齋藤健の発言 (予算委員会)

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○齋藤(健)委員 一九九〇年代の欧州の市場統合というのは、為替リスクなし、関税なしで、スペインのような強い競争力を持つ国とオランダは競争しなくちゃいけないという究極の場面に直面したわけです。そして同時に、ヨーロッパでは小売業界が大きくなりまして、そういう巨大小売業界とも対峙もしなくちゃいけない。つまり、オランダにとって黒船だったんですね。その黒船にどう立ち向かうかということで、オランダはこの間大きな発展を遂げたわけであります。
 私は一つだけ紹介したいのは、今私も政策の小冊子を作っているんですけれども、その中でも紹介しているんですけれども、これは是非聞いていただきたいんですが、オランダには、ザ・グリナリーという生産者の組織があります。これは生産者が出資をして立ち上げた生産者組合であります。この組合は徹底的に生産者側に立った活動をしております。私も行きましたけれども、その敷地は驚くほど広くて、参加している生産者も五百ぐらいあります。
 このグリナリーのすごみは、生産物の集出荷にとどまらずに、配送もやればパッケージングもやれば商品開発まで一貫して行いまして、その工程全体を支配することによって巨大な小売と対峙をして、マーケットを支配しようという努力をしているわけであります。
 そして、一週間に処理される商品は百万箱に及びまして、物流上どういう状態にあるかというものを全てSAPと呼ばれるシステムで把握をして、そして、日本のクロネコヤマトを思わせるようなそういうものをこの農業組織が持っているんですよ。そして、扱われる品数は三百五十種類に及びます。取引している国は六十か国、驚くことに、オランダの生産者のための組織でありながら、巨大な小売を相手にして、どうも品ぞろえができそうもないときは、自ら輸入までして品ぞろえをしてマーケットに応えるということをやっています。
 しかも、出資をしている農業生産者はこのグリナリーの活動に細かく関与をして、パフォーマンスが気に入らなければそのグリナリーの執行陣を首にするんですよ。そして、気軽に、ここはもう駄目だと思ったら脱退しちゃうんです。ですから、このグリナリーという組織は必死に生産者のために汗をかく、そういう生産者中心主義を貫いているわけであります。
 つまり、このグリナリーという組織は、日本でいうところの出荷、集荷を行う農協と、取引のマッチングを行う卸売市場と、そしてクロネコヤマトと、そして小売の商品開発機能と、輸出入を行う商社の機能と、そういうものを全て兼ね備えて、農家のために、こういうものは欧州市場統合の危機感の中で彼らが努力してつくり上げてきたものであります。
 今、日本は人口減少、そういう局面にあります。人口というのは人の口と書きます。この口がどんどん減っていくわけです。口に入れて食べていただくものを生産している産業にとって、これは欧州市場統合と匹敵するぐらいの危機だと思いますよ。この危機に立ち向かっていく際にオランダから学ぶべきものは、私は、その危機感とチャレンジ精神だと思います。是非、農業政策の中においてこのオランダの精神を貫徹するように、野上大臣の御尽力をお願いしたいと思います。
 最後に、一つ御礼ですけれども、前回の質問で、政府備蓄米を、子供宅食、一人親ですとか生活に苦しんでいる人に備蓄米をお届けするということをやったらどうかということを農林大臣に御要請いたしました。それが二月一日から、大臣のリーダーシップで実現をすることになりました。僅か二か月という間にそういう手を打っていただきましたことについて、最後、心から御礼申し上げまして、私の質問といたします。
 どうもありがとうございました。
    〔山際委員長代理退席、委員長着席〕

発言情報

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発言者: 齋藤健

speaker_id: 14267

日付: 2021-02-17

院: 衆議院

会議名: 予算委員会