吉田忠智の発言 (本会議)
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○吉田忠智君 皆さん、おはようございます。本日、トップバッターで質問させていただきます立憲民主党の吉田忠智です。
私は、立憲民主・社民を代表して、ただいま議題となりました令和三年度地方財政計画、地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
昨日で、あの東日本大震災から十年が経過しました。大地震、巨大津波、あってはならない原発事故とその後の関連死で亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた方々、今なお避難生活をされている皆さんにお見舞いを申し上げます。
立憲民主党は、先日、復興大臣に対し三十四項目の提言を行いました。被災地の方々の声を聞くと、人が戻ってこない、空き地が埋まらないとの悩みを抱えています。避難者が戻れない、戻らない状況を打破すべく、真の復興に向けた新たな取組を今こそ改めて打ち出すべきと考えます。
そうした中で、先日、福島県沖を震源とする大きな地震が発生し、被害が出ました。今後、大きな余震も想定されています。この経験を風化させることなく、復興の加速と原発に頼らないエネルギー政策の確立に向けて、国会としてもその役割を果たさなければならないと、皆さんと確認し合いたいと思います。
これまで新型コロナウイルスでお亡くなりになられた多くの方々の御冥福をお祈り申し上げます。罹患された方々にお見舞いを申し上げますとともに、一刻も早い御快癒を祈念申し上げます。
そして、一日も早い収束に向けて献身的取組を続ける医療従事者の皆様、エッセンシャルワーカーの皆様に心からの敬意を表し、感謝申し上げます。
自らを犠牲にして、命を救うために懸命に職責を果たす方々を支えるべく、政治はその役割を果たさなければいけませんが、まずは、大変残念な問題から確認せざるを得ません。総務省の接待問題について、まず質問をいたします。
先ほど、東北新社の子会社の放送認可を取り消す方針だと総務大臣が明らかにしたとの報道がありました。外資規制違反という重大な問題であり、総務省の責任も重大だと申し上げざるを得ません。引き続きこの問題は厳しく追及していく決意です。
菅総理の総務大臣時代の秘書官であった長男菅正剛氏が勤務する東北新社が、総務省の幹部官僚への接待を行うことにより、衛星放送事業の許認可や外資規制違反逃れなどで東北新社への便宜供与を図ったのではないかという問題に、今、国会の多くの時間が割かれております。
また、NTTと総務省との接待問題も明らかになり、携帯料金値下げやドコモ子会社化などで通信行政がゆがめられたのではないかとの疑念も高まっています。
電波の許認可権を持つ役所の官僚が民間事業者から接待漬けになっていた事実は看過できません。菅首相の天領である総務省において、政権と行政、業界の癒着が次々に明るみに出ていることについて、武田良太総務大臣にまず質問いたします。
東北新社やNTTからの接待が放送行政及び情報通信行政に影響を及ぼしたことは断じてないと断言できるか、改めて確認したい。
東北新社やNTT以外の放送・情報通信関係者からの接待の有無について調査するつもりはあるか。
再発防止策についてどのように考えているか。現時点でできることはあるか。
今回の接待問題は国会審議にも影響が出ており、大臣の責任は極めて重い。どう考えるか。
行政がゆがめられていないか調査する委員会は全て第三者で構成するとのことだが、本当か。なぜ最初から第三者のみの調査を考えなかったのか。
現職の大臣を含む政務三役がNTTから接待を受けたとの一部報道があるが、事実関係を把握しているか。
過去の政務三役を調査対象に含める考えはあるか。
報道のように政務三役が利害関係者の接待を受けた場合、法的、倫理的な問題が生じると考えるか。
総務大臣の明快な答弁を求めます。
次に、新型コロナウイルスワクチン接種体制についてお尋ねいたします。
希望者全員が安心、安全、円滑にワクチン接種できるようにするという一大国家事業をめぐり、地方自治体は政府の情報発信の迷走の中、混乱しています。
全国の県、市町村の声を聞いてみました。国に照会を掛けても回答がなかった、国のQアンドA集が課題を網羅できていないため対応に時間を要するなどの声が寄せられていますが、最も多かったのは、実現不可能なワクチン量を前提とした実現不可能な予防接種の開始時期を周知するのではなく、安定的な供給が可能となる時期まで待って予防接種を開始するようにしてほしいという声でした。高齢者への優先接種分のワクチン提供量と提供日時が判明するのはいつになるのかとの自治体からの問合せに対して、厚生労働省は、正確なワクチン配送日は配送の数日前にお知らせする見込みですと回答し、地方自治体は困惑しています。
そこで、河野太郎ワクチン担当大臣に質問をします。
ワクチン接種に係るこれまでのプランニングとハンドリングをどのように考えますか。人材、情報の不足など多くの声が寄せられていますが、国としてどのような改善点がありますか。医療従事者の確保について、国として責任を持って地域の医師会にまで強く働きかけるべきではないでしょうか。
ワクチンの供給量と時期についての情報は、自治体の業務計画作成の基礎になります。政府は、これまでの反省を踏まえ、どのような計画をいつまでに、どのように作成しますか。
また、現状の国の予算では不足が見込まれることから、ワクチン接種体制を確実に整備するには自治体の財政上の懸念を払拭する必要があります。ワクチン接種に係る全ての経費を確実に全額国の負担とすべきと立憲民主党は第一次提言で示しておりますが、大臣の御見解をお聞かせください。
