打越さく良の発言 (本会議)
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○打越さく良君 立憲民主・社民の打越さく良です。
私は、会派を代表し、ただいま議題となりました新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案に対し、賛成の立場から討論を行います。
新型ウイルス感染症の拡大によって亡くなられた方々に哀悼の意を表しますとともに、御遺族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。現在治療中の皆様には一日も早い御回復をお祈り申し上げます。本院の重鎮である羽田雄一郎議員が新型ウイルス感染症によって亡くなられましたことは痛恨の極みであります。
昨日の全国の感染者は二千三百二十四名、死亡者は百十九名、そのような発表を日々目にしていると、私たちの感覚が鈍麻しかねないことを懸念しています。お一人お一人が数字ではなく、かけがえのない尊厳のある存在であり、何とかしてこの感染を食い止めなければならないことを改めて一議員として確認したいと思います。
もとより、感染は自己責任ではありません。救える命を一人でも数多く救い、誰一人取り残さないセーフティーネットを張り巡らせることが政治の役割です。
医療従事者や介護現場で働く方々、発表の場がなくなった音楽や舞台の方々、一人親、非正規労働、飲食業の方々、それぞれに困難が異なります。個別のニーズを把握し、手当てする。緊急事態に当たり行政がリーダーシップを発揮しなければならないときでも、判断の透明性を確保し、公正さを担保することが求められます。
討論に先立って、政府・与党に苦言を申し上げなければなりません。
先週、松本純自民党国対委員長代理と遠山清彦公明党幹事長代理が深夜、銀座のクラブで会食していたことが相次いで明らかになりました。特に、松本議員は、当初は一人でクラブを訪問したと述べていたのに、実際には当時の文科副大臣と衆議院議運理事が同席していたことを一週間にわたって隠蔽していました。要職にある政治家にあるまじき行為です。菅総理は昨日の本会議で、あってはならないことと述べられましたが、自らも昨年、自民党幹事長らと多人数でステーキ会食を行ったことを国民は忘れていません。
この本会議で河井あんり議員の辞職が認められました。一昨年の参議院選挙では、自民党本部から河井候補に一億五千万円もの資金が投入され、夫の克行氏とともに前代未聞の買収事件が裁かれています。河井議員には、国会で説明責任をきちんと果たすよう、この場でも強く求めます。
菅政権でこの感染症禍を迎えていることは、まさに歴史的な危機です。政治家が率先垂範しなければ、罰則を設けることについての必要性、合理性があるかに疑義が生じることになります。猛省を促します。
さて、昨年来、政府の感染症対策は後手後手であったばかりか、突然の一斉休校要請やアベノマスク、一連のGoToキャンペーンなど、妥当性を欠くと思われる政策も数多く見られました。その一方で、検査の拡充や医療機関等への支援は進まず、感染爆発、医療崩壊の要因となったことは否めません。
立憲民主党を始めとする野党は、昨年十二月二日、年末年始に深刻化が懸念される事態を受け、新型インフルエンザ特別措置法及び感染症法改正案を提出しました。ところが、政府・与党は、野党の主張を聞き入れず、国会を延長しませんでした。
今国会が召集されたのは、第三波の感染爆発が起こった後の一月十八日でした。本来であれば、提出済みの野党案を審議すべきことは当然であります。十分な補償を求め、罰則規定のない野党案と、刑事罰を求める政府案を国民に明らかにし、審議を通じて合意形成を図ることが国会のあるべき姿です。本来あるべき審議がなされなかったことは厳しく指摘しておきます。
しかし、野党である立憲民主党の一員として行政監視をしながらも、迅速な対応に向け働きかけていかなければならないと心します。時間が限られる中、自民党と立憲民主党により修正協議が行われ、野党が求めていた刑事罰の削除などが実現したことは評価に値します。
現在、新型ウイルス感染症に感染しても、自宅療養中に亡くなる方が相次いでいます。先日、自宅待機中の女性が自死されました。自分が周囲に感染させてしまったのではないか、悩んでおられたと聞きます。医療提供体制が十分ではないからこのような悲劇が起きたのではないか。政府も、私を含む国会議員も、責任を痛感しなければなりません。
このような状況下では、まず、医療体制を十分に整備すべきです。積極的疫学調査に応じない方に罰則を科したり、宿泊療養等の協力に応じない方に入院措置・勧告を行い、罰則を科すことには疑問があります。また、営業時間短縮等の命令に違反する行為が、命や健康へのリスクが高いと言えなければ罰則は正当化されません。適正手続の観点からは、十分な情報提供がなされなければなりません。
罰則は、偏見を強化し、感染者を絶望させ、隠蔽させ、感染拡大防止にも逆行するとも言われています。感染症法前文は患者等の人権を尊重しつつと明記し、第二条にも重ねて人権尊重と掲げています。さらに、特措法改正案第十三条二項で、感染に起因する差別的取扱いについて実態把握や相談支援、啓発活動を提案しています。それは、感染拡大を阻止する責務と感染者の人権尊重が、ともすれば緊張関係に陥ることを反省してのことではないでしょうか。
ハンセン病患者の皆さんは、国の強制隔離政策によって長くいわれのない差別に苦しめられてきました。こうした反省に基づいた旧らい予防法の廃止経過や廃案となった精神保健福祉法改正案における措置入院制度の在り方等の議論を踏まえ、慎重な運用がなされなければなりません。
ワクチン接種については、政府において準備作業が精力的に進められていると考えますが、自治体では、会場や医療従事者の確保、ワクチンの管理方法、接種の優先順位、接種券の送付、アナフィラキシーショックが生じた際の緊急対応、ディープフリーザーやその電源確保、中山間地域や移動困難者への対応など、不安が山積しています。
法定受託事務である以上、実施主体となる市町村の接種体制整備に向けて、国が責任を持って自治体に対応し、十分な財政支援を行うことが求められます。
ワクチン接種には自己決定権が尊重され、その判断によって差別などが引き起こされてはなりません。ワクチンの確保状況や具体的な供給時期、副反応情報や安全性、有効性などの情報については速やかな公表を求めます。
昨日、緊急事態宣言が十都府県で延長され、基本的対処方針が改定されました。その影響は日本全国に及び、ますます国民生活や事業者に御不便、御苦労をお願いすることになります。
今、必要なのは、徹底した感染封じ込めのための取組と十分な補償と給付です。市中にウイルスが蔓延する中で経済を回していくウイズコロナではなく、ウイルスの収束に向けたゼロコロナを目指すときです。立憲民主党と自民党で確認をした事業規模に応じた支援の在り方、飲食店以外の事業者への十分な補償措置等の支援措置とともに、国民生活を守るための更なる財政支援について、党としても具体的に提案していきますので、政府はしっかりと受け止めてください。
立憲民主党は、誰一人取り残さない政治、個人を尊重する政治を実現するために全力を尽くしてまいります。私たち政治家は、新型ウイルス感染症の収束に向け、国民とともにこの危機を克服していこうではありませんか。
以上、申し述べて、私の賛成討論を終わります。(拍手)