木戸口英司の発言 (本会議)
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○木戸口英司君 立憲民主党の木戸口英司です。
私は、立憲民主・社民を代表し、新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案について質問いたします。
昨日、田野瀬文科副大臣と自民党大塚国対副委員長が役職辞任し、さきに辞任した松本前国対委員長代理とともに離党しています。緊急事態宣言下の一月十八日、共に深夜まで銀座のクラブを訪れていたこと、松本氏の一人で行っているとの弁明が虚偽だったこと、コロナ禍で苦しむ国民を愚弄するものです。同様の問題で、公明党遠山前幹事長代理は議員辞職しました。
国民に権利制限と罰則を科す特措法改正案が提案され、緊急事態宣言の延長が図られようとしているこのときに、政府・与党は国民の理解、協力なくしてこの危機を乗り切ることができると思っているのでしょうか。総理・総裁としての責任は大きい。国民に対し、どう申し開きしますか。
新型コロナウイルスに襲われ亡くなられる方が全国で連日増加しています。一日現在、五千七百五十二人。病院での治療も受けられずに亡くなられる方も増えてきており、救える命はなかったのか。心から哀悼の誠をささげます。
救える命があったのではないか。
厚生労働省によると、昨年の自殺者数は速報値二万九百十九人で、前年を七百五十人上回ったとされます。リーマン・ショック後の二〇〇九年以来の増加となります。特に、女性が一四・五%増え、働く女性で増加が目立ちます。また、小中高生の自殺者数は四百四十人、過去最多となりました。
雇用悪化で非正規労働者数が減少に転じ、コロナ禍のしわ寄せは社会的に弱い人ほど受ける現実があります。求められる支援は年代や性別、地域によって異なり、国や自治体は民間とも連携し、自殺の背景を詳細に調査し、きめ細かい支援に努める必要があります。現状認識と自殺対策の取組について、総理の所見を伺います。
二月七日に期限が迫る緊急事態宣言は、延長されることとなります。菅総理は、一か月後には必ず事態を改善させるとしていましたが、対象区域の新規感染者数と医療体制等の大幅な改善には至りませんでした。対象区域の現状に対する認識と、延長は一か月程度と言われておりますが、ステージ二が見通せる状態となるには更なる対策が必要と考えますが、総理の所見を伺います。
新型コロナウイルス感染症対策分科会からは、昨年十二月二十三日、飲食店などの営業時間の更なる短縮の要請を含め、会食、飲食による感染拡大リスクを徹底的に抑えるよう、緊急事態に匹敵する対策を求める提言が出されています。しかし、政府は緊急事態宣言が求められていないとし、一月七日の発令となりました。発令がもっと早ければ感染拡大を早期に抑え込み、解除を早めることができたと考えますが、総理の所見を伺います。
GoToキャンペーン停止、海外からの入国停止、緊急事態宣言再発令、特措法改正等、菅総理の判断に対し後手であったとの批判が強まっています。精いっぱい取り組んでいるとの総理答弁もありましたが、政治、わけても危機管理は結果責任であることからも、批判は当然です。
そもそも、政府において感染症対策への備えがされてきたのか。厚生労働省が新型インフルエンザ流行後の二〇一〇年にまとめた感染症対策に関する報告書は、事実上放置されてきました。提言では、国立感染症研究所や保健所、PCR検査、医療提供の体制強化等を求めています。また、厚生労働省が感染症指定医療機関の体制改善を二〇一七年に総務省から勧告され、全国調査を行ったにもかかわらず、結果の取りまとめすらなされていませんでした。
これら政府の感染症対策の不作為を認め、これまでの取組を検証し、対策と体制の抜本的な立て直しが必要と考えますが、総理の所見を伺います。
感染判明後に入院や宿泊療養等を調整中となっている人が、一月二十七日現在、全国で九千十二人、自宅療養者数は二万六千百三十人に上っています。保健所の業務の逼迫、医療従事者やベッドの不足で入院や療養先の調整が追い付いていないこともあり、在宅で亡くなる人も増えています。民間病院による後方支援等も含め、病院間の連携に向け、医療関係団体による協議や自治体と医療機関の話合いが精力的に進められています。
