山添拓の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○山添拓君 日本共産党を代表し、二〇二一年度一般会計予算外二案に反対の討論を行います。
 冒頭、相次ぐ法案の誤りに厳重に抗議します。
 今日までに確認されたのは、十三府省庁、二十四の法案、条約に上ります。前代未聞の国会軽視であり、予算案、法案審議の前提を欠く事態です。提出済みの全ての法案を速やかに調査し、是正するよう強く求めるものです。
 本予算案に反対する理由は、最大かつ緊急の課題であるコロナ対策の予算が極めて不十分だからにほかなりません。巨額の予備費で政府に白紙委任せよというのは財政民主主義に反します。
 それどころか、本予算案は、高齢化に伴う社会保障費の自然増分を一千三百億円も削減し、年金は〇・一%のマイナス改定、介護施設の食費補助の見直しで二十七万人に百億円の影響が生じるなど、軒並み負担増を強いるものです。しかも、政府は、病床削減推進法案と高齢者医療費二倍化法案まで押し通そうとしています。コロナ禍、社会保障の脆弱さが露呈しています。この上、自助努力で自己責任を押し付けるつもりですか。
 コロナ対策に便乗したマイナンバーカードの普及促進やデジタル庁創設、大型開発事業推進など、不要不急の予算が多過ぎます。三次補正予算で追加されたGoToトラベルを来年度も継続するといいますが、感染抑止に逆行します。
 軍事費は過去最大の五兆三千四百二十二億円、後年度負担、ローン払いの残高は予算額を超える五兆五千三百三十億円に上ります。国民生活の厳しさをよそに、新型イージス艦の取得や戦闘機の開発に邁進する姿勢は、余りに異常です。
 格差の拡大に拍車が掛かる下、税制のゆがみを正すべきです。しかし、本予算案は、多くの事業者と消費者が願う消費税五%への減税に背を向け、研究開発減税の拡充など、大企業優遇を更に進めようとしています。富裕層や大企業に応分の負担を求める転換こそ急務です。
 日本共産党は、立憲民主党と共同し、衆議院で組替え動議を提出しました。生活困窮者への給付金を始め、コロナ対策を抜本的に強化するとともに、病床削減の財政支援はなくし、辺野古新基地建設予算も削減するなど、全般的組替えを求めたものです。国民の苦難に寄り添う予算へと改めるべきです。
 ワクチン頼みで無為無策は許されません。本格的な感染第四波を招くことのないよう、政策と予算を集中すべきです。
 いまだに検査の不十分さが解消しない事態は異常です。
 高齢者施設や医療機関、重症化リスクの高い施設では、職員や利用者に繰り返し定期的に検査することが必要です。三月中に一回きりではなく、政府が基準を示し、予算を措置すべきです。モニタリング検査は感染拡大の予兆をつかむため一日十万の規模へ拡充を、変異株検査の割合は大幅な引上げを、直ちに行うべきです。
 総理は、以上の我が党の提案に、方向性はほぼ一緒としつつ、量が違うと答弁しました。量こそ重要です。自治体任せとせず、政府が戦略を持ち検査を大規模に拡充するよう、重ねて求めるものです。
 医療機関への緊急包括支援交付金は、使い切れなかった分を国に返金させるといいます。総理は、医療支援に三兆円など、繰り返し述べてきましたが、相当部分が見せ金に終わる可能性があります。入院や手術の先送り、外来の閉鎖など、医療機関が抱える赤字はその多くが人件費に跳ね返ります。減収補填で全体を支えるべきです。
 感染第三波で、暮らしと経済への打撃が長期化し深刻化する中、政府は、持続化給付金、家賃支援給付金の申請を打ち切りました。余りに冷酷です。
 飲食店への一日六万円の協力金は、助かるところがある一方、規模が大きく、焼け石に水という店舗も少なくありません。飲食店以外への最大六十万円の一時支援金は、一回限りで減収を補えず、飲食店との分断と格差を招いています。しかも、協力金や支援金は現場に行き届いていません。遅い上に不十分で不合理な支援の在り方をなぜ繰り返すのですか。
