田名部匡代の発言 (本会議)

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○田名部匡代君 立憲民主・社民の田名部匡代です。
 会派を代表して、政府四演説に対し、質問いたします。
 早速質問に入らせていただきたかったのですが、昨日の総理答弁に一言申し上げます。
 当然のこととして、コロナ収束は与野党協力して取り組むべき課題と捉えております。これまで私たち立憲民主党も積極的に政策提言を行ってまいりました。
 しかし、昨日、我が党水岡議員への総理の御答弁は、とても誠実とは言えませんでした。質疑者に対してもそうでありますけれども、日々の生活に不安を抱いておられる国民の皆様に対してであります。あらゆる機会を通じて国民に誠実に説明する責任が総理にはあります。答弁が長い短いではなくて、明確なお答えと丁寧な御説明を求めて、質問に入ります。
 コロナ対策についてお伺いする前に、大雪被害への対応について総理にお聞きをいたします。
 本年一月に入って、特に日本海側では記録的大雪となりました。除雪作業中や、また事故でお亡くなりになられた方々も多数おられます。まずは御冥福をお祈りをいたします。
 この雪で立て続けに車の立ち往生が発生をしたわけですが、今後の降雪に備え、対応の改善点や対策について検討されているのか、総理にお伺いをいたします。
 また、先日十九日には、東北自動車道で四、五十台の車両が絡む多重事故が発生しました。雪国では、地吹雪による視界不良もそうですが、除雪により一車線が利用できなくなるなど、各所で渋滞が発生し、緊急車両の移動や食料、燃料の輸送に影響が出ることもあります。現段階で農林水産関連施設等の被害も九千件を超えておりますし、農作物全体の被害総額は三十億円以上と試算されています。
 今後の降雪状況で除雪費の不足等も考えられ、必要に応じた十分な支援をお願いをしたいと思いますが、総理、お約束いただけますでしょうか。
 それでは、コロナ対策について伺います。
 改めて、コロナに感染し、お亡くなりになられた全ての方の御冥福をお祈りをいたします。
 そして、羽田雄一郎参議院議員、この場にいらしたら、きっといつものように頑張れよと声を掛けてくださったでしょう。会派の幹事長であった羽田議員から最後の御指示がこの代表質問ですので、一人でも多くの方の命や生活が守れるよう、コロナの収束を願い、総理にお聞きをしてまいりたいと思います。
 まず、第三次補正予算についてです。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響で解雇、雇い止めになった方は八万人とされていますが、野村総合研究所の推計によると、女性のパート、アルバイトで仕事が半分以下に減り休業手当も支払われない実質的失業者は、昨年十二月時点で九十万人に上るとされています。ここに派遣社員や契約社員で同様の事例を含めると、更に深刻な実質的失業の実態があると考えられます。また、昨年の飲食店倒産件数は過去最多となっています。GoTo事業の見直し提言に耳を傾けず、この事態に陥ったのではないでしょうか。
 GoToイートについては、第三次補正予算案に五百十五億円が計上されています。事業に反対しているのではありません。まずは、徹底してコロナを封じ込め、医療崩壊を防ぎ、倒産や廃業を食い止め、この危機をしっかりと国民の御協力の下で乗り切っていただくことに全力を注入することが重要なのではないでしょうか。そのために、今こそ徹底的な支援が必要なんです。緊急事態宣言が出された地域だけではなく、全国みんな苦しい、そういう状況に置かれています。GoToイートだけではありませんけれども、このGoToイート事業について一旦立ち止まり、持続化給付や家賃支援などを続けるべきではないでしょうか。総理にお伺いをいたします。
 次に、検査体制について伺います。昨日、水岡議員も質問されました。それに対する明確な答弁がなかったので、再度お聞きをいたします。
