矢田わか子の発言 (憲法審査会)
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○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会の矢田わか子です。
国民民主党・新緑風会として、一、本憲法審査会の運営、進め方、二、国民投票法改正案への対応、三、憲法改正についての基本的な考え方、この三つの観点より意見を述べさせていただきます。
一つ目に、憲法調査会の運営についてであります。
憲法審査会は、立法府に属する国会議員が、国民が持つ様々な意見、主張を背景に、それぞれの議員が考え方や意見を相互に出し合い、議論を深めていく場であります。憲法の条文の改正に関わるテーマは多岐にわたっており、個々の条文や提案される改正案に対しても賛否両論があり、中には防衛、安全保障など国論を二分するものもあります。このため、憲法審査会においては定期的に会議を開催し、現行憲法に関する様々な論点に関し意見交換や外部の有識者からのヒアリングなどを通じて知見を深めていく必要があると考えます。
二つ目に、国民投票法改正案への対応についてです。
衆議院での審議の中で、七項目の改正内容に加え幾つかの論点が提起されていますが、衆議院で採決が行われた場合には、参議院としても、議院運営のルールにのっとり、法案審議に対応すべきと考えます。課題が残っていれば、参議院の主体性を発揮して参議院で修正を図るか、次なる国民投票法の改正論議で解決するという姿勢で臨むべきではありませんか。
特に、一、国民運動の自由性と公平性の確保のためのCM規制やネット広告の規制の在り方、二、憲法改正国民投票運動における外国人寄附受領の規制の在り方、三、最低投票率の設定の課題、四、障害者や高齢者、激増する単身赴任者、海外在住者などへの投票機会を保障するための具体的措置などについては、参議院での審議においても議論を深め、法改正や附帯決議などで対応できるのではないかと考えます。
三つ目に、国民民主党として、憲法全体にわたる改正議論について紹介いたします。
党としては、昨年秋から精力的に学識者と一般市民の方々を交えた議論を十二回にわたり行ってきました。主なテーマとしては、一、個人の尊厳を全うするためのデータ基本権、二、地域の尊厳を全うするための地方自治の拡大、三、国家の尊厳を全うするための統治機構の改革であります。
特に、統治に関する議論としては、これまでも国会運営において問題視されてきた衆議院の解散権の制約や臨時国会の召集期限の明記、そして法令等の合憲性や違憲性を審判する憲法裁判所の設置なども議論を重ねてまいりました。この課題は、我々国会議員の活動において直接関わる課題であり、この場で大いに議論すべきと考えております。
こうした国民対話を踏まえて、国民民主党としては昨年末に、シン・憲法改正草案を議論していくための討議素材を確認し合いました。今後も、国会での審議状況も参考にしながら、党として更に議論を深め、改正案をまとめていきたいと考えております。
せっかくの機会でもありますので、これまで議論に関し特筆すべきものを三点紹介させていただきます。
一つ目に、情報化、デジタル化の人権に与える影響についてであります。
まず、憲法改正議論において、社会、経済、国際的環境、そして国民生活の大きな変化から、人権そのものの在り方を考えなければならないと思います。終戦から七十六年が経過し、我が国の産業構造も就業構造も、そして生活基盤も大きく変わり、国民の権利意識も変わってきました。その中で、IT技術、AI、ビッグデータなどデジタル技術の発展によって、国や地方公共団体のみならず、個々の企業までもが国民の多岐にわたる個人情報を取得し、個人の意思形成にも影響を与えることができる世の中になりました。その結果、我が国において民主主義そのものが変質するのではないかとの議論もあります。党の議論において、憲法が規定する各人権についても、社会変化に合わせた見直しが必要との意見が出されております。その一つが、デジタル化された個人情報を自らがコントロールできるデータ基本権の確立であります。
二つ目に、グローバル化が与える影響への対応についてです。
このグローバリズムの時代にあって、国境を越えて個人の人権が制約されたり、個人の利益や安全が侵害される場面が生じていますが、どのように個人の権利と財産を守り、我が国の民主主義を守っていくのかという国内問題に限らない視点も憲法改正議論に含めるべきであることを指摘させていただきます。あわせて、この問題は平和問題、安全保障政策とも関連し、国際情勢の変化にどのように対応していくのか、非常にセンシティブな課題でありますが、国民的議論を深めていくべき課題であることも指摘をいたします。
三つ目に、国民の分断、格差問題への対応についてです。
我が国では、様々な分野において格差が拡大、また在日外国人や難民申請者、女性、障害者などに対する差別や権利侵害が残存しています。本来、憲法が持っている国民国家の統治という方向と逆行する国民を分断する側面が顕著になっています。時代の変化とともに人権の範囲を拡大しながら、国民の統合に資する憲法改正の在り方についても検討すべきと考えます。
以上のような論点について、この憲法審査会でそれぞれの立場を超え、問題の本質に向き合った議論を交わしていくべきと考えます。具体的にこの箇所とここの箇所を改正したいというのであれば、国民の皆さんが正しい選択と判断ができるように、取られた選択肢、例えば自衛隊の憲法条文への明記がどのような影響をもたらすのか、的確な情報、知見を国民の前に正直に提示するという議論の進め方が重要であると思います。
憲法審査会が、新たな時代、新たな課題を踏まえ、この国の形、新しい働き方や新しい生活の仕方をデザインするという、そのような議論ができる場となることを期待し、国民民主党としての意見といたします。