原口一博の発言 (本会議)
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○原口一博君 立憲民主党の原口一博です。
私は、立憲民主・無所属を代表し、ただいま議題となりました菅内閣不信任決議案に対し、賛成の立場で討論を行います。(拍手)
先進国で最低、よく言えますね。アジアで最低じゃないか。私たちの仲間も亡くなっているんだ。ファクターXがあるのに、今の状況について全く甘い認識だと言わざるを得ません。
討論を始めるに当たり、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになった方々、心から哀悼の誠をささげます。そして、感染、闘っておられる方々、お見舞いを申し上げ、救急、医療現場、多くの皆さんに心から感謝をささげます。
菅内閣不信任の最大の理由、それは、国家最大の危機ともいうべきコロナ禍において、危機管理能力が欠如し、国民の命と健康、暮らしを守ることができないからであります。
皆様、思い起こしてください。この国会、この通常国会のスタート、何だったですか。特措法の改正でしょう。普通は予算の審議で始まるんですよ。私たち野党は、対立よりも協力を優先しました。この国会の審議が異例の特措法改正から始まったこと、政府・与野党協議会等で力を合わせてきたことをよもや与党の皆さんはお忘れでないと思いますが、いかがですか。
私も、感染症で死線をさまよいました。私を助けてくださったのは、私が選挙区で戦った相手の方のお姉さんでした。自民党議員、福岡議員のお姉さんでした。党派を超えて危機に当たるのは当たり前であります。
しかし、私たちの国会の開会延長要求にゼロ回答とは、余りにも不誠実ではありませんか。危機において国会を閉じるべきではない。総理自ら民主党政権のときに議連までおつくりになって運動されていたのは、倒閣のためだったんですか。危機において国会を閉じるのは無責任の極みである、総理自らの十年前のお言葉を、そっくりそのまま、のしをつけてお返しいたします。
菅政権下では、自宅療養、施設療養といいながら、医療につなげることができずに、お亡くなりになる方々が続出しています。警察庁が調べた範囲だけで百十九人。厚労省は、その人数さえこの頃までまともに答えられない有様でした。
医療従事者を始め、疲労、疲弊も限界に達して、命の選別をさせられる、そのつらさを先ほどもある方が訴えてこられました。私たちは医療従事者支援を法案を出してまで訴えていますが、総理、聞く耳をお持ちでしょうか。
このウイルスの特性は、そのステルス性です。発症前から感染する。無症状の人からも感染する。酸素飽和濃度が低くなっていても、時に気づかないで重篤化する。ロングコビッドと言われる後遺症の懸念もある。だからこそ、早期発見、早期治療、早期保護が必要なのに、PCR検査が抑えられ、空港検疫でさえ、最近まで抗原検査でした。明らかな政策の失敗なんです。
本当にこのまま秋まで国会を閉じるというのですか。総理が全力で支援をするとおっしゃってくださったイベルメクチンを始めとする日本発の医薬品、そういった医薬品も使えるように、有事における緊急使用法案も提出しました。しかし、国会が閉じていては、法律を国民に届けられませんし、変異を続けるウイルスに即応することもかないません。
国民の命を犠牲にしてまで五輪を行うことはないと答弁されていますが、当然だと思います。
しかし、先日、政府が民間に依頼した試算では、一日、五輪を行うことで二百人、期間中に一万人を超える感染者が増えるという結果が出ています。これはデルタ株は入っていません。この条件については、皆さん、何を意味するかお分かりだと思います。それだけ、亡くなる方、重篤化する方、そして後遺症に苦しむ方が増えるということではないですか。国民には大規模イベントの自粛を求めつつ、世界最大級の祭典、五輪を強行するのは、筋が通らないではありませんか。
言うまでもなく、危機管理の要諦は、予測する最悪の事態を極小化するミニマックスが基本です。
イギリスで報告されたアルファ変異株を水際で止めるべきだと求めたのは、昨年の十二月の初めでした。しかし、実際に措置がなされたのは、その一月半後です。与党の議員も、業を煮やしてお願いに行かれたんじゃないですか。これを素早い措置とは言いません。
二回目の緊急事態宣言の解除の失敗をただされて、当時は変異株への議論はなかったと答弁されておられますが、開いた口が塞がりません。
三月五日、私は議運で、関西で変異株が広がっている、緊急事態宣言解除が早過ぎるとただしましたが、答弁は、総理ではなく西村担当大臣でした。子供たちを守ってくださいとお願いをしました。
今もなお、PCR検査も先進国最低水準、ワクチン接種は先ほど柴山議員が言ったとおりです。しかし、デルタゲノム解析も五%台では、どうして感染を抑え込むことができるでしょうか。インドではデルタ株が一月足らずで圧倒的な優勢になり多数の死者を出しましたが、余りにも危機感のない対応ではないですか。
しかも、補償なしの自粛要請。粗利補償や、先ほど枝野代表が言った消費税減税をするどころか、家賃補助も持続化給付金も終わらせ、雇用調整助成金特別枠の小出しの延長を決めたのは五月の末じゃないですか。これでは、経営者は経営を続けることはできません。
誰一人として、自分は、今まで四十年間解雇したことはありません、しかし、このまま経営が続けられないので、今日、この六月十五日に十三人の職人さんに解雇を告げます、私は、どんな不況でも一人たりとも解雇しなかった松下幸之助さんを見習ってここまで来ましたが、それでも諦めることになりましたと涙をこぼされました。