 総理、適切な検査ができる体制とはどういう体制を指すのか、それはいつまでにどれだけの件数を実現するのか、明確にお答えをいただきたいと思います。
 私たちは、医療従事者や介護従事者、障害福祉サービス事業所、子ども・子育て支援施設へ慰労金を支給する法案を提出しましたが、是非これを実現をさせていただきたいと思います。我が党枝野代表からの問いに明確な答弁がありませんでしたので、改めて総理から答弁を求めたいと思います。
   〔副議長退席、議長着席〕
 次に、政府の緊急事態宣言の対象となっていない茨城県、沖縄県、熊本県などが独自の緊急事態を宣言をしています。飲食店の営業時間短縮などが要請されているのですけれども、しかしながら、協力金は十一都府県のよりも低額となっています。こうしている間にも多くの事業者の経営が逼迫していくのではないでしょうか。
 経産省のホームページに中小事業者に対する一時金の支援が掲載されていますが、この制度が県独自の緊急事態宣言下の事業所にも広く対象になるのか非常に分かりづらく、例えば運転代行事業者や、公共施設の休館によりヨガなど文化、スポーツ講座を休講せざるを得なくなった個人事業主から、救済されるのか不安であるという声が届いています。
 そこで、緊急事態宣言の発令が政府か地方自治体かにかかわらず、この一時金の制度は対象となるのか、総理に確認をさせていただきたいと思います。
 コロナ禍で少子化が加速するのではないかという懸念があります。妊娠届出数の推移を見ても、二〇二〇年五月から七月の妊娠届出数は前年と比べ大幅に減少いたしました。出産や将来への不安が影響しているのではないでしょうか。
 東京都は、三病院を実質的に新型コロナ専門病院とし、新型コロナウイルス感染症患者を重点的に受け入れる方針を決めました。そのため、妊婦を始め三病院に通院、入院している患者は転院を迫られ、今後の受診、治療や追加の費用負担等に大きな不安が生じました。最終的に東京都が追加の費用を負担するとの方針を示したということですけれども、今後二度と同様の事案を引き起こさないよう、国として万全の措置を講ずるべきと考えます。
 国として、転院に係る追加費用を患者に求めないことを速やかに決定、公表するとともに、転院に係る追加費用を患者が負担することのないよう、自治体に財政支援をすることを強く求めます。実行していただけるかどうか、総理から明確に御答弁を願います。
 新型コロナウイルスの感染拡大による影響は、農林水産分野も例外ではありません。昨年春は、農畜産物の消費が混乱し、店に並ぶ食品が一時的に品薄になりました。一方、感染拡大が世界的に進む中で、一部の国が小麦などの穀物輸出に制限を設けることもありました。効率性や安さを優先して食料供給を世界的に展開していますが、こうした状況の変化によってはリスクとなることを改めて感じます。
 私は、食料安全保障の観点から、自給率向上とともに、いざというときにも食料供給が維持できる潜在的な力である食料自給力の向上を目指すことが極めて大事だと考えます。政府も、食料の潜在生産能力を把握し、維持向上を図ることが重要であると認識して試算をしていますけれども、食料自給力を伸ばして実質的な自給を確保するためにはどのような政策を展開すべきとお考えですか、総理の見解を伺います。
 これらの危機的な経験を踏まえ、あらゆるその危機に対応して食料政策に取り組んでいかなければなりません。
 総理は、農林水産物の輸出額を現在の九千億円から二〇二五年には二兆円、二〇三〇年に五兆円の目標を掲げています。片や、輸入額は約九兆五千億であり、輸入に依存する日本の現状を如実に表しています。
 総理は、輸出額は増加したとおっしゃいますが、では輸出額の中に含まれる加工品の外国産の原材料の割合は一体どの程度でしょう。原材料が海外から輸出された農産品であるならば、これは本当の意味で我が国農業の発展に寄与していると言えるでしょうか。輸出拡大は大いに結構です。しかし、それが広く生産者の所得の底上げにつながるようにすることが重要なのです。また、輸入状況に左右されるものであってはなりません。
