片山虎之助の発言 (本会議)

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○片山虎之助君 日本維新の会の片山虎之助です。
 私は、我が党を代表して、菅総理に質問いたします。
 まず、新型コロナウイルスによりお亡くなりになられた羽田さん始め全ての方の御冥福をお祈りするとともに、現在治療されている方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 これまで政府は、ウイズコロナ期には新型コロナ対策と経済活動の両立を図る、言わば二兎を追うと、二匹のウサギを追うという方針でしたが、感染拡大が続く中、国民の命と暮らしを守るためには、まず感染症対策を徹底し、国民に対する安心の担保を優先する、二兎でなくて一兎にすると私は受け止めました。この受け止めでよいのか、改めてコロナ対策に関する総理の基本的な考え方をお伺いします。
 再度の緊急事態宣言につきましては、出すタイミング、対象とする地域、行動等について、後手で小出し、右往左往という厳しい批判があります。特措法の改正も昨年中に済ませておくべきだったという意見も多い。緩やかな対策の逐次投入ではなく、先手を取り、対策は地方の意見を聞きながらも、果断で、かつ弾力的に行うという大変難しい注文ですが、総理、いかがですか。
 宣言の期間も二月七日まで、一か月では解除が難しいという見方が多い。総理は一か月で解除できる見通しをお持ちですか。それが不明ならば、むしろ長期戦を覚悟して率直に国民に現状を説明し、落ち着いて対策を進める方がよい。いかがですか。
 欧米に比べて病床数は多く感染者数は圧倒的に少ないのに医療は逼迫する、コロナ患者受入れにつき、かねてから指摘されている我が国の弱点です。特措法三十一条の要請、指示の規定等をもっと活用すべきではないか。その上で、緊急事態には、医療施設や医療従事者などに権限行使できるように改正すべきではないかという意見も出ています。今後、早急に対処するお考えはありますか。
 政府の時短業者等への協力金は、収益などを考慮せず一律日額六万円を給付する仕組みであるため、不公平感が出ています。迅速な給付のため当面は定額給付でやむを得ないとしても、デジタル技術を活用し、税務情報等と連携して、売上げや利益の規模に応じた額を交付する仕組みに速やかに変えるべきではありませんか。
 また、いわゆる支援金の議論は、その基本的理念が明らかでないところに混乱の出発点があります。支援金と憲法二十九条三項の補償との関係をどのように考えるのか、改正特措法上の規定はどういう発想に基づくのか、さらに金額の根拠は何なのか、政府の見解を明らかにしてください。
 国内で事例が出た変異ウイルスの蔓延が憂慮されています。このウイルスを検出できる体制はできていますか。国内での変異ウイルスの蔓延も想定に入れて、特措法等の改正や対処方針を検討しておくべきではないですか。さらに、別の変異ウイルスが出てくる可能性はありませんか。
 新型コロナのワクチンの接種を始めた世界各国の進捗状況がそれぞれ異なります。我が国でのワクチンの低温での保管、輸送、接種に当たる医療機関等の確保、接種の場所等の準備の状況をお伺いします。
 ワクチン接種のロジの総括、調整に河野大臣が指名されましたが、主たる期待は何ですか。また、現在開発中のワクチンは変異種にも効くのかという検証はどうなっていますか、お伺いします。
 今後ともパンデミックの発生が頻繁ならば、国内にワクチン研究開発や製造の基盤を持っていないと、毎回相当量のワクチンを輸入せざるを得なくなり、財政上も安全保障上も大きなリスクを負うことになります。そうならば、国内で全てを完結できるワクチンシステムを持った方がよい。総理にワクチン産業政策の考え方と具体的な戦略をお聞きします。
 第三次補正予算は、政府が再度の緊急事態宣言の必要を認めていなかった時点で編成したものであり、そのためGoToトラベル事業など年内に緊急に実施する必要がないものが入っています。また、特措法改正の内容ともきっちりと連動していないように思われます。そうであるならば、真に必要なものに組み替えた方がよいと思いますが、総理、いかがですか。
 近年、補正予算が常態化し、当初予算で計上するには筋が悪いものや予算のベースとしたくないもの、シーリングを逃れたいもの等が補正予算に回り、各省庁もそれを織り込み済みにして毎年度補正予算を編成しているとの指摘があります。あしき前例踏襲を打破しようという菅内閣では見直すべきではありませんか。
 今回の補正でも、脱炭素化技術の開発支援のための基金二兆円、国土強靱化対策一・六兆円余などは、本来、中長期的に腰を据えて取り組むべきもので、当初予算に計上すべきではありませんか。いかがですか。