マイナンバーを使った新たな予防接種システムを構築すべきとの意見を耳にします。マイナンバーの活用についての議論は、平時に慎重に行うべきです。もはや有事とも言える現在の状況で、拙速にマイナンバーを新たなシステムとして導入することは、自治体職員に入力、点検等の仕事量を増やし、自治体を疲弊させ、ワクチン接種業務そのものに混乱や悪影響を与えかねません。緊急を要する今回のワクチン接種では拙速な取組はやめ、マイナンバーの利用を見送るべきと考えますが、いかがですか。
また、マイナンバーを活用したワクチン接種記録システムには法的不備という根本的問題があります。
いわゆるマイナンバー法では、第九条、利用範囲、第十九条、特定個人情報の提供の制限により、特定個人情報の利用は地方自治体の中でのみ認められてきました。しかし、今回政府が検討するワクチン接種記録システムでは、仮に自治体コードのようなものを入れたとしても自治体の外のシステムでの利用となり、マイナンバー法違反になります。マイナンバー法改正を行った上でこうしたシステム構築をするのが憲政の常道と思われますが、大臣の御見解をお聞かせください。
次に、地方自治体の本旨とデジタル改革の前提について質問します。
菅政権肝煎りのデジタル化政策は、地方自治の本旨への理解を欠いていると言わざるを得ません。
地方公共団体情報システムの標準化に関する法律案では、標準化を義務としており、地方自治体の選択の余地がありません。義務を努力義務にとどめ、自治体の意見を尊重し、反映させるべきであると考えます。
デジタル社会形成基本法案でも、基本理念にのっとり、デジタル社会の形成に関し実施する責務を有する、第十四条、情報の活用を積極的に推進するために必要な措置が講じられなければならない、第二十九条、地方公共団体が保有する情報を国民が容易に活用することができるようにする、第三十条など、自治体への押し付けとも言える強引な規定が散見されます。
昨年六月二十六日に第三十二次地方制度調査会が提出した二〇四〇年頃から逆算し顕在化する諸課題に対応するために必要な地方行政体制のあり方等に関する答申では、国、地方を通じた行政手続のデジタル化について、標準を設定する主たる目的が、住民等の利便性向上や地方公共団体の負担軽減であることを踏まえ、地方公共団体が、合理的な理由がある範囲内で、説明責任を果たした上で標準によらないことも可能とすることが必要であると総理に提言しています。
そこで、総務大臣に伺います。
標準によらないことも可能とするとの理解でよろしいですね。地方自治の本旨とこの標準化の関係をどのように考えるか、今後の議論の前提としてお示しください。
心配されるのが個人情報保護です。自治体はこれまで、長年にわたって住民と対話しながら個人情報保護に関する条例を築き上げてきました。要配慮個人情報を原則収集禁止にせず、本人直接収集を原則としないなど、規律が緩い行政機関個人情報保護法の水準で一元化することによって、今までせっかく積み上げてきた個人情報保護の歴史そのもの、意義そのものがないがしろにされ、地方の独自性を失い、個人情報の保護のレベルが低下するのではないですか。自治体の条例制定権、データ主権の観点から、大いなる疑念を持つものです。御見解をお示しください。
さて、地方財政計画と地方税、地方交付税について質問いたします。
二〇二一年度は新型コロナウイルス感染拡大による国税、地方税の大幅な減収の下で、一般財源総額確保とその地財対策の内容が大きな焦点となりました。
今回の財源不足は専ら歳入の減少が要因で、地方税と交付税原資となる国税の法定率分が前年度を大幅に下回ったことによるのは言うまでもありません。
二〇二一年度の地財対策は、新型コロナの影響で大幅な財源不足が見込まれる中、あらゆる地財対策を動員し、交付団体ベースで前年度を上回る一般財源総額を確保したものの、一般会計からの実額負担よりも、交付税総額からの控除要因を後年度に先送りした対策が目立っており、当座の財源不足をしのいだ対策です。
また、問題の臨時財政対策債についても、二〇一四年度とほぼ同額ですが、当時に比べて今回は既往償還分の占める割合が高くなっており、臨財債の残高も増加しています。後年度の一般財源総額の余地を考えると、地財対策の内容はもはや限界と言えます。
私は、今回の地方財政対策の全体的特徴を踏まえ、地方財政改革の必要性を提案したいと思い、総務大臣にお尋ねします。
骨太方針二〇一八では、一般財源確保総額ルールが二〇二一年度までとなっています。また、国、地方折半ルールも二〇二二年度限りとなっています。これを機会に、これまで事項要求にとどめてきた法定率の引上げを含む、抜本的な地方財政改革に進むべきと考えますが、総務大臣の御所見はいかがですか。
自治体の実情を無視した質より量の公共事業や前のめりの上からのデジタル改革を推進することよりも、まず、人々が社会経済活動にいつでも安心して復帰したり接近したりできるよう、居住、教育、保健福祉、公共交通など様々な生活保障の経費を充実させるための真に骨太な抜本的地方財政改革に取り組むべきと考えます。
総務大臣、地方交付税法第一条には、「地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的とする。」と定められています。地方自治を守る総務大臣の御決意を最後にお伺いし、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣武田良太君登壇、拍手〕