有村治子の発言 (文教科学委員会)

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○有村治子君 今、伯井局長が証言をしていただいたとおり、中国共産党の孔子学院だけなんですよね。日本の大学において唯一組織的、戦略的に設置されてきた文化センターが、同盟国でもない共産党一党支配の国の拠点であるということが果たして健全なことなのかどうか。
 共産党一党支配の国では、全体主義的、権威主義的な統治体制、すなわちトップの意向が絶対の正義とされて、政権に意見する民主的な声が出にくい、情報統制下に置かれる国民みんなが自由に参加できる普通選挙も事実上なく、ゆえに民主的な政権交代も起こらず、時の政権の誤謬や過ちが指摘されにくいという特徴があります。今回の感染症についても、私たち世界がそのような傾向を目撃しているというふうに理解をいたしております。
 今まで、日本側の大学が中国側の大学と個々に孔子学院設立の交渉を行い、その契約内容は、先ほど外務省がおっしゃっていただいたように、中国政府には報告される反面、日本国内では文部科学省に対して報告義務がありません。孔子学院の実態がどのようなものなのか把握する仕組みがないからこそ、少なからずの日本国民が不安感と不信感を持っておられるのだと思います。
 文部科学省は、現在のところ、孔子学院についての情報をほとんど持ち合わせていません。しかし、その一方で、日本政府においては、ほかの複数の省庁の方が孔子学院に関する動向にアンテナを張り、情報収集を図っています。つまり、文部科学省以外は孔子学院を純粋な国際交流拠点だとは見ていないということなのではないでしょうか。
 大学構内に置かれる孔子学院の周辺では、例えばチベット、ウイグル問題、天安門事件、宗教に対する弾圧、人権問題など、中国共産党にとって都合の悪いテーマを取り扱わないタブーがある一方で、例えば台湾の表記や尖閣諸島についての政治的主張など、中国政府の公式見解をなぞり拡散してくれる中国通の人材を世界各国で囲い込み、受入れ国の世論に働きかけさせ、中国に有利な国際世論をつくっていく手法が懸念をされています。
 私たち日本を始め民主主義国の高等教育では、多様な言論が自由に表明されてこそ真理の探求が進むとの信念があるはずです。キャンパスにおける言論の自由、思想の自由、学問領域の自由を堅持するために、各国は努力して孔子学院の透明性を求めています。
 誤解が生じないよう明確にいたしますが、私は、孔子学院を現在キャンパスに設置している日本の大学等をその事実だけをもって直ちに批判しているわけではありません。一般論として、他国の豊かな文化や言語に対する深い理解、国際交流を進めようと尽力をされてきた関係各位の善意と御努力に敬意を払います。
 しかし、近年の中国外交、また中国共産党の対外教育工作を見ていると、善意の国際交流というだけでは説明の付かない国家的動機があり、中国の政治的喧伝が各国の教育行政と深刻な摩擦を起こしている以上、日本の教育行政としてもこの問題から目をそらすわけにはいきません。
 そこで、文部科学大臣に伺います。
 文科省としても、当事者意識を持って孔子学院の現状を把握し、人事権や予算権、カリキュラム編成権において日本の大学が主体的な管理を行えるよう、孔子学院の透明性を図り、私学助成も含めて大学教育を支えている国民の安心につなげていただきたいと思います。
 萩生田大臣の御見解、今後の展望についてお伺いをいたします。

発言情報

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発言者: 有村治子

speaker_id: 22113

日付: 2021-05-13

院: 参議院

会議名: 文教科学委員会