菅総理は、衆院予算委員会の答弁で、体制ができていないことは責任者として大変申し訳なく思うと陳謝しました。一方で、三次補正予算で医療に必要な予算はしっかり確保しているとも答弁しています。そこからは、逼迫する医療の体制立て直しへの国のリーダーシップも道筋も見えてきません。政府の具体的な取組について総理に伺います。
改正案において、新型インフルエンザ等対策有識者会議を新型インフルエンザ等対策推進会議として法的に位置付けることとなります。
これまでも、対策の決定過程において、政治と専門家の役割分担の不安定さが国民に不安と不信を与えてきたと言えます。尾身分科会会長もインタビューで、専門家の意見を聞き、大所高所から政府が判断する、そういう関係がなかった、採用するかしないかの理由をきちんと説明するのが政府としてあるべき姿だと述べています。専門家の意見を聞いた上でと総理は語りますが、問題は、決定に至る過程の説明責任が不十分な点にあります。
厚生科学審議会感染症部会が改正案におおむね賛成だったとする政府説明は、多くの委員が罰則に反対か慎重であった事実を覆い隠すもので、看過できません。改めて、厚生労働大臣に説明を求めます。
法改正で専門家による会議が規定されるこの機会に政治と専門家の役割分担について再構築するべきと考えますが、総理の所見を伺います。
特措法等改正は、全国知事会の提言もあり、野党として改正案をさきの臨時国会に提出しております。特措法の課題を認識しながら改正の、緊急事態宣言再発令に至るまで放置してきた政府の責任は大きいと言えます。改正案は、まさに突貫工事、立法事実も曖昧で、感染抑制に効果的か、事業者への支援は十分か、国民の権利制限と罰則は妥当か、議論の余地はあまたです。
創設されたまん延防止等重点措置について、運用が曖昧な点があります。まず、当措置を公示する要件は政令で定めるとしていますが、公示の判断基準について総理に伺います。
また、緊急事態が宣言される前において国民の権利を制限し、罰則が導入されることについて、国民の権利保障の観点から、命令及び過料は抑制的な運用であるべきと考えますが、総理の所見を伺います。
内閣と都道府県知事の権限と裁量が拡大されることからも、国会のチェックは必要です。公示期間や区域の変更、解除等の各段階において、国会への速やかな報告を求めますが、総理に対応方針について伺います。
時短要請等で影響を受ける事業者に対する十分な支援は、地域経済と雇用を守るために必須です。今回の改正案によって、事業者への支援措置を講ずることは国や地方自治体に課せられた義務となり、事業者に対する必要な財政上の措置その他の措置を講ずるものとしています。要請等による経営への影響や事業規模等も勘案したきめ細やかで十分な支援を行うことを強く求めます。
まん延防止等重点措置や緊急事態宣言が発出された際のそれぞれの段階において、財政上の措置その他の措置に関し、具体的にどういった支援をどの程度行うことを考えているのでしょうか、総理に政府の方針を伺います。
十分な支援がなされないまま要請を受け入れた事業者が倒産するようなこととなれば、受忍限度を超えるのではないでしょうか。所見を伺います。
また、時短要請の対象外の事業者、さらに、宣言区域外の事業者の経営にも幅広く影響が及んでいることから、売上げ減少の著しい事業者に対し、給付金等の支援策を再度検討する必要があると考えますが、所見を伺います。
感染者や治療に当たる医療従事者、また、その家族等に対する差別や偏見、心ない誹謗中傷等、人権が脅かされる悪質な事例がいまだ後を絶ちません。こうした行為は、当事者への人権侵害にとどまらず、積極的疫学調査を始め感染症拡大防止の取組に負の影響を及ぼしかねません。法改正で差別の防止に係る国及び地方自治体の責務が規定され、国としても、広報、教育や啓発、相談窓口の充実強化、差別を受けた方への支援等、一層の対策が必要ですが、具体的な施策を総理に伺います。
