菅義偉の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(菅義偉君) コロナ対策に関する基本的考え方についてお尋ねがありました。
 現在の感染拡大を減少傾向に転じさせるためにも、今は感染拡大防止に全力を挙げることにしております。このため、都道府県とも緊密に連携しつつ、緊急事態宣言に基づき、飲食店の二十時までの営業時間の短縮や不要不急の外出自粛などの強力な措置を講じてまいります。
 今後とも対策を徹底をし、一日も早く感染を収束させ、国民の皆さんが安心して暮らせる日常、そしてにぎわいのある町を取り戻すべく、全力を尽くしてまいります。
 緊急事態宣言の発出等についてお尋ねがありました。
 緊急事態宣言は強力な手段であり、国民生活を大きく制約するものであることから、政府としては最善の判断が求められます。国会の附帯決議においても、専門的知見に基づき慎重に判断すべきとされています。こうした中で、私は、日々の感染状況などを把握し、専門家の御意見を伺いながら判断をしました。
 今後も、専門家や地方の意見も踏まえながら、感染拡大を何としても抑えるべく、しっかりと対策を講じてまいります。
 緊急事態宣言の期間についてお尋ねがありました。
 緊急事態宣言の期間については、専門家の意見を聞いた上で、今回の措置の効果を見定める期間として一か月としたものであります。まずは、宣言のレベルであるステージ四を早急に脱却できるよう、都道府県とも密接に連携をしながら、専門家が対策の急所と指摘する飲食による感染リスクについて強力な対策を徹底してまいります。
 特措法三十一条の適用についてお尋ねがありました。
 この規定により、都道府県知事は医療関係者に対する要請や指示が可能ですが、病原性が非常に高い場合など、極めて緊急性の高い状況が想定をされます。現時点では、まず感染症法第十六条の二などその他の規定を活用しつつ、協力要請を行っていただきたいと考えております。
 いずれにしても、感染症法等の見直しについては、本日の閣議において与野党の御意見も踏まえた上で法案を決定したところであり、今後、国会で速やかに御審議いただくようお願いを申し上げます。
 飲食店への協力についてお尋ねがありました。
 休業等の要請に伴う影響は事業者にとって千差万別である中で、緊急事態宣言の発出により大きな影響を受けている飲食店や納入業者などの方々に対して迅速な支援を行うため、協力金や一時金による支援を行うこととしたところです。御指摘の内容は今後の行政の参考としつつも、まずは、今厳しい状況にある方々に支援をお届けすることに全力を挙げたいと考えています。
 特措法改正における事業者への支援についてお尋ねがありました。
 今回の特措法改正法案は、休業要請などを受けた事業者に対する支援を罰則と併せて規定することで、より実効的な対策を可能とするものです。要請を受けた事業者の経営や国民生活への影響を緩和するために国及び地方自治体が支援を行うこととしており、こうした規定に基づいて、金額を含め、具体的な支援内容が設定されることとなります。
 なお、特措法で感染症拡大の防止目的として施設の休業などを要請したとしても、憲法第二十九条三項の損失補償の対象とはならないものと解されているというふうに承知をしています。
 新型コロナの変異株についてお尋ねがありました。
 変異株の国内感染者が確認された静岡県では、現状では感染の拡大は確認をされておりませんが、引き続き静岡県内の遺伝子解析を優先的に進めるとともに、全国についても監視体制を強化しております。また、変異株についても基本的な感染対策は同様であり、今回の特措法等の改正により対策の実効性が上がるものと考えております。
 さらに、そもそもウイルスは定期的に変異を繰り返しておりますが、国立感染症研究所において遺伝子解析を行っており、病原性や感染性に大きな変化がないかを注意深く監視をいたしております。
 ワクチンの準備状況等についてのお尋ねがありました。
 関係省庁が連携しながら接種準備を行っており、必要な物資の確保やシステムの構築により円滑な接種、流通に向けた取組を行うとともに、実施主体である市町村においては、会場の選定や関係機関との調整など、体制整備が進められていくものと承知をしています。
