岸信夫の発言 (本会議)
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○国務大臣(岸信夫君) 井上議員にお答えをいたします。
まず、在日米軍駐留経費における日本の現在の負担割合についてお尋ねがありました。
在日米軍駐留経費負担の日米の負担割合に関し、米軍の駐留に伴い必要となる経費の範囲については様々な捉え方があることなどから、一概に算定し得るものではありません。
その上で、御指摘の数値は、平成二十八年当時に要求のあった議員のお考えに沿って、機械的に、在日米軍関係経費として日本側が負担している項目のみを捉えて、日本側の負担割合を日本側が把握している範囲で単に試算として数値化したものであり、そのほかの米側のみが支払っている経費を含めた在日米軍の駐留に伴い必要となる経費全体の日米の負担割合を示すものではありません。
したがって、在日米軍関係経費として日本側が負担する経費項目のみを捉えて日本側の負担割合を数値化することは適当でないことからして、御指摘の数値と同様の算出方法で現在の数値をお示しすることは差し控えます。
次に、日米の負担割合に関する説明責任についてお尋ねがありました。
日米の負担割合については、米軍の駐留に伴い必要となる経費の範囲の捉え方が日米間で異なること等から、一概に算定し得るものではありません。
HNSについては、日米の負担割合を論じる前に、まずは、我が国の平和と安全を確保する上で、日米でいかなる役割、任務の分担をしていくか、また、その下で我が国の負担規模が適切か否かを考えることが重要であります。
その上で、我が国のHNSの負担規模については、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を支えるHNSは引き続き重要である点を踏まえた上で、我が国の厳しい財政状況や我が国を取り巻く安全保障環境等の各種要素を総合的に考慮し、主体的に判断しています。
次に、米軍再編関係経費及びSACO関係経費等を含めた負担の総額についてお尋ねがありました。
令和三年度予算案において防衛省で計上している在日米軍関係経費は、在日米軍駐留経費負担の約二千十七億円のほか、周辺対策や施設の借料等として約千九百九十三億円、SACO関係経費として約百四十四億円、米軍再編関係経費として約二千四十四億円であり、全体で約六千百九十八億円となります。
次に、他国の米軍駐留経費負担についてお尋ねがありました。
他国における米軍の駐留経費負担に関し、詳細を申し上げる立場にはありません。
また、各国が負担している米軍駐留経費の内容や規模については、各国を取り巻く安全保障環境やその中での駐留米軍の役割等、種々の要素を総合的に勘案しているものであり、また、国によって経費の範囲をどのように捉えているかに違いがあることから、単純な比較及び評価は困難であります。
次に、中国海警法の国際法との整合性についてお尋ねがありました。
海警法については、曖昧な適用海域や武器使用権限など、国際法との整合性の観点から問題ある規定を含むと考えています。
例えば、海警法第三条は、中国の管轄海域及びその上空において本法を適用する旨規定していますが、この管轄海域の範囲が不明確です。仮に中国が主権や管轄権を有さない海域において海警法を執行すれば、国際法に違反すると考えております。
また、海警法第二十一条は、中国の管轄海域における外国軍艦、公船による中国の法令違反行為に対して法執行業務を行う旨規定し、また、外国軍艦、公船に対して強制的退去、強制引き離し等の措置を講じる権利を有する旨規定していますが、国際法上、一般に、軍艦及び公船は執行管轄権からの免除を享有しており、海警法が軍艦、公船が享有する免除を侵害する形で運用される場合、国際法に違反すると考えております。
こうした中で、我が国を含む関係国の正当な権益を損なうことがあってはならず、中国海警法により、東シナ海や南シナ海などの海域において緊張を高めることになることは全く受け入れられません。こうした我が国の強い懸念を中国側に対し、引き続きしっかり伝えてまいります。
いずれにせよ、防衛省・自衛隊としては、あらゆる事態に適切に対応し、国民の生命、財産及び領土、領海、領空を断固として守り抜くため、引き続き万全を期してまいります。
次に、日米2プラス2共同発表についてお尋ねがありました。
日米2プラス2共同発表においては、御指摘の内容に続けて、米国は核を含むあらゆる種類の米国の能力による日本の防衛に対する揺るぎないコミットメントを強調したと述べるなど、日米双方が考えや取組を述べ合うものとなっており、日本側のみが決意を示しているとの御指摘は当たりません。
なお、政府としては、防衛計画の大綱でも述べられているように、日米同盟の一層の強化に当たっては、我が国が自らの防衛力を主体的、自主的に強化していくことが必要不可欠の前提と考えております。
今般の2プラス2では、厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、日米同盟の役割、任務、能力に関する協議を通じ、日米の戦略、政策を緊密にすり合わせていくこと、宇宙、サイバーを含む領域横断的な協力を深化させること、拡大抑止を強化するための連携を強化すること、運用の即応性及び抑止態勢の維持の観点から実践的な演習及び訓練を行う必要性等を確認しました。
今後、かかる分野を含む連携や能力の向上を通じ、日米同盟の抑止力、対処力の強化に努めてまいります。
最後に、日米2プラス2共同発表と米国の要求についてお尋ねがありました。
先ほども述べましたように、政府としては、防衛計画の大綱でも述べられているように、日米同盟の一層の強化に当たっては、我が国が自らの防衛力を主体的、自主的に強化していくことが不可欠の前提と考えており、共同発表が米国の要求に応じて役割を果たすとの表明であるとの御指摘は当たりません。
また、我が国の防衛力を高め、日米同盟の抑止力、対処力を強化するためには、必要な装備品の調達等による防衛力整備、在日米軍の再編、在日米軍駐留経費負担を含む様々な取組を行っていく必要がありますが、これらの取組は、いずれも米国と協議しつつ、我が国として主体的に判断しているものであり、これらの取組を米国から迫られているとの御指摘は当たりません。(拍手)