山口那津男の発言 (本会議)

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○山口那津男君 公明党の山口那津男です。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました施政方針演説等に対し、菅総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 新型コロナウイルスの感染拡大が猛威を振るう中、新たな年が開幕しました。本院所属の羽田雄一郎議員が、昨年十二月二十七日、新型コロナウイルスに感染し急逝されたことに心から哀悼の意をささげますとともに、これまで感染で亡くなられた全ての方々に謹んでお悔やみを申し上げます。
 本年に入り十一都府県に緊急事態宣言が再発令されるなど、感染の終息はいまだに見通せない状況にあります。まずはコロナの脅威から国民の命と生活を守り抜くことに全力を挙げるとともに、その先を見据え、本年をポストコロナの新たな展望を開くスタートの年にしていかなければなりません。
 菅内閣はこれまで、感染拡大防止と社会経済活動の両立という極めて困難な課題に挑戦する中、脱炭素社会やデジタル社会の構築など我が国の構造転換や社会変革を促す新たな方針を提示し、経済対策の策定や今国会での関連法案の提出を進めてきました。また、公明党が長年取り組んできた携帯電話料金の引下げや不妊治療の保険適用にも道筋を付けるなど、着実な成果を上げつつあります。この上は、コロナを克服し、日本の活力と成長を取り戻す本格的な構造改革を国民目線で着実に進めることができるのか、これからが正念場と言えます。
 また、発災から十年の節目を迎える東日本大震災からの復興がどこまで進んだのか、そして、この夏に控える東京オリンピック・パラリンピックを成功裏に開催できるのか、このことも問われています。
 米国ではバイデン新大統領が誕生し、パリ協定やイラン核合意への復帰に期待が高まる中、国際協調や多国間主義を重視してきた日本の役割と貢献がますます重要となります。各国首脳との信頼関係の構築とともに、二〇三〇年までの達成をゴールとするSDGsの取組を加速させるなど、感染症や地球温暖化、防災・減災、核廃絶など地球規模の課題解決に向けて国際社会の協力と連帯を促すリーダーシップを総理に発揮していただきたいと思います。
 公明党は、どこまでも国民の窮状に寄り添い、一人の声を大切にする政治の実現に本年も全力で取り組み、国民のために働く菅内閣を支えてまいります。
 以下、当面する諸課題について質問いたします。
 海外では新型コロナワクチンの接種がスタートし、日本においても国民の関心が高まっています。国内では二月下旬までに接種を開始できるよう準備を進めるとの政府の方針が示されましたが、ワクチンの安全性、有効性が確認されたならば、速やかに接種できる体制を早急に整える必要があります。
 一方で、円滑なワクチン接種に向けては課題が山積しています。新たに開発されているワクチンには、その性能を保つため超低温による保管が必要なものもあります。ワクチンの分配方法や保管体制の確保、感染防止対策を含めた接種場所の調整など、地域ごとの綿密な計画が必要です。あわせて、市区町村には接種対象者に順次クーポン券を送付する作業も控えています。障害者や寝たきりの方などへの対応も早急な検討が必要です。
 このように、短期間でこれほど多くの人にワクチンを接種することは、これまで経験したことのない大事業です。しかも、感染収束の見通しが立たず、医療従事者の不足が指摘される中、希望者全員に接種するためのマンパワーがきちんと確保できるのか、深刻な課題です。
 こうした中で、総理は、ワクチン接種を円滑に進めるための担当大臣を設けることを表明しました。国民の命が関わるこの事業に失敗は許されないとの強い覚悟で、総力を挙げて取り組んでいただきたい。公明党は、党内にワクチン接種対策本部を設置し、全国の地方議員と連携して政府の取組を支えてまいります。
 地方自治体とも緊密に連携し、接種までの手順や優先接種の順番などを国民に分かりやすく説明しながら、混乱なく接種できるよう準備を進めていただきたいと思います。万全な接種体制の整備をどのように進めるのか、総理に伺います。
 コロナ対応の長期化に伴い、医療機関の経営は極めて厳しい状況にあります。さらに、看護師の離職などが相次いでいることに加え、昨年末から新規感染者数の増加も続き、病床の逼迫も深刻さを増しています。病床逼迫の改善についてはその原因を分析した上で、例えば、急性期を脱した感染者について、一般病床以外の病床の活用も考えられます。
