前川燿男の発言 (予算委員会)
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○前川参考人 東京都練馬区の前川でございます。本日は、コロナワクチン接種練馬区モデルについてお話しする機会をいただいて、心から感謝を申し上げます。
私ども練馬区は、人口七十四万人、二十三区中二位の規模でありますが、高齢者は十六万、高齢化率約二二%の自治体でございます。
昨年十一月に担当組織を設置をして、ワクチン接種の具体的方法について、練馬区医師会の皆さんと検討を開始いたしました。
実は、当初から極めてシンプルに考えておりまして、毎年のインフルエンザ予防接種と同じやり方ができないかということでありました。
私たちは、考えてみますと、毎年、電話をして、近所の診療所、かかりつけのお医者さんを予約をして、そこに歩いていって、かかりつけ医の問診を受けて、ワクチンを打ってもらうわけであります。こういうやり方が一番いい、早くて近くて安心である、これをやりたい、そう考えました。あと、住民も診療所の医師の皆さんも慣れている方式であります。
まずは接種が差し迫っている高齢者を中心とするモデルとして策定いたしましたが、一般の区民にもそのまま適用できると考えております。
そこで、個別接種を中心に検討を開始いたしましたけれども、モデル立案には三つの課題のクリアが必要でございました。
第一は、ファイザー社製のワクチンの診療所ごとの小分けができるかという問題でありました。なかなか管理が難しいワクチンであると聞いておりますので、これが最大の課題でありました。当初はできないという話が伝わって困惑したんですが、関係省庁と協議を重ねて、最終的に可能であるとの判断をいただきました。私自身が電話で連絡を受けて、大変うれしかったことを覚えております。
二番目の課題は、実施には医師会の協力が欠かせないということでありました。幸い、練馬区は、医師会との協力は極めて密接に行っている自治体であります。例えば、昨年七月に全国に先駆けて開始をした診療所での唾液PCR検査、これもやっていただきました。また、PCRの検体採取センターの運営も委託をしております。こういった実績に加えて、伊藤会長のリーダーシップと、さらには、医師の皆さんの、自分の患者は自分で診たいという熱意と誠実さのおかげであって、心から感謝を申し上げております。
三点目の課題は、ただ個別接種だけでは限界があります。対応できない方もいます。例えば、かかりつけ医がいないとか、あるいは平日休めないとか、そういった方がいらっしゃいますので、どうしても集団接種も必要であります。そこで、個別接種をメインに、集団接種を組み合わせるベストミックスの方式といたしました。
こうやって何とか三つの課題をクリアできましたので、厚生労働省の依頼を受けまして、練馬区医師会、厚生労働省とともに練馬区モデルを検討し、立案した次第でございます。
お手元の資料の一ページ、二ページと五ページをちょっと御覧いただきたいと思います。
まず、全体構想についてお話し申し上げます。
一ページ、二ページにありますように、個別接種を二百五十の診療所で行う、これは全体の六四%となります。これをメインとして、残りの三六%を集団接種でカバーするベストミックス方式を採用しております。
具体的に申し上げると、区の高齢者は十六万人、これを接種率六五%と考えました。今年のインフルエンザの高齢者の接種率は約六〇%であります。ワクチンですからもっと増えるだろうと考えまして、六五%としました。十六万人の六五%ですから、十万五千人になります。この方々を二回接種しなくちゃいけない。そうすると、二十一万回であります。これを三週間、三週間で六週間でやるとしますと、一週当たり三万五千回になります。
そのうち診療所は二万二千五百回でありますが、一診療所、一週間で九十件、一日当たりに割り返すと十五件という件数でありますから、これは十分可能であると医師会と話し合って、そういう感触を得ました。
これに集団接種を加えますが、集団接種は平日と土日でやり方を変えておりまして、平日は六つの総合病院、それと四つの区立施設で行います。土曜、日曜は、区役所本庁舎と小中学校の体育館を巡回して行う予定でございます。
三月中旬以降に接種券とお知らせを区内高齢者十六万人に送付する予定としております。予約については、個別接種は、これは当然ながら直接診療所へやっていただく。これは当然ながらインフルエンザと同じであります。集団接種は区へ予約していただきますので、予約専用電話百回線、ウェブ予約システムを設置する予定でございます。
もう一つ、最大の課題は、ワクチンの診療所ごとの小分けと配送でありまして、七ページから十ページ、特に十ページを御覧いただきたいと思います。
練馬区内を四地域に分けまして、各地域に基本型の接種施設、区立施設に一か所置きます。つまり、区全体で四施設置くわけで、各地域、一地域ごとに五十から七十の診療所を所管することになります。その区立施設に、ディープフリーザー、マイナス七十五度でワクチンを保管できるディープフリーザーを配備をいたしまして、ここが地域内配送の拠点となります。
国からは、その拠点の四施設にワクチンが届きます。届いたら、当然、各施設のディープフリーザーに保管をいたします。
それを小分けするんですが、小分けは各拠点施設で区職員が立ち会って、委託業者がディープフリーザー内のワクチンを取り出してバイアルホルダーに入れます。バイアルというのは瓶ですけれども、ホルダーに入れて、それと保冷剤を保冷ボックスに収めるわけであります。保冷ボックスでは、二度から八度で冷蔵することができます。
その保冷ボックスを、これも区職員が同乗して、委託配送事業者、トラック便ですが、これが各地域内診療所、五十か所から七十か所に三時間以内に納品する、診療所では五日以内に使い切るという想定をしております。
この配送の試算ですけれども、一時間当たりトラック一台で三か所配送できると仮定をいたしました。そうしますと、三時間で九か所になります。そうすると、一拠点施設当たりでいいますと、トラック二台で一日二回、週二回やったら七十診療所に配送が可能であります。これを区全体で申し上げると、トラック八台、八台のトラックで一日二回、週二回で全部の二百五十の診療所に配送は可能であると計算をしております。そういう意味では十分実施可能な案であると自信を持っております。
二月の十二日には、練馬区議会でこの補正予算案の可決をいただきました。一般会計で三十七億三千万を計上しておりまして、既に接種の準備に着手をしております。今後も状況変化に応じて柔軟にこのモデルをブラッシュアップしていきたい、そう考えております。必ず成功させていきたい、そう固く決意しております。
最後に、国への要望でありますが、二点ございまして、申し上げるまでもありませんが、一点目は、ワクチンを一日も早く確実に配付していただきたい。医療従事者から始まると聞いておりますけれども、その後の全体の配付日程を早く示してくださるようにお願い申し上げたいと思います。
もう一点は、ワクチンに不安を抱く国民もいらっしゃいます。国民への正確な情報提供、特にワクチンの安全性の説明をしっかり行っていただくようにお願いを申し上げたいと思います。
私からは以上であります。御清聴ありがとうございました。(拍手)