矢田わか子の発言 (本会議)

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○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会の矢田わか子です。
 会派を代表し、新型インフルエンザ等対策特措法等の一部を改正する法律案について質疑をいたします。
 まず、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた皆様の御冥福を心よりお祈り申し上げます。さらに、現在も療養中の皆様の一日も早い御回復をお祈りいたします。
 また、この瞬間も命と向き合っていただいている医療現場の皆様、保健所関係者の皆様、心から感謝を申し上げます。
 政府は、一年にわたり感染症対策を講じてきましたが、今なお多くの方々がコロナ感染の不安におびえ、また経営難に陥り、日々の生活も苦しい状況にある、この状況を私たちは受け止めなければならないと思います。
 今回の法改正が、真にこの状況を打破し、感染症拡大を食い止め、日常を取り戻すことができる、そのことによって皆様の不安に寄り添うことができるのか、そんな思いを込めて質疑をいたします。
 まず、これまでのコロナ対策について三点伺います。
 政府は、昨年八月の新型コロナウイルス感染症対策本部において、冬場の感染拡大に備え、医療供給体制や検査体制を拡充する今後の取組方針を決定しています。この方針を着実に実行していれば、現在のような深刻な状況は回避できたはずです。
 これは、政府が本来の役割を果たし切れていないということであり、私たちは今この現状を猛省しなければなりません。この国のリーダーである菅総理の御見解を求めます。
 次に、雇用対策について伺います。
 コロナによる失業者は政府統計で八万人を超え、雇用への影響は甚大です。ある民間調査によると、パートなどで仕事が半分以下、又は休業手当などの出ていない方は女性だけで九十万人を超えています。非正規や女性の労働者を中心に深刻な影響が出ています。
 そこで、提案します。
 今後、ワクチン接種の開始などに伴い、保健所業務など、更に人手不足が予測されます。また、生活難の方々への公的な相談窓口の強化も必要です。このような公的部門で積極的に失業者を採用していくというのも一つの有効な雇用対策になると考えます。これまでの雇用対策の評価、総括とともに、厚労大臣の見解を求めます。
 三点目に、補償措置の制度の継続について伺います。
 昨年、政府は、感染症により経済的な影響を受ける国民、事業者に対して様々な補償措置を設けましたが、そのほとんどは一度きりの支援、対象期間の期限も迫っています。
 例えば、休業支援金・給付金、小学校休業等対応助成金、妊婦の休業補償などの制度は四月以降も継続する必要があります。また、これらの助成金は利用率が極めて低いことを踏まえ、周知徹底とともに、個人申請化を進めるなど、利用時に障害となっている手続的な問題の改善が必要です。さらに、雇用調整助成金の特例措置も含め、大幅な延長が必要であり、これらの制度改善と支援の延長について、厚労大臣、見解を求めます。
 次に、特措法改正案について四点伺います。
 まず、新設されるまん延防止等重点措置です。
 この措置は、国民の行動や経済活動に関わる私権の制限が行われるという点においては緊急事態宣言下と何ら変わらないにもかかわらず、国会への報告義務や国として専門家の意見を聞くという科学的客観性を担保するプロセスがありません。また、この措置の発令要件は政令で定められることとなっていますが、現在、何ら明らかになっていません。このような重要な法改正をする場合、予定する政令の内容も同時に明確にすべきです。
 私権制限に関わる重要な政策の遂行に関しては、議会における民主的な統制が不可欠であり、時の政権の裁量により過度な権限行使が行われる懸念もあります。国として、この新たな予防的措置がなぜ必要となるのか、その理由とともに、今指摘した懸念について、西村大臣、見解を求めます。
 二点目に、病床確保のための施策について伺います。
 現在、感染が判明した多くの方が、入院先や宿泊療養先が見付からず、自宅待機状態になっており、東京都だけでもその人数は約四千二百人にも上ります。昨年十二月から今年一月までの二か月間で、自宅で亡くなられた感染者は二十九名、このうち調整中の方が十名もおられました。まさに、医療供給体制の整備、加えて療養先の調整業務や自宅療養者のフォロー業務を担う保健所の体制強化は喫緊の課題です。
