柳ヶ瀬裕文の発言 (本会議)
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○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文です。
私は、会派を代表して、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論いたします。
討論に先立ち、総務省の接待問題について一言申し上げます。
東北新社からの総務省幹部に対する繰り返しの接待に加え、NTTからの高額接待も明らかとなり、総務省幹部職員が辞職する事態に発展いたしました。第三者検証委員会が設置され、調査が開始されましたが、この調査の行方を注視するとともに、懸念事項について申し上げておきたいと思います。
総務大臣は、今回の事案について、職員の倫理法令違反に対する認識の甘さや知識の不足が大きな要因と繰り返し答弁されてきましたが、個人の資質やモラルの問題と問題を矮小化するのではなく、背景にある電波行政に通底する構造的な問題に真摯に向き合うべきであります。
希少で経済的価値の高い電波の許認可が、全ては総務省の判断次第と言われるように、強い裁量権をもって不透明なブラックボックスの中で決められている、これが問題なんです。
接待をするのには理由がある。電波行政のプロセスが透明で公正性が明らかに担保されているならば、接待は必要ないでしょう。行政がゆがめられたのではないかの疑義を検証することも重要ですが、接待でゆがめられることのない行政を形作ることも必要であります。
この構造的な問題を温存したまま、倫理規程の一部見直しや職員意識の啓発など、その場しのぎの小手先の解決策では、また同じ問題を繰り返すことになるでしょう。我が党は、抜本的な解決策として、電波オークション制度の導入、第三者による電波管理機関の設置などを提案しています。第三者検証委員会では再発防止策を策定するとのことですが、総務大臣には問題の本質に真摯に向き合って、改革を断行することを望みたいと思います。
電波は希少な資源であり、これを有効に活用できるかどうかは、我が国の成長に直結する重要な課題であります。今回の接待問題を機に、電波行政の公正性、透明性を根本から見直し、その恩恵を広く国民が享受できるようにするべきと考えます。
地方税法、地方交付税法改正案について申し上げます。
これまで、各政権において地方の自立、地方分権が叫び続けられてきましたが、いまだに真の地方の自治は、自立からは程遠い状況にあります。新型コロナウイルス感染症への対応に鑑みればやむを得ない面があることも理解いたしますが、両法律案は、地方創生や地方の自立を志向した内容が全く含まれていない、当座のびほう策の集まりと言わざるを得ず、容認することができません。
真の地方の自立に当たっては、税源と権限の各地域への大幅な移譲が不可欠であります。しかし、国と地方の歳出比率はおおむね四対六であるのに対し、税収の割合が六対四である構造は長年変わることなく今に至っています。
地方にとっては、地方交付税制度という垂直的な財政調整制度によって、国からの財源移転に依存せざるを得ない状況が続いておりますが、これを根本的に改め、地方に財源を大幅に移譲した上で、なお残る税源の偏在は地方間で調整を図る水平的な財政調整制度に改めない限り、真の意味での地方の自立は実現しません。
また、令和三年度は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、十・一兆円と巨額の財源不足が見込まれますが、その財源確保策は交付税特別会計借入金の償還繰延べや臨時財政対策債の発行といった持続可能性のない一時しのぎの策を重ねています。
そもそも、臨時財政対策債は平成十三年度に臨時的な措置として導入されたものであります。導入から二十年も経過し、今やその累積残高は五十兆円を超えていますが、当初はこうした異常事態を想定していなかったはずであります。
臨財債は、一旦地方に赤字地方債を発行させ、その元利償還金の一〇〇%相当額を国からの交付税措置を通じて保障する、国の借金を一時的に地方に肩代わりさせる制度と言えます。それならば、なぜ最初から国で負担しないのでしょうか。臨財債が長年続いている合理的な理由は、委員会での質疑でも政府側から示されることはありませんでした。合理性のない臨財債は直ちに廃止するべきであります。
地方財政においては毎年度巨額の財源不足が発生していますが、このような形だけを取り繕った場当たり的なびほう策をいつまで続けるのでしょうか。私たちは危機感を持っています。このような状況で、十年後、二十年後に地方は存続することができるのでしょうか。地方交付税制度は昭和二十九年度に創設された制度であり、もうすぐ七十年を迎えます。社会や産業の構造、ライフスタイル、価値観が大きく変わる中、国と地方の在り方も時代に適応して進化しなければなりません。
両法律案は一時しのぎの策にとどまり、地方創生や地方分権の推進といった観点や臨財債の廃止に向けたビジョンが一切感じられるものではありません。
自立した地方の実現に向けた統治機構の改革、地方への権限及び財源の大胆な移譲が必要であることを改めて申し上げ、反対討論といたします。(拍手)