 公明党は、今月七日、官房長官に対して、慢性期、すなわち回復期の病床に対しても十分に手当てして、再重症化すれば再び急性期の医療機関と連携できる仕組みを整えて、急性期病院にPCR検査が陰性になるまで入院させる現行の仕組みの改善を図るべきと提案しました。医療提供体制を断じて守るため、病床確保に向けた働きかけや、看護師、保健師等の専門人材の派遣調整など、国が前面に立った最大限の支援をお願いしたい。
 一方、感染が急拡大している地域では、自宅で療養する方が急増しており、その中には症状が急変し死亡する事態も起きています。また、家族内感染を防ぐために宿泊施設での療養も推進すべきですが、こちらも清掃、消毒などの対応が追い付かず、十分な受入れができない施設もあると言われています。
 公明党が提案したパルスオキシメーターの適切な使い方を徹底し、体調の悪化など迅速に把握するための仕組みを厳格化するとともに、体調の変化に応じて医療機関と確実につながる体制を早急に構築すべきです。
 国と自治体双方がこうした課題と責任を共有し協力して取り組まなければ、助かる命も助かりません。自治体の現場で効果的な運用がなされるよう、政府は責任を持って取り組んでいただきたいと思います。
 加えて、英国で見付かったコロナの変異種が静岡県の感染者から確認されました。海外渡航歴がなかったとのことですが、新たな感染拡大要因になり得ることから、感染源の特定とともに水際対策の強化も急務です。医療提供体制と水際対策の強化、そして、自宅や宿泊施設で療養される方の命をどう守るのか、総理の答弁を求めます。
 今国会では、新型インフルエンザ等対策特別措置法などの改正が検討されています。特措法の改正に当たっては、実効性を担保するため、都道府県知事が店舗に対し休業や営業時間短縮を要請、指示した場合の支援や応じない場合の罰則の在り方が焦点になっています。
 一方、感染症法及び一部検疫法の改正については、個人の権利に十分配慮した上で宿泊療養、自宅療養の実効性をどう確保するかが課題です。その際、宿泊療養の質を見直すとともに、やむを得ず自宅療養になった場合の管理体制を具現化すべきです。さらに、都道府県をまたぐ情報共有が進まないとの指摘を踏まえ、感染者を把握する保健所設置自治体と医療提供体制の調整を行う都道府県の情報連携の強化も急務です。
 罰則については、基本的人権尊重の下に、罰則の目的や保護すべき利益とのバランスを図る必要があります。その上で、国民の皆様には罰則の必要性や罰則適用の具体例を示すなど、丁寧な説明をお願いしたい。できるだけ幅広い合意を得て関係法律の早期改正を行い、今後の対応に生かしていくべきです。コロナ対策に必要な法改正をどのように進めていくのか、総理に答弁を求めます。
 政府が昨年策定した全世代型社会保障改革の方針には、公明党が二十年以上にわたり推進してきた不妊治療の保険適用や、待機児童対策などが盛り込まれました。
 不妊治療については、令和四年度からの保険適用に向けた工程表が定められ、保険適用までの間は助成金が大幅に拡充されます。流産を繰り返す不育症についても、自治体が検査費用等の助成を行う場合、最大五万円の補助金が創設されます。
 待機児童の解消に向けては、新たに十四万人分の保育の受皿を確保する新子育て安心プランが策定されました。令和三年度税制改正では、ベビーシッターや認可外保育施設の利用に対する助成金や産後ケア事業の消費税が非課税になります。
 こうした取組に加え、安心して子供を産み育てられる環境整備に向けては、更なる経済的負担の軽減が重要です。
 これまで公明党は、子供医療費助成制度を推進し、未就学児を対象とした助成制度が全市区町村で実施されています。今国会では未就学児の均等割保険料の軽減などを盛り込んだ法改正も検討されていますが、コロナ禍による影響も踏まえ、更なる減免も検討すべきです。
 さらに、男性の育児休業取得も重要な課題です。男性の産休制度を創設するとともに、育休を分割して取得できるようにし、育休制度の周知や環境整備を事業主に義務付けるため、今国会において育児休業法の改正案が提出される運びです。
 その際、従業員の育児休業取得など子育て支援に積極的に取り組む中小企業には、新たな補助金の創設など支援策の充実が不可欠です。子育て世帯の更なる経済的負担の軽減や、育休取得に積極的な中小企業への支援について、総理に伺います。