 政府は、昨年末、感染患者の病床を増設する場合、補助金を増額することを決めましたが、実際には、人材確保やICU整備などの課題もあり、民間の医療機関や大学病院で感染患者の受入れが進むのかは非常に不透明です。
 現行の特措法第三十一条三項は、「医療関係者に対し、患者等に対する医療等を行うべきことを指示することができる。」と規定していますが、実際に指示されたことは一度もなく、この条文で指示ができないのであれば、まずは逼迫する病床確保に関し実効性ある法改正を行うべきです。厚労大臣と西村大臣の見解を求めます。
 三点目に、営業制限と補償について伺います。
 国民民主党は、店舗、事業の休業や操業時間の短縮など国民への協力を求める場合は、万全な補償をセットで盛り込むべきと考えを主張してきました。
 今回の改正案では、営業時間短縮などの要請、命令に従わない場合の罰則が明文化されましたが、罰則を設けるからには、営業時間によって損失する利益に対し、十分な補償措置をとるべきです。
 条文上、罰則規定は明確ですが、補償については、「必要な財政上の措置その他の必要な措置を効果的に講ずるものとする。」と、極めて抽象的な記述になっており、これでは全くバランスが取れていません。
 補償に関しては、事業者が倒産することなく、事業の継続と従業員の雇用を守れる補償水準の確保が必要です。財政上の措置の基準を明確にし、国と地方公共団体がこの点に責任を持つことを国民の前に示す必要があると考えます。総理大臣の見解を求めます。
 四点目として、一律の協力金について伺います。
 現在、緊急事態宣言下にある都府県では、飲食業で時短要請に応じた事業者に一律一日最大六万円の協力金が支給されています。しかし、この措置は飲食業に限定され、納入業者などの関連業者、一部協力金出されますが、その他の業種には何らの補償もありません。
 苦しいのは飲食店だけではありません。売上げの落ち込みはありとあらゆる業種に及んでおり、営業時間の短縮に応じている他業種店舗からは不満の声も出ています。
 さらに、飲食店でも、事業規模によって掛かる経費は当然異なり、一律の協力金のみでは損失補填に至らず、経営危機に直面する店舗が出ています。東京商工リサーチが去年十二月に実施した調査では、このままの感染状況が続けば飲食店の三二%が廃業を検討という結果が出ています。
 昨年の持続化給付金の申請手続では、確定申告書や売上台帳の提出が必要でした。これに加え従業員名簿があれば、それぞれの事業規模を把握することができ、段階的な協力金を支給できるはずです。罰則の前に、事業規模に応じた協力金の支給は必須要件だと思います。総理の見解を求めます。
 次に、感染症法改正について伺います。
 まず罰則に関して、改正案では、感染者がホテル等における宿泊療養の要請に応じない場合、都道府県知事は入院勧告し、この要請に応じない場合、罰則が科せられます。
 罰則は行政罰に修正されましたが、宿泊療養や入院勧告に応じないことも様々な理由があるはずであり、行政罰といえども、悪質なケースに絞るなど慎重に運用すべきです。また、行政罰を科すことになると、過料の徴収のために、役所、保健所にも更に負担が増えます。厚労大臣に見解を求めます。
 二つ目は、宿泊療養における療養者の安心を確保するための管理体制の問題です。
 ホテルの療養等に対する便益を高め、管理体制を強化することによって、感染者による協力へのインセンティブを高めることができます。例えば、療養者にはスマートフォンとデータ連携できるパルスオキシメーターを配布し、クラウド等を利用して医師、看護師、保健師が一括管理すれば、管理する側の作業削減にもつながり、療養者側も容体の急変時にも即座に対応が可能となります。厚労大臣の見解を求めます。
 以上、九項目について質問いたしました。今回の法案における不明点、疑問点は多岐にわたっておりますが、国民の皆さんにとっても疑問や不安が残らぬよう、政府として説明責任を果たされることを要望し、代表質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120415254X00520210202_024

発言者: 矢田わか子

speaker_id: 21767

日付: 2021-02-02

院: 参議院

会議名: 本会議