打越さく良の発言 (憲法審査会)

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○打越さく良君 立憲民主・社民の打越さく良です。
 感染症が拡大している今こそ緊急事態下の憲法の在り方について議論すべきであるとの御意見が出されています。しかし、私にとってそうした御意見は、まさに緊急事態宣言下の現状を利用して、全く緊急性のない改憲に向けた議論を進めようと主張されているとしか思えません。
 そもそも政府は、感染症が拡大した昨年春から現在に至るまで一体何をされてきたのでしょうか。安倍政権、続く菅政権は、この一年間、感染症に対して何ら有効な対策を講じることなく、GoToトラベルなどで感染拡大を惹起し、時機を逸した緊急事態宣言の発令や、変異ウイルスの拡大状況を無視した緊急事態宣言の早期解除によって感染を更に拡大させ、医療体制の逼迫を招いた上に、ワクチン確保の失敗により予防接種計画の大幅な変更を余儀なくされるなど、その失政の連続によって現在の状況を招いたと言えるのではないでしょうか。一年前から適時適切な対応を取っていれば、こうした緊急事態宣言の発令に至る状況は回避されていたのではないでしょうか。
 まさに、現状は、政府が後手後手の対応によって憲法二十五条の義務を果たせないことによって引き起こされた緊急事態であり、そうした状況を奇貨として憲法改正の議論の契機とすることは断じて容認できないと考えます。
 また、憲法の緊急事態条項の創設や緊急事態における人権制約の在り方を議論すべきであるとの御意見がありました。
 私は、そうした御意見の背景には、緊急事態下での迅速な政策遂行を理由に、国民の代表機関である国会の関与をできるだけ弱め、政府による権限や政策決定の裁量を拡大強化させようとする狙いがあるものと感じざるを得ません。一度そうした政府の権限が強化されれば、為政者は緊急時と称してその権限を最大に振り回すおそれがあり、その結果、国民の権利や自由は脅威にさらされることになります。非常時であるからこそ、民主的プロセスを強化し、議会の関与をより強めることによって権利や自由を擁護していくことこそが必要であり、民主主義のシステムを守っていくことが私たち国会議員に負託された責任、責務であると考えます。
 万が一にもそのような方向性を見誤って、政府の権限強化に向けた議論を進めるお考えであれば、それは議会人としての矜持を捨て去ってしまうものであると言わざるを得ません。逆に、私たち国会議員は、そうした議論に対しては毅然とした姿勢で立ち向かわなければならないのではないでしょうか。
 以上です。

発言情報

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発言者: 打越さく良

speaker_id: 26780

日付: 2021-04-28

院: 参議院

会議名: 憲法審査会