高木かおりの発言 (本会議)
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○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
私は、党を代表して、新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案について、総理、関係大臣に質問いたします。
冒頭、新型コロナウイルスによりお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表しますとともに、闘病中の皆様に心からのお見舞いを申し上げます。
さらに、日々過酷な医療現場を懸命に支えてくださっています医療従事者の皆様に心から敬意を表します。
我が党は、一年前に国内でコロナ感染が広がり始めた頃から、感染防止策の実効性を高めるには、都道府県知事の休業要請や医療機関への協力要請に係る権限強化が必要であり、そのためには新型インフルエンザ特措法の改正が必要だと訴えてまいりました。
それでも動かなかった政府が、現下の第三波の猛威に抗し切れず、ようやく重い腰を上げたのは十二月下旬のことでした。悠長に構えていた政府の危機管理の甘さは、残念ながら厳しく指摘せざるを得ません。
さはさりながら、本案の国会提出前から衆議院での審議に至る過程で、医療提供体制に向けて知事の権限を強化する感染症法十六条二項の改正など、肝の部分に我が党の主張が反映されたことは評価いたします。
ただ、本案は急ごしらえで仕上げられたため、幾つかの課題が積み残されています。
第一に、補償の問題です。
休業等の要請、指示、命令と経済的補償はセットで行わなければ法律の実効性は担保されません。本案では、事業者に対する支援を必要な措置を効果的に講ずると規定されていますが、その支援がどこまでを想定しているのか、極めて曖昧ではないでしょうか。事業者は、要請、命令により経営に直接的また間接的に影響を受けますが、事業者の業種、規模、形態等は千差万別です。また、特定業種への協力金等、画一的な支援には不公平感が否めません。
そこで、総理に三点お伺いします。いずれも素通りすることなく、しっかりお答えください。
政府は、補償という言葉を一貫して忌避し、事業者が要請、命令に応じて損失を被っても、事業活動の内在的な制約を錦の御旗にして、憲法二十九条三項の損失補償の対象とはならないとの立場を押し通しています。内在的な制約の線引きも不透明です。政府が言う内在的な制約とは何なのか、国民に分かりやすく御説明ください。
また、政府はいわゆる受忍論を取っていると考えますが、これは、公共の福祉を理由に国家が国民に問答無用に一定限度の犠牲を強いるものにほかなりません。補償なき休業要請や医療機関への協力要請、指示が憲法二十九条違反ではないとされる理由をお示しください。
そして、事業者の損失を公平かつ適切に埋める補償について、政府は、業種や規模等に応じた損失を個々に算定するには時間が掛かり、迅速に処理できないとも主張しています。しかしながら、事後にできるだけ早期に支給するなど柔軟に対応できるはずです。それでも検討される余地はないのでしょうか、総理の明快な御答弁を求めます。
第二の課題は、知事と国との権限と責任の在り方についてです。
基本的対処方針の策定や緊急事態宣言の発令等に係る政府と都道府県知事との権限と責任の在り方も不明確なままです。過去二回発出された緊急事態宣言においては、国と知事との役割分担がなされていないため、スムーズに事が運ばなかったという経緯があります。
総理にお伺いします。
本来、医療現場など地域の実情を熟知する知事が国と一体となって指針策定の段階からしっかりと参画できる体制を確立すべきではないでしょうか。対策の実効性をより確保するために、それを特措法にしっかり書き込むことが不可欠と考えますが、総理の見解をお示しください。
第三に、医療体制の最適化についてです。
我が党は、現今の厳しい状況にある医療提供体制を有事シフトにすることこそ感染症対策の要だと訴えてまいりました。本案では、感染症法の改正により、知事が医療機関に必要な措置を直接要請、指示することに道が開かれています。維新は特措法三十一条の適用を求めてきましたが、政府は、病原性が非常に高い本当の緊急時に使われると説明し、感染症法十六条の改正で落ち着きましたが、いずれにしても不十分です。
