志位和夫の発言 (本会議)
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○志位和夫君 私は、日本共産党を代表して、菅内閣不信任決議案への賛成討論を行います。(拍手)
不信任の第一の理由は、新型コロナ対応に失敗したことであります。
今年に入って今日まで、東京では、緊急事態宣言は百二十四日間、蔓延防止重点措置を加えると百三十八日間、実に八三%の日々で自粛に次ぐ自粛を求めざるを得なくなっています。これは、やるべきことを怠ってきた政治の責任であり、菅政権による人災と言わなければなりません。
総理のコロナ対応には、三つの致命的な欠陥があります。
第一は、科学に基づくコロナ封じ込めの戦略を持っていないことです。
日本のワクチン接種数は世界百十一位、人口比のPCR検査数は世界百四十位です。ワクチンと検査という封じ込めの科学的基本が、どちらも極めて遅れています。特に、政府が、検査を拡大すると医療崩壊が起こるなどのうその議論を振りまき、検査を怠ってきたことは重大です。このことが、感染をコントロールできず、変異株を把握できず、医療崩壊を招き、多くの命を損なう結果となりました。その責任は極めて重いと言わなければなりません。
第二は、失敗から謙虚に学び、次の対策に生かすという姿勢がないことです。
総理のコロナ対応で、誰が見ても失敗だということが明らかになっていることが幾つもあります。
昨年秋、総理がGoTo事業に固執したことが、年末から年明けの感染拡大の第三波を招いたことは明瞭です。
三月二十一日、緊急事態宣言を解除したことも、当時、新規感染者数が増加傾向にあり、変異株の危険が重大になる下で、拙速だったことは明瞭です。事実、四月二十五日には三度目の緊急事態宣言の発令を余儀なくされたではありませんか。
総理が、これらの明瞭な失敗のうち、一つでも失敗と認め、反省を明らかにしたものがありますか。一つもありません。こういう姿勢では、国民が政府の対応を信頼しなくなることは当たり前ではありませんか。
第三は、コロナ対応にまで自己責任論を持ち込んだことです。
総理は、中小業者にとっての命綱となっている持続化給付金と家賃支援給付金を一回きりで打ち切りました。三度も緊急事態宣言を発令しているのに支援は一回きりとは、余りに冷酷な政治ではありませんか。総理が医療機関に対する減収補填をいまだに拒否し続けていることも、極めて重大であります。
コロナ収束のためには、こうした致命的欠陥を根本から正すことが急務であるということを私は訴えたいのであります。
不信任の第二の理由は、国民に長期間にわたる我慢を強いながら、感染リスクを拡大するオリンピック・パラリンピックの開催を強行しようとしていることです。
政府分科会の尾身会長は、国会答弁で、仮に競技会場、スタジアムの中での感染が抑えられたとしても、オリンピック開催によって国内で三つの点で人の流れが増えると指摘しています。
第一は、全国から競技会場に延べ三百十万人とも言われる観客が移動することです。第二は、競技会場の外で行われる様々なイベントに観客が集まることです。第三は、夏の四連休やお盆で、感染を避けようと、都会から地方への人の流れが起こることです。
尾身会長は、これらの諸点を指摘し、オリンピックを開催すれば今より感染リスクが高くなるのはどう考えても普通だ、開催するというならリスクを最小限にすることが必要だが、ゼロにはできないと述べました。
リスクをゼロにはできないということは、オリンピック開催で新たな感染拡大の波が起こる危険があるということです。そうなれば、重症者が増え、亡くなる方が増えることも避けられません。私は、六月九日の党首討論で、総理に、国民の命を危険にさらしてまでオリンピックを開催する理由は一体何なのかとただしました。総理からは、全く答弁がありませんでした。
オリンピックは自然災害ではありません。人間が行うイベントなんです。私は、オリンピックを開催することで新たに亡くなる方が増えるなどということはあってはならない、そういうオリンピックなら開催する意義はないと考えるものであります。
政府が、オリパラ期間中はテレワーク実施をなどという方針を出したことは、国民の怒りの火に油を注いでいます。国民に対して更なる自粛と我慢を求めながら、感染拡大の巨大なリスクを抱えるオリンピックだけは何が何でも強行する、こんな支離滅裂な政治が許されていい道理はありません。
オリンピック・パラリンピックは中止し、全ての力をコロナ収束に集中することを重ねて強く求めるものであります。
不信任の第三の理由は、新型コロナパンデミックから教訓を学び、今後の日本の政治に生かそうという姿勢が全くないことであります。
新型コロナ危機が明らかにしたことは、本来ゆとりがあるべき医療や公衆衛生が、危機に際して脆弱になってしまっているということでした。
ところが、総理がこの国会で行ったことは、この弱点を正すどころか、医療を破壊する二つの法律、消費税を財源に病床削減を推進する法律、七十五歳以上の高齢者の医療費を二倍にする法律を強行することでした。
コロナ危機のさなかに、ベッドを削り、高齢者の医療費を引き上げる、こんな血も涙もない政治を強行しておいて、よくも国民の命と健康を守ると言えたものであります。私は、強い憤りを持って、菅政権の暴挙に抗議するものであります。
同時に、二つの医療破壊法の実施はこれからであり、総選挙での審判によってその実施を止め、医療に手厚い日本をつくるために力を尽くす決意を表明するものであります。
不信任の第四の理由は、強権と腐敗の政治を一層ひどくしたことです。
総理が、沖縄県民の総意を無視し、戦没者の遺骨が眠る南部の土砂を使って辺野古新基地建設を強権的に進めていることは、絶対に許すわけにいきません。日本学術会議への違憲、違法の任命拒否を続けていること、国民を監視し、財産権を侵害する憲法違反の土地規制法案を強行していることも、断じて容認できません。
その一方で、腐敗が底なしじゃありませんか。
昨年九月の菅政権発足以来、政治と金の問題で辞職した自民党の国会議員は、吉川貴盛元農水大臣、河井克行元法務大臣、河井案里元参議院議員、菅原一秀元経済産業大臣と、四人に上りました。
このうち誰一人として、国民への説明を行った者はいません。自民党としての、菅総裁の責任での真相解明も一切行われていないじゃないですか。他山の石、政治と金の問題できれいになっている、信じられないような他人事の発言が続いております。
強権と腐敗の政治という点でも、菅政権に国政を担う資格はもはやありません。
来るべき総選挙で、市民と野党の共闘の力で菅政権を倒し、国民が安心して希望を持って暮らせる新しい日本をつくるために全力を挙げる決意を述べて、賛成討論といたします。(拍手)