柳ヶ瀬裕文の発言 (本会議)

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○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文です。
 私は、我が党を代表して、ただいま議題となりました令和三年度地方財政計画、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
 十年前の昨日三月十一日、東日本大震災が発生しました。改めて、尊い命を失われた皆様、御遺族の皆様に心よりお悔やみ申し上げ、今も大変な御苦労をされている被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。
 現在も四万人を超える方々が避難されている現実を真摯に受け止め、我が党は、身を切る改革を実践し、復興支援に全力で取り組んでいくことをお誓い申し上げ、質問に移ります。
 まず、総務省の接待問題について伺います。
 東北新社からの総務省幹部に対する繰り返しの接待に加え、NTTからの高額接待も明らかとなり、総務省と放送・通信事業者の関係性が問われています。
 総務大臣は、今回の事案について、職員の倫理法令違反に対する認識の甘さや知識の不足が大きな要因と答弁されていますが、個人の資質やモラルの問題と問題を矮小化するのではなく、背景にある電波行政に通底する構造的な問題に目を向けなければなりません。
 デジタル化が進展する中、電波の需要はますます高まっています。ラジオやテレビなどの放送、携帯電話はもちろんのこと、先進技術であるAIやロボット、自動走行も、電波がなければ機能しません。しかし、電波の帯域は有限で、使い勝手の良い帯域は極めて希少なものとなっています。放送・通信事業者にとっては、この希少な帯域を確保できるかどうかがまさに死活問題であり、激しい争奪戦を繰り広げているのです。
 問題は、その電波の割当てについて政府が強い権限を握り、全ては総務省の判断次第と言われているように、ブラックボックス化していることです。総務官僚が不透明な強い裁量権を持っている、だから、そのブラックボックスをこじ開け、事業者にとって有利になるように裁量を働かせてもらおうと接待に至る。もし、このプロセスが透明で公正性が明らかに担保されているならば、接待は必要ないでしょう。
 ですから、今回の接待問題は、電波行政そのものの構造的なゆがみが端的に顔をのぞかせたにすぎません。研修の実施や監察体制の整備といった表面上の対策では不十分であり、電波行政の公正性、透明性について根本から見直すべきであります。
 そこで、幾つか提案をしてまいります。
 まず、電波の割当てについては、我が党がかねてより主張してきた透明性が高く経済的価値に重点を置いた電波オークション制度を導入するべきです。
 令和元年の電波法改正により経済的価値に対する評価が部分的に導入されるようになりましたが、依然として総務省の裁量の余地は大きく、透明化されているとはとても言えない状況です。このような時代遅れの比較審査方式を採用しているのは、OECD諸国の中で唯一日本だけとなりました。デジタル社会の推進に不可欠である新規プレーヤーの参入促進、業界の新陳代謝が図られることにもつながる電波オークション制度を導入すべきと考えますが、総務大臣の見解を伺います。
 また、利用価値の高い周波数帯が有効活用されていないことも問題です。地上波デジタルテレビは四十チャンネル分、四百七十から七百十メガヘルツという広大な帯域を占有していますが、実際に運営されているチャンネル数は僅かであり、縮減できるはずだと以前から議論されてきました。
 しかし、放送事業者は周波数帯の整理や移動に消極的であり、既得権益を手放そうとしない。そして、なぜか総務省も積極活用に前向きではありません。放送事業者と総務省に特殊な関係があるのではないかと疑念を抱かせるものであります。放送局に割り当てられている広大な帯域の再配分、有効利用を早急に進めるべきと考えますが、総務大臣の見解を伺います。
 また、今回の接待問題が生じた背景の一つとして挙げられているのが、衛星放送におけるスロットの割当てをめぐる問題です。
