棚村政行の発言 (国民生活・経済に関する調査会)

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○参考人(棚村政行君) 小川委員から御質問いただきまして、どうもありがとうございました。
 簡潔に答えていきたいというふうに思います。
 親ガイダンスというのは、結局、協議離婚というのが日本は取っていまして、九割ぐらいで。要するに、今回、協議離婚のアンケートを取りましたら、六割ぐらいは話合いをやっぱりしたというふうに当事者は言っています。ただ、四割は全くしていないとか、むしろ怖くてできなかったという状況です。
 それで、結局、十分な話合いができていない背景には、小川委員がやっぱりおっしゃるように、こういう事態に生じたり、不和が生じたり、その前にきちっと、平時というんですかね、そういうときに心構えというか、そういう準備教育みたいなものが日本全体、社会全体でやっぱりないと思います。
 欧米の国々を見ますと、離婚が非常に一般化して、二組に一組、それ以上別れるというところは、子供たちが、おっしゃるように、初等教育の前から、パパ、ママが何かあったときにあなたのせいじゃないよという絵本が配られて、かつ、自分たちをどう守るかという教育がもう既にされています。
 かつてその話をしたときに、そんな社会に日本はなってはおかしいぞとおっしゃる男性の人たちがいっぱいいたんですけれども、今は、小川委員御指摘のとおり、そうじゃなくて、現実、変化し、困難に立ち向かう前に一応聞いておくと、そのときにどうすればいいかということも真剣に考えるようになるわけですね。
 ですから、おっしゃるように、これは親のために用意をしていますけれども、実は子供ガイダンスというのも構想しています。つまり、子供たちが自分たちを親の問題からどう守るかということで、自立して、問題解決能力、対処能力を付けるということもこれから必要だというふうに思っています。
 つまり、災害時のいろんなリスクマニュアルじゃないですけど、そういうことと同じように、日常的に起こり得ることに対して、子供が自分たちで責任を感じたり、非常に、親の間に巻き込まれないようにどうするかと。とともに、親自身もこういうことがあり得るんだと。やっぱり好きな人と出会って、一緒になればいいということで、できちゃった結婚が四組に一組以上になっています。そうすると、別れるのはいいんですけれども、そういうことに対しての備えとか意識というのがなくて協議離婚というと、とにかく合意さえすれば、欧米の国々みたいに、裁判所に来てしっかり子供のことを決めたのか、財産の分け方決めたのか、それがなければ駄目だという社会ではなくて、日本はやっぱり家族が問題を解決しましょうと。
 いい面もあったんですけど、逆に言うと、家族が自分たちで問題が解決できなくなっている社会がおっしゃるように到来していますので、そういう状況の中で、親の意識改革、それから、情報提供、教育、啓発、これをやっぱりした上で、どうしても裁判所とかいろんな専門家が関与しないとできない、三分の一ぐらいは自分たちである程度できる人たちがいます、それから、もうちょっといろいろ教えてもらったりすれば何とかできる、それから、どうにもならないというところは専門機関とか裁判所とか弁護士さん入ってもらってやると。
 それが少し見えてきたので、是非、親ガイダンス、子供ガイダンス、そして、委員おっしゃったように、子供たちの法教育とかいろんな形でカリキュラムの中に日常生活や家族の問題も入れていくということが行われていますので、是非、そういう事前の予防的な策、あるいは、問題が起こってそれをどう解決するかよりも、その前のところに時間やプログラムをつくるという意味で、親ガイダンスは、私、今法務省の法制審の委員もやっていますので、今後それも議論して、法律をただ変えるというだけではなくて、支援もどういうふうにしていくかということをやっていきたいということで、ありがとうございました。
 それから二番目ですけれども、結婚とか離婚とかという、そういう人だけではなくて、結婚外で子供を持って育てているというシングルのマザーというのも、シングルファーザーというのもいらっしゃることはいらっしゃいます。数が増えてきていますので、おっしゃるように、私も、離婚とか別居とかという、そういうことで、結婚をしている人たちがほとんどのような御説明をしましたが、法制審でも、結婚外で生まれて、要するにシングルマザーやシングルファーザーに育てられている人の養育費、それから面会交流、それから共同で子育てができるかどうかということを検討する予定にしています。
