岸真紀子の発言 (本会議)

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○岸真紀子君 立憲民主・社民の岸真紀子です。
 私は、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案並びに地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し、会派を代表して、両案に賛成の立場から討論を行います。
 本来であれば地方自治体にとって非常に大事な両法案ですが、総務省接待問題等についてまず言及せざるを得ません。
 総務省においては、事態の深刻さを全く理解されていないのではないでしょうか。それは、予算委員会や総務委員会などでの質疑において武田大臣が数十回にわたり同じ答弁を繰り返すなど、真摯な姿勢が全く感じ取れないことに象徴されています。コロナ禍で苦しむ人々がいらっしゃる中で、改めて武田大臣には、利権に執着するような姿勢でいいのか、これから申し上げることを切に刻み込んでいただきますようお願いします。
 菅総理の御子息が関与している接待問題を発端とし、放送や通信事業の許認可権を持つ総務省の接待問題が次々と発覚し、多くの国民の皆さんが疑念や不信を抱いています。
 この問題をめぐって、参議院予算委員会の中で、東北新社が受けていた衛星放送事業の認定が実は外資規制違反であったことが指摘され、接待がきっかけで脱法スキームと言える通常では考えられない便宜を図ったのではないかという疑念は全く拭い去ることができていません。
 また、外資規制違反の報告を受けた、受けないでは、東北新社と総務省では現在そごが生じています。許可という強い権限を有している総務省が、記憶がない、文書がないと答弁を繰り返していますが、こういった内容がデジャブに感じるのは、これまでの森友、加計問題と同じ構造であり、安倍、菅政権と続く政権への権力の集中とそんたくが招いた結果であるからではないでしょうか。行政がゆがめられている、そう感じざるを得ません。NTTを始めとする関連業者から接待を受けたのではないかとただされながら、誠実な答弁をせず、総務省接待問題の政治責任にも人ごとで、国民の疑念や政治不信を誘発するばかりの武田大臣の姿勢は断じて許されません。
 また、三月二十二日、河井克行元法務大臣が東京地検の公判で二〇一九年七月の参議院選挙における買収行為を認め、昨日、衆議院議員を辞職しました。河井案里さんは既に有罪が確定し、二月に当選無効となっています。
 二人の違法行為は、国民に多大な政治不信を招いたことに重ね、国会に説明を果たすという文書が提出されているにもかかわらず、説明責任を果たされないままの議員辞職に至りました。コロナ禍で地域経済の悪化から失業や収入減を強いられている方々のことを思うと、これまでに支払われてきた歳費等の問題と併せ、並々ならぬ怒りを感じます。
 皆さん御承知のとおり、一億五千万円という多額の資金は自民党から提供されたものであり、陣営を後押ししたと言えます。にもかかわらず、自民党の総裁でもある菅総理は具体的説明をしていませんし、さらに、あろうことか、二階幹事長からも、党もこうしたことを他山の石としてしっかり対応していかなくてはならないと、まるで人ごとのような発言がされたことは、余りの衝撃で開いた口が塞がりません。この問題は菅政権と切り離して考えられるものではありません。離党や議員辞職で済ませることなく、本人が説明するか総理が責任を持って参議院に説明していただくことを強く要請します。
 それでは、地方税、地方交付税法改正案について申し上げます。
 この二つの法案は、COVID―19の感染対策を一年以上にわたって対応している自治体の現場と密接な関係にあります。保健所や病院など命を守る公衆衛生や、医療・介護職場、手洗いなどには欠かせない水道やごみ収集、地域の生活交通等の暮らしを支える職場、DV、児童虐待、労働、貧困等の相談支援といった福祉職場、学校や保育など子供関連職場、十万円の特別定額給付金業務や経済支援、そして今はワクチン接種業務を担っている職場など、地域住民に近い存在として地方自治体に期待される役割はとても大きく、重要です。
 政府がコロナ対策として決定してきた制度や政策も、その多くは自治体の現場に担っていただいています。これまで、国と地方の関係は対等であるにもかかわらず、自主財源が限られている地方自治体は、国に地方交付税の不足分への対応を言わば人質に取られたような形で、人員削減や行財政改革、さらには市町村合併までも助言という名の政策誘導に乗らざるを得ませんでした。
 しかし、コロナ禍において明らかとなったように、私はむしろ国が地方に依存していると言えるのではないかと考えます。その意味からいえば、役割と財源はセットであり、本法案にある地方交付税を始め地方の財源を確保することは当然の結果と言え、総務省があらゆる地財対策に努め、地方交付税等の一般財源総額を交付団体ベースで実質二〇二〇年度を〇・二兆円上回る六十一兆九千九百三十二億円を確保したことは評価できます。自治体は、コロナの影響で大幅な税収減が見込まれる中でも、新年度予算における財源にめどを付けることができたと言えます。
 しかし、その財源確保の内容を見ると、国の一般会計からの加算よりも、交付税総額からの控除要因を後年度に先送りした対策が目立ち、当面の財源不足をしのいだものであります。また、臨時財政対策債についても、概算要求時点よりは縮小したとはいえ、臨財債残高も増加しており、将来世代への負担が重くなることに強い懸念が残ります。
 地方の財源を安定的なものとするためには、税源移譲と交付税法定率の見直しが必要です。国と地方の歳出比率は四対六というのが実態ですが、税収は六対四となっています。先ほども述べたとおり、国と地方が対等の関係にあることからいえば、少なくとも五対五の実現を武田大臣に強く要望します。
 また、地方の財源不足のうち、国の一般会計の加算分等を除いた残余の財源不足分について、国と地方で補填するという折半ルールは、三年間の臨時措置とされていたはずなのに、延長が繰り返された結果、実質、恒久的になりつつあることは大問題です。臨時財政対策債及び折半ルールは、地方自治体にとって負担を付け回すものであることから、これを直ちに見直し、国の責任で財源確保に努めるべきです。
 感染症対策の最前線に立つ保健所では深刻な人手不足に直面し、職員は疲弊しています。このままでは感染を防ぐことに支障を来すかもしれないという危機的状況にあります。二〇二一年度の地方財政対策では、保健師の数を二年間で現行の一・五倍、約九百人、道府県の標準団体で十二人を増員することとしています。増員することは評価しますが、これで十分とは言い難く、引き続き、現場状況を把握し、必要な人員配置の措置を求めます。
 また、地財計画では、地域デジタル社会推進費の創設として二〇二一、二〇二二年度で各年度二千億円が地方交付税措置として算定され、光ファイバーの全国展開や5Gサービスの開始、ローカル5Gの導入など情報通信基盤の整備の進展を踏まえ、地域社会のデジタル化を集中的に推進するとしています。自治体のシステム標準化はまた別な機会に論じるとして、地域のデジタル化に向けた整備のための臨時費目として二年間の計上を予定しているのですが、僅か二年間の期間に限った一時的な政策経費だとすれば、地財計画の標準的経費として計上することは財源保障の在り方として問題です。国として、デジタル化を推進するのであれば整備が完了するまで国が財源を保障すべきではないかと考えます。
 様々な問題点はあるものの、地方自治体が地域住民の暮らしを守るためにも、地方税、地方交付税を始め安定的な財源を確保することは重要であることを勘案し、私たちの会派は賛成するに至りました。
 引き続き地方財政の安定的な確立と地域主権を目指し、国民の代表たる立法府の立場から厳しく行政監視を行っていくことを申し上げ、討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 岸真紀子

speaker_id: 13507

日付: 2021-03-26

院: 参議院

会議名: 本会議