 河野大臣には全体の調整とともに国民への分かりやすい情報発信を指示したところで、規制改革担当大臣として各省庁にまたがる様々な課題を解決してきた手腕を期待しています。
 変異株への効果について、WHO等は現時点でウイルスの変異がワクチンの有効性に影響を与えるとのエビデンスはないとしていますが、今後の承認審査において変異株への効果を含め、適切に審査が行われていくものと考えています。
 国産ワクチンの開発・生産体制についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルスを始めとした予期せぬ感染症に対するワクチンについて、国内で開発、生産ができる体制を確立しておくことは重要です。生産設備の整備の補助など、これまでに様々な支援を実施してきました。引き続きパンデミックに備えたワクチン開発の基盤や生産体制の整備をしっかりと進めてまいります。
 三次補正予算についてお尋ねがありました。
 三次補正予算については、病床の確保、雇用や事業の支援に加え、必要なコロナ予備費を確保しており、緊急事態宣言下における新型コロナ対策や特措法改正後の事業者の支援にも対応できる予算となっております。この補正予算を早期に成立させ、感染拡大を防止し、経済と国民生活を守ってまいります。
 補正予算の在り方についてお尋ねがありました。
 補正予算は、当初予算編成後に生じた事由に基づき、緊急性の高い経費の支出や義務的な経費の不足を補うために編成するものです。今回の三次補正予算も、御指摘のあった基金や国土強靱化対策も含め、昨年十二月に決定した経済対策に盛り込んだ緊要性の高い政策課題に対応するために編成をしたものです。
 コロナ予備費についてお尋ねがありました。
 令和二年度及び令和三年度のコロナ予備費については、感染が長引く中で、臨機応変に、時機を逸することなく対応する必要が生じることも十分考えられることから、必要なものとして考えております。
 財政再建についてお尋ねがありました。
 経済あっての財政、その考え方の下に、当面は感染症対策に全力を尽くし、経済再生に取り組むとともに、今後も改革を進めてまいります。
 後期高齢者の医療費の窓口負担についてお尋ねがありました。
 若者と高齢者が支え合い、現役世代の負担上昇を抑えつつ、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築することは待ったなしの課題であります。
 そのため、少しでも多くの方に支える側として活躍していただき、能力に応じた負担をしていただくことが必要であり、今回、七十五歳以上の高齢者のうち一定の収入以上の方々について、その窓口負担割合を二割とするものであります。
 今後、そのフォローアップを行いつつ、持続可能な制度の確立を図るため、総合的な検討を進めてまいります。
 カーボンニュートラルと原子力政策についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年カーボンニュートラルは、発想を転換してイノベーションを実現していけば十分に実現可能であると考えます。
 原発については、安全最優先、すなわち、新規制基準に適合と認めた原発のみ、地元の理解を得ながら進めていく、また、現時点で原発の新増設は考えていないという政府の立場に変わりはありません。使用済燃料対策、高レベル放射性廃棄物の最終処分等についても、これまでと同様に地元と向き合いながら進めてまいります。
 二〇五〇年カーボンニュートラルに向けて、原子力も含めあらゆる選択肢を追求していく中で、コストの観点も含めて議論し、その結論を国民の皆様に示してまいります。
 電力需給と二〇五〇年に向けた再エネ導入の目安に関するお尋ねがありました。
 足下の電力の安定供給はしっかりと確保されているために、直ちに国民の皆様に節電をお願いする状況にはありません。また、電気料金については、あらかじめ単価の決まっている契約が大半であることから、影響は限定的であると考えています。
 再生可能エネルギーについては、二〇五〇年カーボンニュートラルに向け、より安定供給に貢献できるよう、蓄電池の活用や研究開発等への支援を通じて最大限導入を進めます。
 デジタル庁の設置後に取り組むべき制度改正についてお尋ねがありました。