 ですから、おっしゃるように、ただ、一人親の調査を見ますと、死別、それから離婚した家庭というと、やっぱり比率が物すごく多いんですよね。七%とか、そういうところが元々結婚もしていなくて子育てをしている一人親と、そういうことなので、今まで余り焦点が当てられなかったんですが、同じ一人親で子供を抱えているという点では支援の必要性は全く同じですので、結婚、結婚外かかわらず、子供を育てる親をどう支援するか、子供自身を支援するかという観点から、是非、弱くなった家族を、つながりを失っている家族をどう応援するかという観点から、民法の、あるいは関連する法規の改正を検討させていただいています。
 それから、三番目になって、これはとっても大きな問題なんですね。つまり、少子高齢化が非常に進んでいます。人口減少社会も、もう目前というんですか、もう始まっています。その中で、委員がおっしゃるように、私たちは、これは選択的夫婦別姓の話になるんですけれども、海外の、BBCとか、それからロシアのイズベスチヤとか、AFPとか、それから中国の上海新聞とか、いろんなところから、えっ、日本は今こんなにこの議論が、もう終わっていなかったんだということで取材いただきました。なぜそれが実現しないんだろうかという御質問と、それから実現した場合に社会に与える、日本に与えるいい効果と、それからマイナスの効果について教えてくれというんで、これはなかなか難しい問題なんですけれども。
 おっしゃるところですね、とおりで、少子高齢化を向かって厳しい社会になってきます。女性活躍とか多様性とかとまさに言っているのは、このコロナの問題も含めてですけれども、男だから、女だから、どっちが中心だとか、そんなことをもう言っていられるような時代じゃないと。ある意味では、みんなが力を合わせてどうやって乗り越えるかと。こういう時代に、外国人の方もそうですし、それからLGBTQという性的マイノリティーもそうですけど、人が人らしく、人間らしく生きれない、こういうことに対してどうしようかと。もちろん文化とか伝統はありますけど、文化とか伝統だって時代が変わればどんどん変わっていくわけですよね。
 そうなると、守るべきものと、それから変えなきゃいけないものの区別について日本は今議論をしていますと。もしこれが実現した場合に、家族のきずなが弱くなったり、家族一人一人が生きづらくなったらこれは大変なことになるんですけど、ある意味では、やっぱりそういうような、今、これから私たちが目指す社会は、少子高齢化、それから女性活躍、それから男女共同参画とか多様性とかという、言葉ではいろいろおっしゃると思うんですけれども、それがなぜ本当に必要で、どこが具体的に困っていて、どういうことをやれば、何だ、日本の社会はもっと良くなって、一人一人が要するに働きやすいか、頑張れるかと。これは子供たちの問題もそうですね、自殺もそうですし、キャリアの問題も。
 で、特に私は、家族、家庭の中で、やっぱり暴力とかそういう問題もある、他方、家族で本当に一生懸命きずなを培っていかないといけない、少し我慢をしてでも家族のためにという気持ちも必要。そのバランスをどう取っていくかということは非常に難しいというふうに思います。
 ただ、先生方もお分かりだと思いますけど、今日も別姓の選択制をめぐって、海外で暮らしている、つまり法律上はニューヨークの方式で結婚されている人が日本の戸籍とか民法のために旧姓をやっぱり届けられないんですね。ただ、あっちでは別姓で活躍しています。その裁判が今起こっています。札幌地裁でもこの間、違憲判断みたいなのが出ましてね、これ、どう考えるかというのは、皆さんそれぞれ、個人としては物すごく家族、夫婦の価値観みたいなのありますから、そんなに簡単に結論出るとは思わないですね。
 ただ、委員に申し上げたいのは、私もそうですけど、男が中心で男が頑張らなきゃ、男は台所入っちゃ駄目だというのが全く逆に、今、ごみ捨てもやれば、本当に家の中、妻の指示に従って頑張りますというぐらいやっています。で、いろんな形が僕はあっていいと思うので、それでうまくやれているところはいいわけだから、そういう意味では、この養育費の問題も、比較的これについては余り対立がありません。ですから、これは是非進めてほしいというのはですね。
 でも、ただ、養育費も最終的には、申し訳ありません、つながっているんじゃないかというふうに思います。女性が頑張り、それから、少子高齢化で多様な人が力を合わせて頑張れる社会というのが、僕は、自殺もそうですし、働く場もそうですけれども、つながっているようにちょっと感じているので、どれが正しい答えかというのはなかなか難しいと思いますけど、家族のまとまりと一人一人が輝ける社会とのバランスをちゃんと取っていただければ希望は出てくるのかなと思っています。済みません。

発言情報

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発言者: 棚村政行

speaker_id: 29849

日付: 2021-04-21

院: 参議院

会議名: 国民生活・経済に関する調査会