 放送用の衛星を実際に保有し、電波法に基づき総務省から電波の割当てを受けているのは民間企業である衛星の管理運営会社です。にもかかわらず、総務省は、衛星放送事業者に対する認定などを通じ、事業者に対するスロット割当てを実質的に管理しています。なぜ総務省が口を挟む必要があるのでしょうか。そこに合理性は見出せません。その理由を明快にお答えいただくとともに、衛星放送のスロット割当ては、不必要な行政の介入を排し、衛星を保有する会社と放送事業者に任せるべきと考えますが、総務大臣の見解を伺います。
 そして、最大の既得権益を長年享受してきたのは、テレビとラジオを合わせて九波も有しているNHKであります。貴重な電波帯域を広く占有し、国民から受信料を徴収しながら、公共放送としての役割をどれだけ果たしているのか、不信が広がっています。
 本年一月に新たに策定された経営計画では既存業務の改革をうたっていますが、ラジオ一波、衛星放送一波の削減程度では極めて不十分と考えます。NHKの果たすべき役割を明確化、再定義し、公共放送として不可欠な業務を絞り込んだ公共NHKとそれ以外の民間NHKに分割するプランを我が党は提案していますが、そのような抜本改革が必要だと考えます。総務大臣の見解を伺います。
 電波は希少な資源であり、これを有効に活用できるかどうかは、我が国の成長に直結する重要な課題であります。今回の接待問題を機に、電波行政の公正性、透明性を根本から見直し、その恩恵を広く国民が享受できるようにするべきと考えますが、総務大臣の見解を伺います。
 次に、地方の自立について伺います。
 日本維新の会は、自立する個人、自立する地域、自立する国家を実現することを理念に掲げ、停滞する現状を打破しようと試みる改革政党です。地域の自立のためには、税源と権限の各地域への大幅な移譲が不可欠です。このため、安定財源として消費税を地方財源とし、社会保障や教育に関する事務の権限を地方に移譲するとともに、地方交付税を廃止して国への財政依存を断ち切り、各地方間の格差は水平的な財政調整で行う、このようなことを提案しています。真の地方の自立に向けて地方交付税制度を含む国と地方の在り方を抜本的に見直すべきと考えますが、総務大臣の見解を伺います。
 令和三年度の地方財政計画では、十兆円を超える地方の財源不足が見込まれることを踏まえ、財源確保策として、交付税特別会計の借入金償還計画の大幅な見直し、将来の国からの加算分の前倒しを行うなど、後年度への負担の先送りや財源の先食いを多く含んだものとなっています。
 令和四年度以降も、経済の回復が遅れた場合、令和三年度に匹敵する大規模な財源不足が再び発生する可能性もあります。この際はこうした財源確保策はもはや持続可能ではないと考えますが、どのように対応していくんでしょうか。総務大臣の見解を伺います。
 また、巨額の財源不足への対応で、臨時財政対策債は五・五兆円と三年ぶりに残高が増加する見込みとなっています。臨財債は平成十三年度に臨時的な措置として導入されましたが、これまで二十年以上続き、事実上恒久化されています。また、その残高は令和三年度末見込みで五十五・一兆円と巨額の債務となっています。地方財政においては、毎年度巨額の財源不足が発生していますが、我が党が繰り返し主張しているように、合理性のない臨財債は即刻廃止し、法定率の引上げなどによって財源不足に真正面から対応すべきと考えますが、総務大臣の見解を伺います。
 最後に、統治機構改革について伺います。
 これまで各政権において、地方の自立、地方分権が叫び続けられてきましたが、いまだ真の地方の自立からは程遠い状況にあります。
 私たちは、これからのグローバル競争を支えるプレーヤーは国家ではなく都市であると考えています。グローバル都市が地方を牽引し、地方の切磋琢磨が国家を牽引する、その骨格を成すのが道州制です。これからの時代に適応した道州制を含めた統治機構改革をどのように進めていくのか、総務大臣の見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣武田良太君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120415254X00920210312_011

発言者: 柳ヶ瀬裕文

speaker_id: 19165

日付: 2021-03-12

院: 参議院

会議名: 本会議