大久保敏弘の発言 (内閣委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○参考人(大久保敏弘君) お答えします。
 私は、特に経済学の面からお話しします。
 データの利活用の現状ということで、これはまさしく私がやっているものそのものでありまして、毎日のようにこれは研究、学術研究で使っております。ただ、非常に懸念される点としては、私の場合、かなり国際的なところで研究をしております。成果は必ず、国際的な学術雑誌、査証付きの雑誌、ジャーナルと呼ばれているものに出しています。しかしながら、日本のデータは先進国に比べるとクオリティーは高いものの、アクセスがしにくい、あるいは使い勝手が悪いということで、非常にそれが問題になっています。
 どういうデータかと申しますと、ミクロデータと呼ばれるもので、GDPとかそういうマクロではなくて、個々の企業がどうなっているかだとか、あるいは個々人がどういうふうになっているか、これミクロデータですけれども、ミクロデータを使うと。大規模なデータなんですけれども、こうしたところで、やはり、例えば国際貿易でいくと、個々の企業がどれだけ貿易をしているか、アウトソーシングしているか、あるいは関税を払っているかと、こういったところのデータがそれぞれの役所ごとに縦割りになっていると。かつ、ひも付けができない、あるいは関税のデータなんかは研究者でも使えない。
 一方で、諸外国、欧米あるいは中国なんかではそういったミクロデータをしっかり使えて、特に政策の場面で活用できると。つまり、政策的にどれだけ、TPPをやった、あるいはFTAをやった、こういったところでどれだけの効果が出るかといったことを学者がちゃんと推計をして提言できると。ただ、日本の場合は、研究者がいても、それがデータがうまく使えないことで政策提言もできないと、政策的なインパクトも分からないというような状態です。
 ですから、そういった意味で、ミクロデータ、ただし、そのときに注意しないといけないのはセキュリティーの問題だと思うんですけれども、各国はそのセキュリティーのところを研究者に限ってしっかり守りながらやるということは徹底していますので、そういった意味で、日本はまだまだそのデータの利活用、特に研究、学術面での活用がかなり遅れているということで、その辺を何とか改善していただけないかと思います。
 あとは、政策に関してですけれども、そういった意味で、エビデンスベースということで、今日お示ししたデータもそうですけれども、データに基づいてサイエンス、サイエンティフィックにやはり政治の場でも議論するということが今後重要かと思います。そういった意味でも、そういう研究をどんどん力を入れる必要があるのではないかと思います。
 あと、教育の面でも、私、経済学部ですが、これ、最近はもう理工学部並みにやはりプログラミングだとかデータパッケージ、データを使う、大規模データを使うということをしております。今問題になるのは、デジタルトランスフォーメーションみたいな形、あるいはICTが進むと、そうすると、そういった人材がやはり必要なわけですね。ただ投資をするとか、そういっただけではなくて、それを利活用できるという人材はしっかり育てていく必要があると。
 特に大学、大学院ではそういった教育に重点を置かないといけないんですけれども、今の高等教育に対するやはり政府の支出が非常に低いと。特に経済学部、社会科学にもっとお金を投入する、特にデータに対して予算を投入するべきではないかと。今のところ、大規模データはそれぞれの大学が、研究者が買っているような状態ですけれども、こういったところにやはりデータをちゃんとできるような形の政府の支援といったものが非常に必要なのではないかと。
 あとは、各学生に対して、プログラムのパッケージ、プログラムの教育をするわけですけれども、そういったときにライセンスのフィーというのが毎年相当程度掛かっています。こういったところも政府がしっかりこれ補助をすると。そういったことで、データ、特に経済学部を中心にしてもう少し高度な人材を育てると、デジタル化された社会人を育てるということが非常に必要であると思います。
 また、企業で今後ICTを進めると、そういった利活用できる人材を育てるためにリカレント教育というのが必要になってくると思います。そういった意味でも、やはり高等教育に予算をしっかり付けて、特にデータ、経済学、社会科学に対して、データ中心のところをしっかりその予算を付けていくべきかと思います。
 以上です。ありがとうございました。

発言情報

speech_id: 120414889X01620210506_029

発言者: 大久保敏弘

speaker_id: 24577

日付: 2021-05-06

院: 参議院

会議名: 内閣委員会