問題は、民間病院による感染者の受入れが大阪府では約一〇%にとどまるなど、全国的に低水準にあることです。十分な保障を担保した上で、中等症、軽症の患者をたとえ一床でも二床でも受け入れてほしいと知事たちは切に願っています。
総理にお伺いします。
万全な医療体制をしくためには、知事がコロナ病床の拡充等の要請、指示等により医療機関のマネジメントでリーダーシップを取ることが欠かせません。その実効性を高め、一人でも多くの国民の命を守るためにも、コロナ対応に伴う医療機関の減収補償や金融モラトリアムなどによる経営保障を法で担保すべきだと考えますが、前向きな答弁を求めます。
また、国が所管する国立大学附属病院、独立行政法人等は、高度な医療技術や様々な情報を有しており、既に重症者を受け入れていただいていると承知しておりますが、他方、入院できずに自宅療養されているハイリスク感染者も少なくなく、その受入れと回復時の転院に配慮した医療体制の最適化を更に推し進めていく必要があります。
今こそ感染症に対する危機管理を徹底し、感染症に強い国をつくっていかなければなりません。総理の一層のリーダーシップが求められていると考えますが、総理の見解をお聞かせください。
次に、ワクチン接種に係る問題です。
まず、費用の問題です。
自治体には、ワクチン接種の準備段階から、予約業務や配送、保管、会場設営や医師、看護師の確保など多くの費用が発生し、接種後も副反応などの健康相談等の業務は多岐にわたります。計画どおりに接種が進まなければ、その分費用がかさみます。
政府は、ワクチン接種のための基本的費用について、全額国費の新型コロナウイルスワクチン接種事業負担金を拠出し、市町村が設ける会場での接種に係る運営費等が負担金を超える場合、補助金で補填するとしています。
総理にお尋ねします。
自治体にとって、費用負担の問題は財政計画に直結し、ワクチン接種の工程にも影響を及ぼします。財源が確実に担保されなければ前に進めません。国がワクチン接種に係る全費用を賄い、自治体の負担は皆無だと理解していいのでしょうか。それとも、補助金には上限があり、自治体の負担が発生する場合もあるのかどうか、明確にお答えください。
ワクチンに関する事務負担も自治体の懸念材料です。コロナ禍において、私たちは日本のデジタル化の周回遅れを痛感させられました。
河野大臣にお伺いします。
マイナンバーの行政へのフル活用や霞が関の事務負担軽減に取り組む維新としては、ワクチンの接種事務も全国の自治体でマイナンバーを活用し、事務処理の効率化、迅速化を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。
次に、コロナ禍は、雇用に深い影を落としています。
特に、非正規で働く女性や一人親家庭の環境は大変厳しく、雇い止めやシフトの減少が続き、自殺者も増えています。さらに、シフトで勤務する方々の間には、雇用調整助成金など法的に休業手当の制度が保障されていることすら把握されていない方も少なくありません。せっかくある仕組みが使われていないのです。この点についても、政府として周知徹底が求められています。
そこで、田村厚生労働大臣にお尋ねします。
再就職支援等を含め、雇用の悪化の改善に向けて政府としてどう取り組むお考えでしょうか、具体的に見解をお示しください。
最後に、西村担当大臣にお伺いします。
緊急事態宣言が延長された場合、現在の対策が一定の効果を上げたことを目に見える形で示すことができれば、自粛に応じている事業者や国民にとって明日の希望の光となり、我慢を続ける活力を生み、宣言の効果がより高まると確信していますが、いかがでしょうか。また、新しいライフスタイルとして、黙って食べる黙食が広がりつつあります。これが飲食店等でも徹底できれば、更にコロナ感染の封じ込めが期待できるのではないでしょうか。大臣の見解をお示しください。
政府には、第三波の収束を待つことなく、第四波、第五波に備え、更なる特措法の改正始め、先手を打ってコロナ対策に取り組むよう強く求めるとともに、日本維新の会も引き続き建設的な提案、協力を行っていくことをお誓い申し上げ、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