救えるじゃないですか。潰れなくてよかった会社を救うことができるじゃないですか。解雇されなくてよかった人たちが解雇されています。表面だけの失業率や倒産件数しか見ない内閣には、国民の窮状が理解できておられないのでしょうか。
日本は、一九九五年に世界のGDPの実に一七%ありました。それが今では、五%を切る衰亡です、衰退です。中国に追いつかれ、追い抜かれ、水を空けられている状態です。緊縮、増税、支援打切り、この路線で格差が広がり、国民の所得伸び率も大きく落ち込んでいます。実質給与は下がり続けているんです。
そして、雇用の調整弁にされているのが非正規、特に、女性の方々、若年層の女性です。子供の貧困も広がっています。生きていけないと自死を選ぶ方々の声が皆さんには届いているはずです。届いているんだったら一次補正をやりましょうよ。国会を閉じるのはやめましょうよ。
米国では、三次にわたる特別給付金を始め、これまで約五百六十三兆円にも及ぶコロナ対策予算が組まれています。他の国々も財政規律という言葉を凍結して大胆な救済策を講じています。
しかし、菅内閣は、世界有数の予算を組んだとおっしゃりながら、多額の執行残を理由に第一次補正予算を組むことを拒否されておられます。執行残は、それだけの額が国民に届けられなかったということであり、反省すべきことなんです。国民の危機に当たり、救命道具の値段を論じて救助を逡巡する愚を犯すべきでは断じてありません。
イージス・アショアの洋上変更など、フォーリン・ミリタリー・セールスには膨大な国税を投入するのに、国民の危機に対策を講じないなんというのは、あり得ないと思います。IMFなどの経済予測でも、他の先進国がV字回復というべき経済成長が予測されているのに、我が日本はどうですか。皆さん、御覧になっているでしょう。我が日本は最低のところじゃないですか。これでいいんですか。さすがにこれには、与党議員からでさえ、大型の補正予算を求める声が上がっているではないですか。このまま国会を閉じては、助けられる国民を助けられないんです。
中小企業や地銀の生産性、国民の自己責任ばかりを問う縮み思考、民営化利権で、日本が再生するとでもお思いでしょうか。郵政民営化をすれば年金さえも安心といった、あの分社化ありきの改悪の責任は誰が取るのでしょうか。この中にも、私たちと一緒に、志を一緒にして造反した人たちがいるじゃないですか。あの責任は誰が取りましたか。
農林水産業も新自由主義、市場原理主義の規制緩和の犠牲となり、米の五十万トン問題を始め、食料安全保障にも大きな危機が訪れています。
G7において、総理はリードスピーカーとしての役割を果たされたということですが、何をどうリードなさいましたでしょうか。歴代自民党政権さえ触れなかった問題にも触れられました。しかし、外交の継続性、国益と安全保障の議論がどこまでなされたかは不明です。
我が国固有の北方領土には、今では北海道をカバーする、ロシアがミサイルを配備しています。総理、抗議をなさいましたか。
尖閣海域には中国公船が侵入を繰り返していますが、国境離島の振興が何よりも大切なときに、なぜ沖縄一括交付金を削減するのですか。アメリカのGAOでさえ懸念を表明している軟弱地盤の辺野古基地移転を強行する道理は、もう既にありません。沖縄県民の思いを踏みにじって、安全保障も何もないのです。自民党沖縄県連幹事長まで務められた翁長知事が離党されてオール沖縄を結成されたのは、県民の命と暮らしを踏みにじるかいらい保守、圧政への危機感だったといいます。
国民投票法改正案は私も筆頭提出者の一人でした。しかし、菅総理は、どうして、外国人の広告規制を積極的に取り入れようと自民党さんに指示をなさいませんか。皆さん、これでいいんですか。放送事業者の外資規制違反が判明したんですが、それでいいんですか。
ワクチン担当相と、このワクチン接種についても、総理の認識の違いが露呈し、国民が不安に思う場面が続いています。副反応への説明も不十分です。司令塔不在、屋上屋の強権的、場当たり的指示では、国民は振り回され、官僚機構も疲弊するばかりです。総理は、官邸を組めておられるんでしょうか。チームを組めておられるんでしょうか。
そもそも、日本国民は、ロックダウンという強制措置を伴わずとも、皆が協力して感染を封じ込める努力をしています。その原理は、総理が言われる自立ではなくて、自分を律するという自律の原理です。協力して社会を守るというきずなの国です。それを憲法のせいにするなど、二重、三重の意味で我が国の国柄への認識の誤りであります。強制でしか物事が動かないと考えておられるわけでは絶対ないと思います。
日本学術会議任命拒否に始まり、道理や理屈の通らないことが多過ぎませんか。教育の可能性、科学の力を軽んじる姿勢にさえ映ります。菅内閣は、人間の尊厳と自由という普遍的な価値を共有できるんでしょうか。多様性の尊重、異なる価値観への寛容、それが菅内閣に期待できるでしょうか。なぜ選択的夫婦別姓もLGBT差別解消もできないんでしょうか。
様々な不正や不祥事、総理がリーダーシップでこれを解明してください。私たちも野党合同ヒアリングをやっているけれども、不祥事が多過ぎて追い切れない。多発させる不祥事で逃げるのはやめてほしい。持続化給付金の問題に象徴されるように、特定の事業者に利益が集中しているとの疑念を国民が抱いています。
総理、国会を閉じてはなりません。第一次補正も秋以降になるなら、救える命が救えません。この一事を取ってしても総辞職に値するものです。政治は、国民のものであり、最高の倫理でなくてはなりません。国会が国民の前で真実を述べる場でなくなれば、国会は機能を停止してしまいます。
議員各位におかれましては、国家国民を救うために、何とぞ御賛同いただきますようにお願い申し上げます。
終わります。(拍手)