齋藤健の発言 (予算委員会)
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○齋藤(健)委員 私が想像していた答弁よりも踏み込んでいただきまして、ありがとうございます。
私は、今、日本は、優れた技術も優れた人材も持っていると思います。世界に冠たるものがあると確信をしています。ですが、企業の中で部長に昇進する年齢を見ても、明らかに中国や海外に比べて高い。せっかく優秀な人材をうまく活用できていないというところ、優秀な技術を持っていてもうまく活用し切れていない。
いろいろ制度改正の話をされましたけれども、今でも私は、経営のトップが決断をすればやれることはたくさんあるのではないかと思っていますし、現にそういうことを断行されている企業もあります、一部ではありますけれども。私は、産業界からは、前回質問したら、国会議員が余計なお世話だというようなことも言われましたけれども、そんなことを言っている場合じゃ今ないと思いますので、是非、官民挙げて、相協力して真剣にこの問題に取り組んでいく、今、ムーブメントをつくるというお話をしましたけれども、是非それで進んでいきたいなと思っています。自民党の若手議員は幾らでもお手伝いしますので、是非よろしくお願いします。
次に、通商問題について一つ、これも提案をさせていただきます。
私は、通商の世界でも一つの危機が進行していると思っています。それは、トランプ大統領の時代に起こった関税の一方的な引上げ競争です。これは、私はゆゆしき事態だと思っています。これらの行為は、恐らくWTOのルールに違反する可能性が高いと私は思います。
WTO、世界貿易機構というのがどうしてできてきたかといいますと、もうこれは御案内のとおりですけれども、戦前、一方的な関税の引上げが自国ファーストの発想の下で起こって、そしてそれが第二次世界大戦の要因の一つになったという反省から、そういうことは戦後はやめようじゃないかということで、ガットができ、そしてそれがWTOへと発展的に展開してきたわけであります。そういうルールを世界が作り上げて、苦労して作り上げてきたわけです。そして、曲がりなりにも、トランプ大統領が登場するまでは、一方的な関税引上げというものを何とか一定の範囲内に、いろいろありましたけれども、一定の範囲内に何とか抑え込むことに世界は成功してきたんですね。
私が経験した日米通商交渉におきましても、WTOのルールがあるじゃないか、WTOのルールに反するようなことを幾らアメリカが求めてきてもできないんですよという、WTOを盾にして戦ってきたという経験を踏まえれば、そのWTOというものが使えなくなったときに、私は日本は結構大変だと思いますよ。
そういうルールをぶち壊したのが、実はトランプ大統領なんですよ。中国からの輸入品に一方的に高関税をかけ、そして中国がそれに対抗してまたアメリカからの輸入品に高関税をかけるということが行われて、今でも続いているんですね。
こういうルール無視の行動が世界で横行するとどうなるかということなんですけれども、容易に想像をできることですが、一方的な関税引上げが世界経済の発展を阻害する、これはそうですよね、それだけではなくて、激しいアメリカとの交渉を経験した身としては、WTOのルールが使えず、アメリカのような国と力勝負の交渉をしなくちゃいけないということになるわけですね。つまり、大国が、俺の言うことを聞けないんだったら関税を上げるぞというような、戦前のようなことが、ルール無視をしてもいいということになれば行われ始める、そういう可能性があるわけです。私はそれを非常に危惧をしております。そうなれば、世界は弱肉強食の世界になってしまいます。そうならないようにということでWTOが努力をしてきたわけでありますが、実はそれが、トランプ大統領以降、近年、今や風前のともしびになりつつあるというような現状なんです。
私は、世界経済とのつながりの中で繁栄をしてきた日本にとって、このことは一大事だと思っているんですよ。したがいまして、こういうルール無視の行為が、まだ横行していませんから、横行する前に、今なら間に合うと思いますので、何とかこのWTOの規律を取り戻す努力というものを日本が率先してやっていかなくちゃいけないというふうに強く思っています。
この点について、経済産業大臣の御見解を伺えたらと思います。
〔委員長退席、山際委員長代理着席〕