 コロナ予備費は、令和二年予算では三兆八千億円を残し、令和三年度予算では五兆円を計上しています。令和二年度はあと二か月余り、これだけ多額の予備費を残す必要がありますか。
 また、令和三年度についても、通常国会は始まったばかりであり、追加的な経費が生ずるならば、財政民主主義の観点から、補正予算を機動的に編成して国会の審議を求める方がベターと私は考えます。御所見を伺います。
 緊急事態下でやむを得ないとはいえ、令和二年度の国債発行額は史上最大の百十二・六兆円、令和三年度の国債残額は九百九十兆円余となります。日銀の国債買入れが事実上の財政ファイナンスですから、今のところ国債消化への不安は生じていないようですが、財政の持続可能性が懸念されます。私は、政府はプライマリーバランスの確保にそれほど熱意はないとかねがね思っておりましたが、現状は放棄に近い。本気で今後の財政を考えるなら、直ちに歳入歳出の両面からアフターコロナの財政再建について検討を始めるべきと考えます。御所見を伺います。
 社会保障費の負担については、年齢でなく全ての世代がその能力に応じて支え合う、一定以上の所得や資産を保有する人はその負担能力に見合う医療費等を自己負担ないしは税負担とすべきというのが我が党の主張です。
 今回、政府が現役世代に配慮し、年収二百万円以上の後期高齢者の窓口負担を一割から二割に引き上げる決定したことは評価いたします。しかし、今後も医療費は膨らむため、今回の改革では現役世代への軽減効果が十分でない。これで終わりとするのではなく、引き続き窓口負担二割の対象の拡大に取り組むべきです。御所見を伺います。
 カーボンニュートラルは世界の潮流であり、方向性としては賛成です。しかし、二〇五〇年達成には超革新的な技術なしでは不可能であり、また、我が国のような自然条件では再生可能エネルギーもコスト高で、極めてハードルは高い。本気で実現するには、産業界はもとより、国民全体に覚悟が求められます。
 特に、原発は、我が党の主張のごとく、将来的にはフェードアウトするにしても、当面は活用せざるを得ません。我が党は原発再稼働責任法案を策定済みですが、原発の再稼働や新増設をどうするのか、使用済核燃料の中間貯蔵施設、最終処分場をどうするのか、電気代がどの程度まで上昇するのかなどの具体的な見通しを国民に示す必要があります。総理の御所見をお伺いします。
 ところで、現在、大寒波とLNG不足のため太陽光発電の稼働が低く、電力需給が逼迫していると聞きますが、国民に節電を呼びかけないで大丈夫ですか。また、電気代上昇のおそれはありませんか。さらに、太陽光発電など再エネの不安定性が明らかとなりましたが、政府の二〇五〇年再エネ五〇%ないし六〇%とする目安は達成可能でしょうか。
 デジタル庁の設立により、システム仕様の標準化・統一化は一歩前進となりますが、国民の利便向上としてはやや物足りない。ワンストップサービスを目指すのであれば、例えば、雇用主が今は別々に行っている年金、健保、失業保険等の手続や保険料、税の支払を一本化するぐらいの思い切った改革をしないと国民はデジタル化の利便性を実感できません。そのためには、システムの基となる年金、医療、税などの根拠法自体を改正する必要があります。デジタル庁設立後、速やかにこれを検討すべきではありませんか。
 NHKの次期経営計画案では、二〇二三年度中に約一割の受信料の値下げをする方針とのことであり、その点は評価します。しかし、コロナ禍で国民が経済的に苦しむ中、更なる値下げの余地がないか検討すべきです。
 受信料はいまだに対象者の二割以上が支払っておらず、これらの人々は岩盤不払層で簡単にいきませんし、徴収コストも当然かさみます。私自身のかねてからの主張でもあり、総理もかつて検討されたことがあると聞いておりますが、受信料の支払を法律上の義務とすること、仮にその増収分を丸々視聴者に還元すれば二割以上の受信料引下げが可能です。
 NHK側では、受信料を法律上支払義務化すると、視聴者とのコミュニケーションや契約、収納などの営業努力がなくなると心配しているようですが、幾らでもそれに代わる方法はあります。総理の御所見を伺います。
 世界的な感染拡大が止まらない中、世論調査によると、東京オリパラを中止すべきが開催すべきという意見を上回ってきています。ただし、一番多いのは再度の延期です。ワクチンの接種が今の計画で順調にいったとしても、外国人選手及び観光客の入国に国民の不安は残ります。
 オリパラについては、現行の案でいくかどうかを最終的に判断する時期はいつとお考えですか。大幅縮小や無観客での開催など、プランB、場合によってはもう少し厳しいプランCを作っておくべきではないですか。総理、いかがですか。