 野党は衆議院で、持続化給付金を再支給する法案を共同提出しました。二度目の受給を可能とし、要件を緩和し、対象も拡大、さらに事業規模に応じた加算措置などを提起しています。中小企業や農林水産業を支える、この方向での改善を強く求めます。
 ライブハウスは音楽文化の担い手であり、潰してはならない、総理もその認識を示しました。ところが、文化庁の支援事業の申請が、事務局体制の不備が理由で、三月になって一気に六千件も不交付とされていました。看過できません。申請をやり直し、救済すべきです。文化の灯を絶やさない実効性ある支援が必要です。
 大企業のシフト制労働者が、休業支援金の対象として拡充されました。当事者の声が動かした大きな成果です。ところが、対象期間が限定され、中小企業より低い補助率は差別だと批判が広がっています。総理と面会した女性労働者は、対象が拡大されてうれしいが、企業規模で給付内容に差を付けるのはおかしいと述べています。この声に応えるべきです。
 シフトが減らされても休業手当が払われない、勤務直前までシフトが確定しない、当日キャンセルでも補償なし。余りに理不尽です。EU指令にあるように、最低限の労働時間や賃金を明示させる予見可能なルールが日本でも求められます。
 女性にとりわけ困難をもたらしています。飲食、宿泊、女性の割合が多い非正規雇用が激減し、収入がゼロになり、支援はない。女性の自殺者急増とも密接に関わっています。
 背景には、女性が多く担う業務が非正規に置き換えられ、文字どおり雇用の調整弁とされてきた実態があります。正規であっても、看護師や介護士、保育士など、ケア労働が補助的業務や家庭労働の延長だとして不当に低い処遇にとどめられてきました。ジェンダー不平等を当たり前としてきた構造的な問題を、本気で改めることが求められます。
 コロナ禍を経て、誰もが人間らしく働ける社会へ、政治が役割を果たすべきです。
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から十年。ふるさと喪失慰謝料が各地の裁判で認容されています。除本理史公述人が述べたように、自然環境や住民のつながり、地域の伝統行事などを失う被害は甚大です。避難指示が解除されても、多くの人が帰還できずにいます。国と東電は、被害を直視し、誠実に賠償するべきです。
 その東電の柏崎刈羽原発で、ID不正利用に続き、核防護施設の侵入検知装置が故障し、機能喪失に陥っていたことが明らかになりました。原子力規制委員会が最も深刻な状態だと評価し、是正措置を命じたのは重大です。総理は、原発を扱う資格に疑念を持たれてもやむを得ないと述べました。福島事故を起こしながら、なお安全性より経済性を優先する東電に、原発を運転する資格はありません。
 総務省、農水省、文科省、接待や贈収賄の疑惑が底なしの広がりです。
 東北新社は、なぜ総務省幹部を次々と接待できたのか。総理の長男の存在なしには到底説明できません。その中で衛星放送事業の違法な認可が見過ごされ、隠されてきたのなら、大問題です。
 携帯料金値下げを看板政策とする菅政権の総務大臣が、渦中のNTTやドコモの関係者と会食する、それ自体が疑念を招くと言うべきです。
 官僚や閣僚が特定の事業者と緊張感なく癒着している実態があらわとなり、職務の公正さに対する国民の信頼は大きく損なわれています。全容解明のため、野党が求める関係者の国会招致、関連資料の提出に直ちに応じるよう、強く求めます。
 腐敗を一掃し、政権交代で新しい政治を切り開く決意を述べ、討論といたします。(拍手)

発言情報

speech_id: 120415254X01120210326_012

発言者: 山添拓

speaker_id: 1521

日付: 2021-03-26

院: 参議院

会議名: 本会議