 公立小学校の一クラスの人数を二〇二五年度までに四十人から三十五人に引き下げることが決定いたしました。小学校全体の上限人数の引下げは約四十年ぶりとなります。少人数学級の実現は公明党の長年の主張でもあり、一歩前進と評価します。
 これによって教員が子供たちと向き合う時間が増え、いじめや不登校等に対応するきめ細かな指導の充実が可能となります。また、少人数によるICTを活用した学習を推進することで、一人一人に応じた学びの実現につながると期待できます。
 今後は、教員の働き方改革や英語等の専科教員、ICT支援員の配置などを通じて、教員の質を確保しつつ、小学校の三十五人学級を段階的に進めながら、中学校も含めた三十人学級の実現に向けて検討を進めていくべきと考えます。
 教員の質の確保を含めた少人数学級の実現に向けた取組について、総理の答弁を求めます。
 この夏に予定されている東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、コロナ危機を世界が結束して乗り越え、再起を誓い合う象徴の場であり、各国選手たちが与えてくれる勇気と感動は、不安と閉塞感に覆われたこの世界に希望の光をともしてくれるはずです。また、東日本大震災より十年の節目を迎える本年、東京大会は、被災地を勇気付け、全世界に東北の復興と感謝を発信する復興五輪としての意義もあります。
 本大会を目指して、誰もが安心して暮らし活躍できる真の共生社会の実現に向けて昨年はバリアフリー法が改正され、心のバリアフリーを含めたソフト対策が強化されましたが、開催を契機に未来に受け継ぐレガシーを残していくことも重要な取組です。
 一方で、視覚障害の方が鉄道駅のホームから転落する事故が後を絶ちません。コロナ禍による影響で障害者への声掛けが減っていることも懸念されています。近年、各地で増加する無人駅の安全、円滑な利用に向けた対応も課題です。
 今国会に提出予定の障害者差別解消法改正案では、民間事業者による合理的配慮の提供の義務化が検討されており、周知啓発や相談体制の充実が求められます。
 東京大会の開催に向けた決意と、世界に誇れる真の共生社会の実現へ、総理の答弁を求めます。
 デジタル社会の構築は、ポストコロナにおける経済成長の源泉であり、国民生活の向上や豊かさの実感につながるデジタル化をあらゆる分野で進めていく必要があります。そのためには、高速通信網の整備や、情報システム、データの標準化、行政が保有する情報を有効活用できるデータ連携基盤など、デジタル全体の基盤整備が急務です。
 また、多くの方々にいち早くデジタル化の恩恵を実感していただくためには、5Gが当たり前の社会をつくらなければなりません。現在、企業や自治体等が個別に利用できるローカル5Gは全国の三十八か所で実施されていますが、更なる導入促進が必要です。ローカル5Gにより、飛躍的な生産性向上や、へき地等の診療所における遠隔診療、リアルタイムでの災害情報の把握など、多岐にわたる分野で国民生活を向上させることができます。こうした取組を進めた上で、スマートシティーのような未来都市を、先進事例の経験を役立てながら全国各地で構築すべきです。
 また、海外では、次世代の通信規格であるビヨンド5Gの研究開発が活発化しつつあります。海外に後れを取ることなく、我が国でも官民連携の下で研究開発に取り組み、世界のフロントランナーとして、日本の情報通信インフラを積極的に海外展開していくべきと考えます。
 ポストコロナにおけるデジタル化をどのように進めていくのか、総理の答弁を求めます。
 二〇五〇年カーボンニュートラルの実現を目指す脱炭素社会の構築は、デジタル化と並び、我が国の産業構造やライフスタイルの転換を促し、今後の日本経済の発展を左右する最重要の取組です。であればこそ、これまでの延長線上ではなく、官民が総力を挙げて取り組まなければ目標達成は困難であり、鍵を握る民間の革新的な技術開発を後押しするためには、政府の継続的な支援が不可欠です。
 第三次補正予算案には公明党が提案した企業の革新的技術開発を支援する基金が盛り込まれましたが、こうした予算措置とともに、税制、金融、規制緩和、国際連携など、あらゆる施策を総動員し、技術開発から実証、社会実装をトータルで支援していくことが重要です。
 その際、大事なことは、世界トップレベルの技術力を持ち、物づくり等の分野で世界を牽引してきた中小企業の潜在力を引き出し、脱炭素分野においても十分な競争力を持った企業、新産業を育成する視点が大切です。