 バイデン次期大統領は、前トランプ政権とは変わり、国際協調や同盟国との関係を重視するという期待はあるものの、米国の国力の相対的な低下とともに、同盟国への様々な分担要求は増加するという見方が強い。しかし、我が国の基軸である日米同盟をバイデン政権においても維持強化し、機能させていかなければなりません。それには、今後できるだけ日米安保の持つ非対称性を薄めていくべきだというのが私の持論です。
 具体的には、日米同盟は堅持しつつ、国民の同意の下に、なだらかに自立・共同防衛の道を模索していく。それには矛と盾の関係の見直しなど、それなりの覚悟が必要になる。総理の御所見をお伺いします。
 中国は、最も重要な隣国としてこれまでどおり戦略的互恵関係を積み上げていくことが重要です。しかしながら、今や米中対立は深刻で、両国の対立がこれ以上決定的にならないよう、我が国は主体的に、そして戦略的に両国に働きかける必要があります。
 我が国は、自由と民主主義という価値を共有する米国などの諸国とともに、自由で開かれたインド太平洋を実現する一方、中国に対しては、例えばTPP加入に意欲を示している機会を捉えて、知的財産権を徹底させるなど国際規範を遵守するよう、それが大国として取るべき道であることをあらゆる手段を尽くして説得していくべきですが、言うはやすく行うは難い。総理は、米中対立をどのように分析し、対応するお考えか、お伺いします。
 中国公船の尖閣諸島周辺への領海侵入はとどまるところを知らず、昨年十一月二十四日の日中外相共同会見でも、王毅外相が一方的に中国の立場を強調するなど、我が国の主権をあからさまに無視する行動がエスカレートしています。もはや中国に抗議したり海上保安庁の巡視船が警備活動するぐらいではこの流れを押しとどめることはできません。とすれば、我が国の尖閣への実効的な支配を目に見える形で世界に示すことも必要になる。
 例えば、灯台や無線局、避難港の設置、生物多様性条約にのっとった海洋保護区の設定、この海域での日米の共同演習や訓練の定例化等で、できるものはやるべきだと私は考えますが、間違っているのでしょうか、御所見を伺います。
 その一つとして、地元石垣市は、政府が尖閣諸島を我が国の領土に編入した日である一月十四日を尖閣諸島開拓の日と定め、この日に毎年式典を開催しています。政府としても政務三役をこの式典に出席させるとともに、この日を内外にPRしてはいかがですか。
 私は、常々主権者である国民に、憲法やその改正案について十分な情報と知識を提供し、憲法に対する見識を持ってもらう努力をすることは、発議と併せて国会の重要な責務であると考えてきました。したがって、当面直ちに行うべきことは、八国会連続継続審査の国民投票法改正案を早急に成立させ、各会派の憲法改正案、反対ならばその意見を国民の前で堂々と開陳することです。我が党は、平成二十八年に憲法改正原案を公表しました。最大与党の自民党も党の正式な改正案を提出されることを望みます。自民党総裁として御所見をお伺いします。
 さて、政府も憲法改正について傍観者ではあり得ません。一国の最高法規、根本規範である憲法をより良きものにする責務は内閣にも当然ありますし、また、それだけの実力と実績もあります。内閣も憲法改正原案の国会への提出権を持つというのが従来からの政府解釈ですが、総理も同様にお考えですか。
 現行憲法は明治憲法の改正手続により改正され、政府が原案を作っています。安倍前政権は憲法解釈を変更し、安全保障法制を提案、成立させました。安全保障など国の存立の根幹に関する事項について、各党各会派が改正案を持ち寄り議論することは当然として、内閣としても改正に向けての論点を提示し、見識を示すことなどあってもよいと私は考えますが、いかがですか。
 これまで、我が党は独自で身を切る改革を実行してまいりましたが、それに加えて昨年の夏からは国会議員の期末手当の三割相当額を拠出し、ささやかながら新型コロナの医療現場の御支援をさせていただいております。日夜、新型コロナの最前線で御奮闘されている医療従事者の皆様方に心から敬意と感謝を申し上げます。
 私ども日本維新の会は、現下の国難に立ち向かい、アフターコロナの新しい時代をつくる維新改革に今後とも全力を傾注することをお約束して、私の代表質問といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120415254X00320210122_006

発言者: 片山虎之助

speaker_id: 18444

日付: 2021-01-22

院: 参議院

会議名: 本会議