渡辺喜美の発言 (憲法審査会)

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○渡辺喜美君 みんなの党、渡辺喜美です。
 三年数か月ぶりでこの審査会が開かれるということでありますが、今、日本の憲法体制は様々なチャレンジを受けております。例えば、尖閣がそうであり、台湾海峡もそうであります。コロナ対応というのも、これは一種の戦争であります。そういった日本の憲法秩序、体制が危機に瀕しているときに、この憲法審査会というものが国会にあってなぜ三年数か月も開かれなかったのか。国会の不作為と言われてもやむを得ないかと思います。
 私は自由社会を信ずる者であります。自由社会というのは、力の強い者がやりたい放題やっていいのかといったら、そうではありません。自由社会の最大の倫理は、力の強い者が自己抑制をするということにほかなりません。自由社会で最も力の強いのは国家でありますから、国家が自己抑制をするというのが自由社会を守る国家の任務でもありますし、憲法秩序の根幹にあることだと思います。
 さて、いわゆる戦後レジームと言われるものは占領期においてつくられたという常識がございます。世の中には、常識には反するが真実であるということがあるんですね。占領期につくられた戦後レジームの中に、実は戦時体制、昭和十五年頃つくられたものが相当紛れ込んでしまっていると。
 まあ見てきたような口を利いて済みませんけれども、例えば今でも行われております月給袋から自動的に税金を徴収するというのはいつ頃できたか、昭和十五年なんですね。その二年ほど前に、企業は競争するな、国家目的に奉仕しなさいというお触れが出されます。そして、戦費調達の徴収代行というものを昭和十五年から始めた。当時、ナチス・ドイツがやっていたことなんですね。
 日本は、当時、革新官僚と言われる国家社会主義の人たちとコミンテルンが同居をしていると。同じ内閣、例えば近衛内閣には全く右と左が一緒にいるなんというすさまじい時代だったんですね。そういうときに、官僚統制、中央集権型のシステムというのが完成をいたします。
 戦前の日本はごく普通の資本主義の国でありました。地方には、相当アバウトではありましたけれども、財源があったんですね。まあ外形標準課税みたいなやつですよ。しかし、昭和十五年、企業を徴収代行義務者とする源泉所得税とともに、地方配付税という制度がつくられました。今の地方交付税であります。まさに中央集権型財政構造が確立をしていくわけであります。
 戦前の日本には、四百ほどの電力会社がありました。戦争遂行のためには、これを九つにまとめて、地域独占を与えて、そして国家統制を行うと、九電力体制というのが昭和十五年につくられました。マッカーサーの時代にやったのは、形の上で民営化をするということだったわけであります。
 事ほどさように、あの時代の名残というものが相当今日なお残っている。菅内閣は、こうした戦後レジームに紛れ込んだ戦時体制の打破に努めておられると私は理解をしております。
 例えば、一県一紙。新聞社というのは、各県一つでいいんだと、五大紙というのが当時認められました。今、この五大紙が地上波テレビのほぼ独占状態になっております。電波オークションというのは、先進国だったらどこでもやっている話でありますが、中国とか北朝鮮はやっておりません。日本もその一つであります。
 日本のこうした統制型のシステムが、今コロナの中でデジタルフォーメーション、DX、これ、この中で相当厄介なことになりつつあるんですね。デジタル社会というのは、御案内のように、デジタル共産主義と言われるほど親和性が、社会主義や共産主義と非常に近いものがある。
 イスラエルの歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリさんとお読みするんでしょうか、言っていましたけれども、今、体温とか外側から監視していますけれども、皮下監視ができるようになったらどうするんですかと。皮下監視というのは、例えばウエアラブル端末を着ければ簡単にできちゃうんですね。そうすると、国民が一体どのような感情を今持っているのか、怒っているのか、喜んでいるのか、瞬時に分かるということであります。
 まさに、これは自由社会の憲法体制が今危機に瀕していると言っても過言ではありません。こういった議論を是非この憲法審査会を頻繁に開催することによって行っていただきたいと思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 渡辺喜美

speaker_id: 22070

日付: 2021-04-28

院: 参議院

会議名: 憲法審査会