 食料安全保障の観点で、国内農政の検証とともに、輸出戦略の練り直しも必要ではないかと考えます。総理の見解を求めます。
 感染症の拡大は家畜にも及んでいます。
 豚熱は、二〇一八年九月に養豚農場で二十六年ぶりに発生が確認されて以降、昨年十二月末までに十県で発生が確認されています。また、高病原性鳥インフルエンザは、昨年十一月、香川県の養鶏場で発生が確認されて以降、昨日も千葉県で確認されましたので、十五県、三十七事例の発生報告となります。一方、有効なワクチンのないアフリカ豚熱は、二〇一八年八月に中国においてアジアで初めて確認をされて以降、アジア地域での発生が継続しており、養豚農家にとっては最大の脅威となっています。水際対策の徹底が求められるものであります。
 昨年、家畜伝染病予防法が改正されましたけれども、全国的に家畜伝染病のリスクは非常に高まっています。総理は、防疫措置の対応についてどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、お答えを願いたいと思います。
 農林水産に関連するといえば、吉川貴盛元農水大臣が在任中に大臣室で計五百万円を受領したとして収賄罪で在宅起訴された問題であります。大臣室でなどというのは前代未聞ではないでしょうか。起訴状では、アニマルウエルフェアに関し国際獣疫事務局の規約改正案に、業界に有利かつ便宜な取り計らいを受けたいとの趣旨を知りながら、業界大手の役員から現金を受け取ったとされています。賄賂性の高いお金を受け取り便宜を図って政策がねじ曲げられるようなことは決してあってはなりません。許されることではないのです。
 今回の元大臣の在宅起訴を受け、衆議院本会議では、総理も、第三者による検証をされると承知しているとお答えになりました。第三者とはどういうメンバーなのか、検証結果はしっかり国会で御報告いただけるということなのか、総理に確認をさせていただきます。
 政治と金の問題はこれだけではありません。河井あんり被告のことも同様ですけれども、何の説明責任もこれまで果たされてきませんでした。政治の信頼回復に向け、総理にも責任を持ってしっかりとその責任を果たしていただきたいと思います。
 農水分野では、国家戦略特区による企業の農地取得を全国に拡大する話が持ち上がっています。
 現在、特区として企業の農地取得が認められている地域でも、ほとんどがリース方式で農地を利用しており、企業が農地を取得しなくても農業経営はなされています。現場の実態や要請に関係なく強引なやり方をするのはやめていただきたいと思います。
 今回の提案は一旦見送られたようでありますけれども、菅総理は、安倍前政権が続けてきた民間議員による提案を重視する路線をそのまま継承していくおつもりなのか、美しき豊かな農山漁村を目指される総理の農林水産政策に取り組む基本的な姿勢をお聞かせください。
 コロナ禍では、脆弱な立場に置かれやすい方たちに厳しい負担をもたらすことが浮き彫りにされます。様々な被害を受けている人たちがいることも決して放置してはなりません。性暴力被害もその一つです。残念ながら、日本社会にはいまだに被害者に落ち度があるという誤った思い込みもあります。過去には、自民党の女性議員で、女性は幾らでもうそをつけるなどと被害者を殊更攻撃して黙らせる許し難い発言もありました。
 現在、二〇一七年にされた刑法改正の三年後の見直しのための議論が進められています。この議論には、性暴力の被害を受けた当事者の方も加わっています。また、男性被害者や性的マイノリティーの被害者の方にもヒアリングをしています。法改正の議論に被害者に参加していただくことは、被害者に寄り添った法制度の見直しを実現する上で非常に重要なことでありますけれども、問題は、この議論の中で明らかになった性被害の実情、例えば、低年齢の子供が受ける被害の深刻さ、被害を受けて、被害をすぐには認識できないこと、PTSDなどの影響、二〇一七年改正で男性に対する加害も強制性交等罪として処罰されることになったわけではありますけれども、必ずしも被害の訴えやすさや支援にはつながっていないこと、加害を受けると男性でも女性でも誰でも恐怖や混乱により抵抗できない状態になってしまうことがあることなど、どのように現実の法改正につなげるかということであります。
