日に十三道県知事が出した緊急提言でも、緊急事態宣言発令地域に限らず、不要不急の外出や移動の自粛により直接的な影響を受けた全国各地の事業者に加え、間接的に影響を受けた事業者も一時金の対象とすることを求めています。是非、御検討をお願いします。
 また、行政罰の適用には極めて抑制的な対応、蔓延防止等重点措置発令の際には実体ある国会報告と客観的基準の明確化、さらに、差別禁止や自殺対策の徹底、水際対策の迅速で厳格な実施、ワクチンの安全かつ迅速な接種、医療機関の減収補填、医療機関間や広域の調整に努めるよう求めます。
 今後の参議院での審議も生かし、コロナ禍から国民の命と暮らしを守りつつ収束するように今般の法律が運用されることを期待いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 120405254X00620210201_014

発言者: 白石洋一

speaker_id: 25442

日付: 2021-02-01

院: 衆議院

会議名: 本会議