井上一徳の発言 (本会議)
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○井上一徳君 柚木議員にお答えいたします。
初めに、契約書面等の電子化の規定を削除した理由及びこの規定の問題点についての御質問をいただきました。
政府案は、契約書面等について、消費者の同意がある場合には書面交付の電子化を可能としております。しかし、消費者が同意をするよう誘導することは、事業者にとって極めて容易です。
その上で、消費者契約の場面において書面交付を電子化した場合には、紙に比べ契約内容を確認しにくく、契約締結について本人以外の者が気づくきっかけが失われるなど、結果として、消費者被害が拡大することとなりかねません。
一般論としての電子化自体を否定するものではありませんが、このような問題を防ぐ仕組みがないままに消費者保護のための書面交付を電子化すべきではありません。そこで、契約書面等の電子化に関する規定は削除することといたしました。
次に、成年年齢引下げを踏まえた対策の必要性と、つけ込み型勧誘取消権の創設やクーリングオフ期間の延長を規定した意義と効果についての御質問をいただきました。
成年年齢の引下げは来年の四月一日から施行されますが、若年者の自立を促すための消費者教育の実施の状況が必ずしも十分ではないなど、消費者問題の分野においては、成年年齢の引下げに対応できる環境が整っていません。そこで、二十歳未満の成年者については、成年年齢の引下げに対応できる環境が整うまでの間、消費者被害の発生及び拡大を防止するため、一定の特別の扱いをする必要があると考えます。
そこで、二十歳未満の成年者を対象に、特定商取引に関する法律を含め、十四の法律中のクーリングオフに係る規定の熟慮期間を一律に七日間延長し、成年年齢の引下げの施行に伴い生じ得る消費者被害の発生を最小限に抑えようとしております。
また、三年前の消費者契約法改正により追加された消費者取消権の行使のための要件がいたずらに厳格であるため、若年層を中心に、悪質事業者による消費者被害が頻発するおそれもあります。そこで、つけ込み型勧誘に係る取消権の包括規定を創設することといたしました。これにより、多様な消費者被害に対応することが可能となるため、消費者被害の発生及び拡大を抑止することができるものと考えております。
以上です。(拍手)