柴山昌彦の発言 (本会議)
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○柴山昌彦君 自由民主党の柴山昌彦です。
私は、自由民主党・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました菅内閣不信任決議案に対し、断固反対の立場から討論を行います。(拍手)
討論に先立ち、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになった方々に謹んで哀悼の意を表するとともに、感染された方々やその御家族、不安の中におられる方々に対しまして心からお見舞いを申し上げます。
また、日夜ウイルスとの戦いに力を尽くしていただいている多くの皆様に深く感謝を申し上げます。
未曽有の世界的災害ともいうべき今回の新型コロナ禍において、危機対応をすることの難しさは、あの東日本大震災当時、厳しい批判を浴びた菅内閣の与党議員だった同僚諸兄には、十分御理解をいただけるものと思います。
菅内閣は、昨年九月に発足して以来、内閣の総力を挙げて、新型コロナの一日も早い収束と、国民の皆さんが安心できる日常を取り戻すことを最優先課題として取り組んでこられました。
他国に比べて感染者数は桁違いに低く抑えられ、現在も全体としては減少の方向に向かっています。また、総理は、自らのトップ交渉によって国民全員分のワクチンを確保するとともに、直接陣頭指揮に当たって、自衛隊、自治体、企業とを結ぶ総力戦体制を確立されました。
野党の一部からは、さも政府の対応の遅さによってワクチンの提供が遅れたかのような批判がありますが、そもそも、昨年、予防接種法改正案の審議において、政府に慎重な対応を求めたのは、野党の皆さんだったのではないでしょうか。
当初、遅れが指摘されたそのワクチン接種も、総理の強い指導力によって、大規模接種センターの稼働や職域接種の準備が行われるとともに、既に全国で二千五百万回に迫る接種が実施され、いよいよ希望する全ての国民の接種も十月から十一月までに完了という道筋が見えてきました。
また、経済への影響についても、政府は、累次の経済対策や各種の支援を行うことで、新型コロナの感染が拡大している中においても失業率は先進国で最も低い状況を維持しており、生活にお困りの方々への支援や孤独、孤立対策についても、今後更に進めます。
総理が就任に際して国民に約束した携帯電話料金の値下げは、現在、国民に広く浸透し、かつての携帯料金から半額以上の引下げが現実のものとなり、主要国では二番目の安さとなりました。
また、不妊治療についても、本年一月から大幅に助成が拡大され、医療の現場から、既に受診者が大幅に増加しているとの報告もいただいております。
来年四月からは不妊治療への保険適用がスタートするとともに、不妊治療休暇の導入や不育症の治療助成、また、男性育休が積極的に取得できるなどの環境整備も進みます。
一方、昨年、総理は、全国の小学校について、四十人学級から三十五人学級にするという大きな決断をされました。実に四十年ぶりの全学年の学級人数の引下げに向けたスタートであります。教育現場からの評価の声も大変多く、更にきめの細かい教育へつながるものと期待されております。
その上で、野党の皆さんに是非お考えいただきたいのは、現在のコロナ禍の先の国家と社会の在り方であります。
政府・与党が見据えているのは、デジタルとグリーンを中心とした成長戦略です。
今国会で、国のデジタル政策の司令塔の役割を果たすデジタル庁を設置する法律が成立し、九月一日から発足します。コロナ禍であらわとなった日本のデジタル活用の遅れを菅総理が何としても改善したいとの思いから取り組んでこられたこのデジタル庁の設置は、総理就任から一年もたたずに実現することとなり、今後は、国民全員が、行政手続など、デジタル化の利便性を享受することができ、人に優しいデジタル社会を形成していくことが期待されています。
グリーンについては、総理が、就任後初となる国会演説において、二〇五〇年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、脱炭素社会の実現を目指すと宣言されました。
さらに、本年四月の気候変動サミットにおいて、二〇三〇年度までの地球温暖化ガス削減量の目標を、二〇一三年度比で、従来の二六%削減から四六%の削減へと、更なる引上げを表明されました。
これは、総理の二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けた強い決意と、日本が地球温暖化対策で国際社会を主導するという確固たる意思を示すものであります。
もちろん、従来からの大幅な引上げであり、達成には多くの困難が伴います。産業界や国民の皆さんの理解を得ながら、経済、社会を抜本的に変革していかなければなりません。そこには、当然、菅総理ならではの強いリーダーシップが必要です。
菅総理の指導力は、外交にも表れています。
御承知のとおり、米国のバイデン大統領が初めて直接会って会談した外国首脳は菅総理でありました。米国政府も、日本との二国間関係と日本の人々との友情とパートナーシップを重視していることの表れと強調し、日米首脳は共同声明において同盟の強化を確認。とりわけ、台湾に言及したのは、日中国交正常化前の一九六九年、佐藤栄作首相とニクソン大統領との会談以来となりました。
菅総理は、途上国のワクチンへの公平なアクセスに向けても国際社会をリードしています。今月二日に開催された菅総理主催のワクチンサミットでは、議長として各国首脳たちに呼びかけ、本年の目標確保額を超えました。
また、週末、総理が出席したG7サミットにおいては、各国首脳が一致して、野党の皆さんが反対されている東京オリンピック・パラリンピックの開催を支持し、日本が万全の対策を講じて新型コロナを克服しながら、五年ぶりとなるこの重要イベントを遂行できることへの信頼と期待を示したのです。
そのような強い指導力を持った菅総理と内閣に対し、野党の皆さんは、今般、不信任決議案を提出しました。全くもって、どのような意図を持って提出したのか、理解することができません。
そもそも、このコロナ禍の中、本来各党が国民の命と暮らしを守るために懸命に戦っているときに不信任決議案を出すこと自体、国民の政治に対する信頼を損なわせるという理解はないのでしょうか。
一部の野党は、選挙に勝利するためには割り切って協力し合い、政権交代を目指すが、その先にある国家観や安全保障などは決定的に考え方が違うと言います。では、その方々は、一体、国民から選挙において何の審判を受けるつもりなんでしょうか。
思い返せば、昨年のこの時期、野党の皆さんは、危機の真っただ中にいる、政治空白をつくれる状況ではない、国民の命と暮らしを守り抜くことを優先しなければならないと述べ、閉会中審査を毎週行い、十分な議論を行ったと記憶しています。全くもって正論であり、誠実な対応であったと思います。
翻って、今回の対応を皆さんはどのように説明するのか。
是非、改めてそのことを思い返していただき、今回提出した内閣不信任決議案がいかに的外れで論外なものかを踏まえて、断固否決していただきますよう、与党以外の皆様にも強くお願い申し上げまして、私の反対討論を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)