濱村進の発言 (本会議)

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○濱村進君 公明党の濱村進でございます。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりましたデジタル改革関連五法案につきまして質問いたします。(拍手)
 ノーベル経済学賞の受賞者でありますロバート・ソローは、一九八七年の書評の中で、製造業の現場にコンピューターが多数導入されたにもかかわらず生産性の伸びはむしろ鈍化しつつある状況について、コンピューター時代は至る所に表れているが、生産性の統計だけには表れていないと述べました。これはソロー・パラドックスと呼ばれ、情報化社会がもたらす楽観的な生産性向上への期待に疑問を投げかけ、その後の生産性論争へと発展していきました。
 米国では情報化投資による生産性向上が得られたという議論が大宗でありますが、生産性に対する貢献だけでなく、新たな付加価値が得られるものと考えます。
 では、情報化投資、すなわち現在で言うデジタル投資によって得られるべきものは何であるのでしょうか。
 私は、国民が豊かさを実感できることであると考えます。野村総合研究所の生活者一万人アンケート調査等によれば、日本人の生活満足度には、所得の多寡よりもデジタルの利活用度のインパクトが大きいという結果が得られております。
 菅総理は、昨年の政権発足後、即座にデジタル庁の創設を宣言されました。
 デジタル庁の設置は、行政改革と規制改革を進めるための突破口であります。デジタル庁を設置し、行政改革、規制改革を断行した上で、どのような社会を実現されようとしているのか、菅総理にお伺いいたします。
 今般のデジタル改革は、行政のデジタル化だけでなく、デジタル社会の形成が射程であります。菅総理も、我が国の経済社会の大きな転換につながる改革であり、今までにないスピードで取り組む必要がありますと述べておられます。社会構造の変化や急速な技術発展のスピードに規制やガバナンスのアップデートが追いついていないという事象を解消しなければなりません。
 デジタル庁が、行政の誤謬を恐れず、迅速な施策、アジャイルガバナンスの実行部隊として官民における好循環を創出することを期待しておりますが、そのためには、行政に対する国民からの信頼が必要不可欠であると考えます。
 行政の信頼性向上のため、プロセスの可視化を行うことは効果があると考えます。行政の課題認識とそれに対する施策やプロジェクトの進捗を可視化することについて、菅総理の御所見をお伺いいたします。
 公明党は、昨年の十一月十三日に、菅総理と平井大臣に、デジタル庁設置に向けての提言を提出いたしました。提言の副題は、「豊かな国民生活と誰ひとり取り残さない社会の実現のために」といたしました。こうした理念についてはデジタル社会形成基本法の基本理念に十分に反映されたものと理解しております。
 そこで、平井大臣に伺います。
 IT基本法を抜本的に改正するということではなく、廃止とした上で、デジタル社会形成基本法として新法を提出した理由について、IT基本法との違いとその狙いについてお伺いいたします。
 我が党の提言において、デジタル庁設置の目的については、デジタルによる恩恵を国民が実感することができ、データの利活用をもって国民の最大幸福を実現するための不断の努力を行うための司令塔となることを提言しております。
 今回のデジタル庁設置法案では、デジタル庁が政府におけるデジタル政策の司令塔として機能するように規定されているのか、平井大臣にお伺いいたします。
 これまで各省で行ってきたIT調達について、課題は何であると考えますでしょうか。
 私は、前職において、自治体業務のバックオフィスシステムの開発や提案依頼書や調達仕様書の作成支援、CIO補佐官等、官公庁向けのITコンサルティングを行っていた時期がありました。役所が自らIT調達を行うことの難しさを実感してきたわけであります。
 役所の人たちは、人事ローテーションがあり、一定年数を経過すると異動いたします。これではノウハウが蓄積いたしません。また、中には、ユーザーとしてのITスキルだけでなく、開発者としてのスキルレベルも持っていて、ベンダーの提案を適切に評価できる人もいらっしゃいましたが、ほんの一握りだけでありました。これは、行政だけでなく、民間においても同様のことが言えたわけでありますが、ここは日本のIT調達の弱点であると考えます。
 政府のIT調達について、どのように課題を認識し、改善するおつもりか、平井大臣に伺います。
 デジタル庁の成功のためには、人材の確保は欠かせません。
 提言にも記載いたしましたが、行政組織から改革意欲にあふれる人材を結集しつつ、民間からも役割を決めた上で採用を行い、プロパー職員だけでなく、各省庁や地方公務員からのローテーションメンバーとの混成に取り組んでいただきたいと考えております。
 また、デジタル庁の職員採用において、技官としての情報技術の採用枠、デジタル総合職を新設することで、政府のデジタル投資を、自ら開発、保守、運用ができる内製化に取り組む必要があると考えます。
 さらに、プロジェクトの進捗に応じて必要な職能も変わるため、専任だけでなく兼任も行えるなど柔軟な人材配置を行い、官民の人材のリボルビングドアを実現すること等、人材の確保、マネジメントの在り方について、菅総理にお伺いいたします。
 誰一人取り残さない社会を実現するため、政府調達においてはユニバーサルデザインを原則とすることは必要不可欠であります。
 あらゆる人にとって使いやすいを実現しなければなりませんが、現状、全ての人にとって使いにくい状況であります。また、使い方が分からない方、障害をお持ちで使うことができない方、デジタル機器が家庭にない方等、それぞれ使いにくい事情が違います。こうした状況を解決するため、障害をお持ちの方を含む一般のボランティアによるユーザーテストの実施は効果が期待されます。
 さらに、行政コストとして費用対効果と受益者の満足度の観点から、操作に困る方々には個別に支援スタッフが対応することも含め、代理申請の在り方や、そもそもの申請主義を見直すことも含めて、デジタルインクルージョンを実現する必要があります。こうした観点から、デジタル庁にはユーザーインターフェースやユーザーエクスペリエンスの専門部署を設置すべきと考えます。
 平井大臣に、情報アクセシビリティーの確保について御所見をお伺いいたします。
 デジタル改革は、人材にせよ、機器にせよ、国内で保有するデジタルリソースを行政のみに投入するのではなく、民間への好循環を生み出して経済成長につなげることが重要であります。これまでの守りのデジタル投資から攻めのデジタル投資に転換することに対する菅総理の御決意をお伺いいたします。
 EUにおいては、二〇一四年より、加盟国がどれだけデジタル化しているかを評価するために、デジタル経済社会指数を作成し、公表しております。これには、コネクティビティー、人的資本、インターネットサービス利用、デジタル技術の活用、デジタル公共サービスの五つの指標でポイントをつけております。
 EU加盟国において、一人当たりGDPと生活満足度の相関係数は〇・六二ですが、デジタル経済社会指数と生活満足度の相関係数は〇・八二と非常に高く、デジタル指数の高い国の国民の方が生活満足度が高い傾向にあることが分かっております。
 このような指標を参考に、デジタル化への取組を評価する仕組みの導入について、菅総理の御所見をお伺いいたします。
 平成十二年のIT基本法制定以来、二十年以上が経過いたしました。今こそ、デジタル投資でイノベーションによる経済成長を果たし、国民が豊かさを実感できる社会の形成のチャンスであることを申し上げ、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

発言情報

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発言者: 濱村進

speaker_id: 29405

日付: 2021-03-09

院: 衆議院

会議名: 本会議