 二〇五〇年目標の達成に向けた道筋と中小企業や新産業育成の視点を踏まえた基金の効果的活用について、総理に伺います。
 本年は、パリ協定の発効から五年を迎えます。既に百二十以上の国・地域が二〇五〇年カーボンニュートラルを表明し、国内では二百八自治体がゼロカーボンを宣言するなど、国内外で脱炭素社会構築への機運が高まっています。十一月にはCOP26が開催されますが、この機会を捉え、引き続き我が国が市場メカニズムの構築など、国際社会全体の温室効果ガス削減に貢献する具体案を積極的に発信すべきです。
 他方で、国内対策も重要です。来年度予算案等には、ゼロカーボンを目指す自治体の計画策定から設備導入の支援などが数多く盛り込まれており、こうした支援策も活用しながら、国と自治体が総力を挙げて取組を加速化させるべきです。また、各自治体で再エネ比率を向上できるよう、実効性のある地球温暖化対策推進法等の改正や複数の自治体が連携した再エネ導入支援など、自治体での取組を強力に後押しすべきです。COP26に向けた具体案及び自治体の取組への支援について、総理の答弁を求めます。
 農林水産物・食品の輸出拡大は地方の活性化を進める上で極めて重要な取組であり、更なる輸出拡大に向けて、政府は、農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略を策定しました。高品質な日本の農林水産物の物流の高度化や効率化を進めるためには物流基盤の更なる強化が重要ですが、現在、北海道や九州などの地方で生産された農林水産物の多くは、鮮度が求められるものであっても、一旦集積能力のある東京や大阪などに集められ輸出されることが主流となっています。
 今後も拡大が期待されるアジアの消費市場などに対応するためには、都市部だけではなく、安全で速やかに鮮度を保った状態で世界各地へ届けられるよう、地域別の集積地を設けるべきです。その際、物流コストの削減を図るとともに、鮮度を維持できる設備の導入や新たなルート開拓、改善への支援が重要です。
 農林水産物・食品の輸出拡大に向けた物流基盤の強化について、総理に伺います。
 昨日、米国大統領の就任式が行われ、バイデン新政権がスタートしました。我が国の外交・安全保障の基軸である日米同盟を更に強化するため、首脳会談の早期実現などを通じて新政権との信頼関係の構築、強化を図ることが極めて重要です。
 就任演説でバイデン大統領は、新型コロナ、気候変動などの課題解決に向け国民に結束を強く訴えるとともに、世界の平和、発展、安全のために同盟を修復し、再び世界に関与すると述べ、国際協調を重視する姿勢を示しました。就任直後にパリ協定への復帰を表明されたことを踏まえ、今後、日米両国が連携して目標達成に向けた取組を加速化させることが重要です。
 また、大統領選挙期間中にはイラン核合意への復帰にも言及していますが、そうした中で、昨日、イランのロウハニ大統領は、米国の合意復帰と制裁解除を要請しました。先般、イランが合意を大きく逸脱する濃縮度のウラン製造に着手したことで復帰への道のりは険しいと思われますが、国際不拡散体制の強化、そして世界と中東地域の平和と安定のために米国には再交渉の努力を望みたい。加えて、米国と同盟関係を結び、イランとも長い友好関係を築いてきた日本が、その立場を生かして両国の歩み寄りのために最大限の外交努力を尽くすべきではないでしょうか。
 自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的価値を共有する日米両国が共に指導力を発揮し、世界が直面する新型コロナや気候変動等、困難な課題の解決に取り組んでいかなければなりません。バイデン新政権とどのように日米関係を深化させていくのか、総理の答弁を求めます。
 核兵器禁止条約が発効します。同条約は、長年にわたり核の実相を語り継いできたヒバクシャの強い思いの結晶であり、核兵器の実験や開発、保有、使用などを初めて全面的に禁止した画期的な国際法規範です。バイデン大統領は、オバマ政権が掲げた核なき世界の理念を継承することを表明しています。同条約の発効と合わせ核廃絶の機運が世界で一層高まることを期待したい。
 公明党は、昨年、同条約発効後に開催される締約国会合に日本がオブザーバーとして参加すべきと提言しました。唯一の戦争被爆国である日本が条約のプロセスに関与することに大きな意義があり、何より、核兵器保有国が交渉に関わらない中で、日本が締約国会合に加わることで真の橋渡し役を担うことにつながると考えるからです。
