上川陽子の発言 (本会議)
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○国務大臣(上川陽子君) 屋良朝博議員にお答え申し上げます。
まず、名古屋出入国在留管理局の被収容者の死亡事案に係る最終的な調査結果の公表時期についてお尋ねがありました。
本事案における当局等の対応の適否などについては、死因について一定の結論を得た上で判断することが適切であると認識していますが、解剖を実施した解剖医による鑑定が継続中であり、現時点で死因の判明には至っていません。
今後、司法解剖の結果を踏まえて、適切な時期に必要な改善策を含む最終調査報告を取りまとめる予定です。
次に、国際社会からの指摘の受け止めについてお尋ねがありました。
出入国在留管理行政上、送還忌避や長期収容の解消は重大な課題であるところ、本法律案は、現行の退去強制手続を一層適切かつ実効的なものとし、これらの課題に対応するためのものであり、外国人の人権にも十分に配慮した適正なものと考えています。
国際社会からの指摘については真摯に受け止めつつ、懸念があるとされた部分については、我が国の法制度の在り方や出入国在留管理庁の考え方を十分に説明するとともに、示された指摘等も踏まえ、適切な運用の在り方を検討するなど、必要な対応を取ってまいります。
次に、入管収容施設における新型コロナウイルス感染者に対する医療の提供等の処遇の在り方についてお尋ねがありました。
入管収容施設は大切な命を預かる施設であり、特にコロナ禍の状況においては、被収容者に適切な医療上の措置を講ずることが行政としての重要な責務であると認識しています。
御指摘の集団感染事案においては、保健所の指導を受けながら、被収容者の体調等を個別に注意深く把握し、その症状等に応じ、庁内診療室又は外部医療機関の医師による診療を行ったり、入院の措置を取るなどしました。
三月四日以降、被収容者の新たな感染は発生していません。
また、感染が判明した被収容者の方々は、多くが無症状又は軽症であり、いずれの方も既に再検査で陰性の判定となっています。
コロナ禍において、引き続き、個々の被収容者の体調等を注意深く把握し、体調不良者については、庁内又は外部医療機関において、迅速に診療を行う対応を徹底してまいります。
次に、難民認定制度の運用の在り方についてお尋ねがありました。
平成二十六年の難民認定制度に関する専門部会から、難民該当性に関する判断の規範的要素を、可能な限り一般化、明確化することを追求するべきという提言を受けています。
そこで、難民認定制度の透明性向上の観点から、現在、我が国及び諸外国でのこれまでの実務上の先例、UNHCR、国際連合難民高等弁務官事務所が発行する諸文書等を参考としつつ、難民該当性に関する規範的要素の明確化について検討しています。
また、UNHCR等の協力を得て、難民認定申請者の出身国情報や難民調査の手法等に関する研修を実施し、難民調査官の調査能力の向上に努めているところです。
さらに、本法律案では、難民条約上の五つの理由によらずとも迫害を受けるおそれがあり、かつそれ以外の難民の要件を全て満たすときは、難民に準じて補完的保護対象者と認定することとしています。
次に、三回目以降の難民認定申請について送還停止効の例外とした理由についてお尋ねがありました。
そもそも、送還停止効は、難民認定申請中の者の法的地位の安定を図るために設けられたものです。
既に二度、難民等の不認定処分が行政上確定した者は、二度にわたり難民等の該当性について判断され、その審査が十分に尽くされており、法的地位の安定を図る必要はないものと考えられます。
もっとも、三回目以降の申請においても、難民等の認定を行うべき相当の理由がある資料を提出した場合は、法的地位の安定を図る必要があるため、送還は停止することとしています。
次に、収容期間の上限や収容に際して司法審査を設けていない理由についてお尋ねがありました。
収容期間に上限を設けた場合、その上限まで送還を忌避し続ければ、逃亡のおそれが大きい者を含め全員の収容を解かざるを得ず、確実、迅速な送還の実施が不可能となります。
そのため、収容期間の上限は設けず、収容の長期化の解消、防止については、収容に代わる選択肢としての監理措置の創設とともに、在留が認められない者の迅速な送還等により、図ることとしました。
収容するか、監理措置に付すか、この判断については、対象者の収容等を執行する立場の者ではなく、上級の入国審査官である主任審査官において審査することとしています。
また、その判断に不服があれば、行政訴訟を提起し、事後の司法審査を受けることができます。
こうした事前事後の仕組みにより、収容の要否の判断について、十分に適正性が確保されており、これらとは別に司法審査を設ける必要はないと判断しました。
次に、収容に代わる監理措置の運用上の課題についてお尋ねがありました。
監理人にとって、生活状況を把握した上での届出義務が負担となる旨の支援者の声があることは承知しています。
この点、監理措置に付された者による逃亡等の条件違反行為を未然に適切に防止するため、監理人は、外国人の生活状況を把握しつつ、指導監督するとともに、必要な事項を届け出なければならないとしています。
もっとも、支援者等の懸念を解消し、多くの人に監理人を引き受けていただくことで、制度を円滑に機能させることは極めて重要であると考えています。
そこで、制度の趣旨等を丁寧に説明し、御理解を得るよう努めるとともに、監理人にとって過度な負担とならないよう、届出の方法等についても引き続き検討してまいります。
次に、監理人や監理措置の保証金についてお尋ねがありました。
監理措置においては、対象者の逃亡等を防止するため、監理人による監理に付し、保証金を納付させることとしています。
監理措置に付すべき外国人について、適切な監理人を確保できるよう、必要な取組を行ってまいります。
また、保証金の額は、その者の資産等の様々な事情を勘案して必要な額を適切に定めることとしています。
最後に、監理措置における逃亡の罪及び退去命令の罪についてお尋ねがありました。
犯罪の成否については、捜査機関において収集された証拠に基づき個別に判断されるべき事柄であると考えています。
その上で、一般論として申し上げると、いずれの罪も、犯罪の主体が限定されていることに加え、処罰の対象となる行為は明確に規定されており、支援者等の通常の支援行為が処罰の対象となることは考え難いと思われます。
また、監理措置における逃亡の罪については、監理措置に付された者に交付される監理措置決定通知書に条件の内容が記載されるため、いかなる行為が構成要件に該当するかが容易に分かる仕組みとなっています。
したがって、支援者の活動を萎縮させるとの指摘は当たらないと考えています。(拍手)
〔国務大臣岸信夫君登壇〕