感染症法改正案について、同法はその前文において、我が国においては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要とうたい、感染症の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速かつ適確に対応することが求められているとしています。感染症を予防するだけでなく、感染症の患者に対する良質かつ適切な医療の提供が求められています。
しかし、新型コロナウイルス感染症をめぐっては医療崩壊が叫ばれ、良質かつ適切な医療が提供されているとは言えません。また、過去、様々な感染症において繰り返されてきた差別、偏見という歴史を教訓として生かせていないことも事実です。
法改正に当たり、いま一度、政府は前文の意義を改めて強く認識し、感染症の患者等の人権を尊重しつつ、良質かつ適切な医療の提供を確保する必要があると考えますが、総理の所見を伺います。
本法案の当初の政府案は、入院措置に応じない又は入院先から逃げた感染者や保健所による積極的疫学調査を正当な理由なく拒否した者等に対し刑事罰を科すという、とても容認できる内容ではありませんでした。
しかも、事例の具体的なデータは示されないまま、罰則を設けることによる抑止効果は判然とせず、罰則を設けることで、かえって検査を受けることを忌避する患者や調査対象者と保健所等の職員との間でトラブルが発生する可能性が高まるのではないかという懸念もあります。
法案の修正を経て、行政罰である過料は科せられるものの、刑事罰ではなくなった点は一定の評価はしたいと思います。そもそも入院等調整中の方がたくさんいる中で、入院等協力の求めに応じない方に勧告、措置を行い、罰則を科すことには強い疑問を感じざるを得ません。
改めて、感染症法改正の趣旨と、人権が損なわれる運用はないことを、総理から国民に丁寧な説明を求めます。
また、衆議院における修正を踏まえ、入院措置に応じない方等に対して、罰則による抑止ではなく、その必要性をいかに丁寧に伝えて理解いただくのかが重要であり、多忙極まる保健所等の職員が本来の業務を遂行できるよう支援する政府の役割は大きいと考えますが、厚生労働大臣の所見を伺います。
感染症法改正案では、厚生労働大臣、都道府県知事は、緊急の必要があると認めるときに医療関係者等に必要な協力を求めることができるとし、要請に応じなかった場合に勧告を行い、正当な理由なく勧告に応じなかった場合にはその旨を公表することができるとしています。
なぜ、病床確保が進まないのか、医療機関が抱える課題と不安を払拭することこそが解決の必須条件と考えます。
そもそも医療崩壊は、地方において医師の不足と地域及び診療科偏在という形で既に顕在化し、感染症の拡大で、都市部においても医師不足を大きな要因とする医療の脆弱性が明らかになったと言えます。
眼前の医療崩壊を防ぐ対策に全力を挙げるとともに、病床削減に力点が置かれたこれまでの医療改革を転換し、中長期的な視点で医師の適正な養成と配置を図る抜本的な改革に早期に取り組むことが必要と考えますが、総理の所見を伺います。
四月以降の開始を見込む高齢者へのワクチン接種について、政府は三か月以内に完了できるよう自治体に体制整備を求めています。前例のないプロジェクトとなります。
集団接種を想定した訓練が一月二十七日、川崎市で行われ、所要時間や人員体制等、課題も明らかになっています。会場や人材確保、ワクチンの保管・運搬体制の構築等、困難な準備に挑む自治体に対する支援策について、ワクチン担当大臣に伺います。
接種券の配付開始まで約二か月となる中、政府は接種状況を管理するための新システムを構築するとしていますが、運用は接種開始に間に合うのか、導入に向け市町村の新たな負担とならないか、システムの概要と併せ、伺います。
また、ワクチン接種が先行している米欧において、需要急増のため供給が追い付かず、接種計画の遅滞が問題化し、ワクチン争奪戦とも言われます。我が国へのワクチン供給は計画どおりとなるか、見通しについて伺います。
菅総理は、施政方針演説で、国民の皆さんの希望を実現したいと述べています。憲法第十三条、幸福追求権の前提は個人の尊重とされています。法改正に当たり、立憲民主党は、政府にこの点を強く求め、また、自らに課し、コロナ禍を克服し、国民の命と生活を守る政治に邁進することを誓い、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