 今後始まる法制審議会では、性被害の実情を適正に考慮した法改正を実現していただかなければなりません。被害当事者や支援員などを委員として選任することが有益と考えますが、いかがでしょうか。恐怖の余りフリーズしてしまった場合ですら、抵抗した痕跡がないと同意とみなす現行法のいわゆる暴行・脅迫要件の見直しは、今や必須と考えます。総理の御見解をお願いいたします。
 東日本大震災から今年三月で十年を迎えます。昨年十二月の時点で避難生活を送っていらっしゃる方々はいまだに約四万二千人もおり、被災前の生活を取り戻したと言えるものではありません。間違えても十年を区切りに東日本大震災を風化させてはなりません。
 震災後、グループ補助金などの支援は事業再建につながったわけですが、自己負担分の借金返済や売上不振で倒産に追い込まれた企業の中には水産加工業者も多いわけです。復興状況について、水産庁のアンケート調査でも、震災前と比較して売上げが八割以上回復した業者は大手であって、生産能力、売上げとも資本金の規模が小さなところほど回復も遅れています。加えて、震災時の借入れが残る事業者が、今回の新型コロナウイルスの影響で更に負債を抱え、限界まで追い込まれています。
 総理は心のケアについて触れられましたが、現実は深刻です。津波の被害を受けた地域は、水産業が盛んなところが非常にたくさんあります。コロナ禍で追い打ちを掛けられて、復興の歩みを止めることがあってはなりません。総理の御認識と、復興実現に向けた決意をお聞かせをいただきたいと思います。
 コロナ禍でも大規模災害が起こらないとは限りません。常に万が一に備え、避難所の感染防止対策のみならず、多数の負傷者が出ることなどを想定し、救急搬送、医療提供体制、感染拡大防止対策、食料や燃料の生活物資の安定供給など体制を整えていかなければなりません。どのように取り組まれるおつもりか、総理にお伺いをいたします。
 最後に、選択的夫婦別姓制度についてお伺いします。
 選択的夫婦別姓の導入について、六十歳未満の人を対象にした最近の民間の調査で、七割の人が選択的夫婦別姓に賛成でありました。特に、女性の二十代、三十代では八割が賛成であり、一番賛成が少ない四十代の男性でも六割の方が選択的夫婦別姓に賛成と回答をしています。これから結婚をし、家庭を持つ世代に対して選択肢を増やす、このことに総理御自身は賛成でしょうか、反対でしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
 立憲民主党は、二〇一八年に選択的夫婦別姓を導入するための法案を提出いたしました。この法案を実現し、結婚における選択肢を増やしていくことが重要と考えております。総理のお考えをお聞かせください。
 最後に、この場をお借りして、大学の先輩でもありました羽田雄一郎議員でありますが、政治は困っている人のためにあるんだと、いつもそうおっしゃっておられました。困難なときも、俺たちが頑張らなくてどうすると背中を押してくださいました。もう一度政権交代を目指し、国民のための政治をやろうと、そんなふうに声を掛けていただきました。
 総理は、自助、共助、公助、まずは自力だとおっしゃいますが、世の中にはぎりぎりのところで、もう我慢の限界の中で頑張っておられる方がたくさんいらっしゃる、みんな必死に頑張っているんです。その姿が見えていますでしょうか。
 羽田雄一郎議員が、国民のために、苦しんでいる人のために、そうおっしゃってきたことをこれからも立憲民主党の仲間と大事にしながら、まさに、国民の皆さん、あなたのための政治を行う、立憲民主党は全力で命と生活を守る、その政治を実現させていきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 田名部匡代

speaker_id: 21884

日付: 2021-01-22

院: 参議院

会議名: 本会議