 デジタル庁においては、医療、教育、防災など、生活に密接に関連している国民からの期待が大きい分野について、システムの整備方針を定めるとともに、必要な規制、制度上の課題の洗い出しと見直しを関係省庁と連携して推進をしていくことにしています。
 御指摘の年金、健康保険、雇用保険等の手続や保険料等の支払についても、国民生活に密接に関係するものであり、デジタル化を通じて利用者視点でのサービスの改革が実現できるよう検討してまいります。
 NHKの受信料についてお尋ねがありました。
 NHKについては、業務の抜本的効率化を進め、国民負担の軽減に向け放送法の改正に取り組みます。これにより、事業規模の一割に当たる七百億円を充て、月額で一割を超える思い切った受信料の引下げにつなげます。
 更なる引下げを行うための議員からの支払義務化の御提案については様々な意見があり、国民や視聴者の理解を得られるようにするためには多角的な議論が必要だと思っています。
 東京オリンピックとパラリンピックの開催についてお尋ねがありました。
 まずは新型コロナウイルスの克服に全力を尽くします。東京大会については、安全、安心な大会を実現するため、IOCや各種競技団体とも相談しながら感染対策の具体的な内容を現在検討しております。
 バッハ会長とも、東京オリンピックを必ず実現し、今後とも緊密に協力していくことで一致しており、引き続き東京都、組織委員会、IOCと緊密に連携をして準備を進めてまいります。
 日米同盟と我が国の防衛の在り方についてお尋ねがありました。
 バイデン政権においても、日米同盟を維持強化していく必要があることは御指摘のとおりです。
 打撃力については日米の役割分担の中で米国に依存しており、今後ともこうした日米間の基本的な役割分担を変更することは考えておりませんが、日米同盟を強化するため、日本が果たし得る役割はこれまで以上に拡大していくことが必要であると考えています。
 米中関係についてお尋ねがありました。
 新型コロナが世界的に拡大する中、国際協調の必要性は一層高まっており、米中両国が安定的な関係を構築することが国際社会の平和と安定の観点からも重要です。そのような観点から、日本としては、同盟国たる米国との緊密な協力を進めつつ、同時に中国との安定的な関係を築き、中国が大国としての責任を果たしていくよう働きかけてまいります。
 尖閣諸島についてお尋ねがありました。
 歴史的にも国際法上も尖閣諸島は我が固有の領土であり、現に我が国はこれを有効支配をいたしております。
 尖閣諸島及び周辺海域を安定的に維持管理するための具体的な方策については様々な選択肢がありますが、実際にどのような方策を取るかについては戦略的観点から判断していくべきものと考えます。
 いずれにせよ、今後とも、国民の生命、財産及び我が国の領土、領海、領空を断固として守るという方針の下に冷静かつ毅然と対応してまいります。
 尖閣諸島開拓の日についてお尋ねがありました。
 記念式典への政府の出席者についてはその都度適切に判断しておりますが、今後とも我が国の立場に関する正確な理解が国内外に一層広く浸透するよう、尖閣諸島を領有した経緯やその開拓の歴史などの情報発信にも努めてまいります。
 憲法改正についてお尋ねがありました。
 日本維新の会が具体的な考え方を示し、憲法審査会において建設的な議論を呼びかけておられることにまずもって敬意を表したいと思います。
 憲法のあるべき姿を最終的に決める主権者である国民の皆さんの理解を深めていくことは、私たち国会議員の責任ではないかと思います。他方、内閣は憲法第七十二条の規定により、議案を国会に提出することが認められていることから、憲法改正の原案を国会に提出することは可能と考えております。これは従来からの内閣の一貫した考えであります。
 いずれにしろ、議論の進め方などは国会でお決めいただくことでありますが、まずは憲法審査会において、与野党の枠を超えて、国民投票法改正などの様々な論点について建設的な議論が行われることを期待をいたしております。(拍手)

発言情報

speech_id: 120415254X00320210122_007

発言者: 菅義偉

speaker_id: 8901

日付: 2021-01-22

院: 参議院

会議名: 本会議