 また、締約国会合を広島、長崎へ招致することで被爆体験、科学的知見を生かすことや、各国の代表が集う平和記念式典の時期に合わせた特別会合開催の機運醸成を図るなど、我が国の具体的な貢献策の検討を強く求めたいと思います。
 核兵器保有国も参加する核兵器不拡散条約、いわゆるNPTの運用検討会議は、コロナの影響で本年八月に延期されています。開催会期内に広島、長崎の原爆の日が含まれることからも、何としても会議を成功させ、核なき世界への取組が前進するよう全力を尽くしていただきたいと思います。
 核兵器のない世界の実現に向けた総理の決意を伺います。
 コロナ禍においても、甚大化する風水害や切迫する巨大地震への対策は待ったなしです。昨年、政府が与党から強い要請を受けて、総事業費十五兆円規模の防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を決定したことは、我が国の防災・減災対策を加速化し、地域経済を活性化する観点からも高く評価します。
 その上で、災害に強い国づくりを進めるため、同対策に盛り込まれた計百二十三項目にわたる施策を国と地方、さらには官民が連携し、次の五年間でどれだけ進めることができるのかが重要な課題です。特に、公明党の主張を踏まえて盛り込まれた流域治水対策やインフラ老朽化対策などの施策は強力に進めていただきたい。
 また、二〇一五年に採択された仙台防災枠組の中に、全てのセクターにわたる防災の主流化が示されています。災害に備える力を一層向上させるため、生活や行動、様々な制度や仕組みの中に防災・減災、復興の視点を取り入れて、社会の主流に押し上げていくべきです。国土交通大臣の答弁を求めます。
 昨年、公明党は、近年の台風や豪雨等の被災地で行ったアンケート調査を基に、政府に対し新たな防災・減災対策を提言しました。提言を受けて政府は、高齢者等の避難支援情報を盛り込んだ個別計画の策定の促進強化、避難勧告と避難指示の一本化とともに、広域避難を円滑に行うため、災害が発生するおそれの段階で国の災害対策本部を設置できるようにするなど、新たな制度化の方針を明らかにしました。
 特に、東京、名古屋、大阪の三大都市圏に広がる海抜ゼロメートル地帯の広域避難対策については、自治体や民間企業とも連携し、台風の接近など災害の発生を想定し、発災前に具体的な避難先や経路、避難手段の調整や財源の確保などに向けた災害対策基本法や災害救助法の見直しが不可欠です。
 また、昨年の七月豪雨等の教訓から、全国の浸水想定区域内に立地する高齢者福祉施設の避難対策とともに、コロナ禍に対応した避難所の確保なども次の出水期に向けた喫緊の課題です。
 要配慮者を含めた広域避難対策等について、総理に伺います。
 昨年秋の臨時国会で、私は、地方気象台のOBなどのアドバイスが昨年の七月豪雨の際に自治体の防災業務の支援に有益だった事例を紹介し、気象防災の専門人材を自治体でもっと生かすべきと質問しました。これを受けて気象庁は、昨年の十二月、新たに二十九名の気象台OB、OGの方々を気象防災アドバイザーとして委嘱しました。この中には既に前橋市防災危機管理課の防災アドバイザーという役職で任命されている人もいます。
 今後も、市区町村の防災力向上を図るため、気象庁と総務省が連携し、市区町村に対し気象防災アドバイザーの周知と活用、普及に向けた仕組みづくりを推進するとともに、市区町村の中にも防災業務の専門家を育成していくことが重要です。総理の答弁を求めます。
 最後に、一言申し上げます。
 現在も続くコロナとの闘いは、国民生活になお影響を与えています。その中で、国民が一丸となって危機を乗り越え、内外の諸課題を大きく前に進めるためには、政治の安定と信頼が不可欠です。政治家自らが襟を正し、ひたすら国民生活の向上のために働き、結果を出す中でしか政治の信頼は回復できません。
 公明党は、生活者の目線で政策の合意形成を図り、国民に安心と希望を送る政治の実現に全力を挙げることを改めてお誓いし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120415254X00320210122_002

発言者: 山口那津男

speaker_id: 1759

日付: 2021-01-22

院: 参議院

会議名: 本会議